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第106号(1999年10月28日発行)

特措法違憲訴訟

九七年「米軍用地特措法」改定は違憲ダ!

国会議員などの証言で違憲性立証へ

 昨年一〇月に、有銘政夫さん他六名の地主は九七年四月国会で改定された「特措法」を違憲であるとして提訴した。同じく改定特措法により楚辺通信所(通称ゾウのオリ)に一部所有する土地を占有されている知花昌一さんの事件も合わせて審理が行なわれている。
 
 第四回公判が十月五日那覇地裁一〇一号法廷にて開かれた。一〇月はまだ暑い。一〇時半から事前集会が始まり原告の有銘さん、池原さんのあいさつに続いて弁護士の伊志嶺善三さんから公判内容について説明を受けた。
 
 一坪地主会から崎原盛秀さんが「沖縄を狙い打ちにした差別的な特措法改定は許されない」と発言し、一坪北部ブロックからは安次富浩さんが「現在、県は北部を前提として移設候補地を一本に絞り込んだと伝えられる。住民意思を無視して再ぴ押しつけるのは許し難い」と普天間飛行場の県内移設反対をアピールした。

 開廷は十一時。原敏碓裁判長のもと原告側弁護人十名、国側弁護人十三名の出席で始まった。新垣勉弁護人から六名の人証申請が出された。内二名の国会議員からは国会での法改定時における違意性を、原告四名の地主からは改定により土地が使用され続けていることの不当性を、各々証言してもらうためにである。国側は「国会議事録があるから証人は必要なし」と反論したが、原告側から「議事録以外の審議状況について証言を求めたい」と主張があり、その判断は次回で決定するということで終了した。
 
 ☆次回は来年一月十八日。
 
 私たち一坪地主を含めて反戦地主の土地は九十七年五月十四日の使用期限切れを過ぎても返されていない。もとより財産権が踏みにじられている特措法の違憲性は、その改定によりさらに度合いを増している。県収用委員会の裁決を経ない国側の一方的な使用手続きは、憲法三十一条の適正手続きを保障していない。また未契約地主三千人の土地について不法占拠回避することを目的としてなされた改定は四十一条に規定される立法概念を逸脱している。さらに特定地域が不利益を受ける法律については住民投票が必要であるにも拘らず、その手続を踏んでいないのは九十五条に反している。次回公判から諸々の違憲性を具体的に立証していく予定である。
(N)