県議会で県内移設決議を強行可決
名護移設の「年内決着」狙う
さる一〇月一五日に沖縄県議会は『普天間飛行場の早期県内移設に関する要請決議』を自民党などの多数で強行可決しました。
野党が反対する中、注目の公明党は採決時に退場しました。
米軍基地の県内移設については圧倒的多数の県民が反対しています。そのことは九六年の県民投票で米軍基地の整理・縮小を求めたことや、「普天間基地は県外移設すべき」が六五%を占めた咋年の世論調査、そして基地建設に明確に反対した九七年の名護市民の市民投票に明確に示されています。今回の県議会の決議は、基地のない平和な沖縄を願う県民の心、基地に反対した名護市民の意思を踏みにじる暴挙です。
さらに決議は、沖縄県議会の三年前の県内移設反対決議をも否定するものとなっています。沖縄県議会は、九七年六月にSAC0(日米特別行動委員会)の中間報告が出た時に「普天間飛行場の全面返還を促進し、基地機能の強化につながる県内移訟反対する決議」を全会一致で可決しています。普天間基地の県内移設が基機能の強化につながるとの危倶から可決されたもので、「騒音の拡大・事故の危険性・自然環境の破壊・新たな基地機能の強化・基地の整理縮小への逆行」など県内移設の問題点を当時から指摘しています。
普天間基地の移転問題の中で、新しい基地には再新鋭機MV22オスプレイの配備が決定されていることにみられるように、移転が基地機能の強化とセットになっていることは明確になっています。
にもかかわらず三年前の決議に賛成した自民党が今回、移設が沖縄県民の基地負担の軽減につながるとして普天間基地の早期県内移設決議を強行したことは県民への裏切りであり絶対に許すことはできません。
日米両政府に追随する稲嶺県知事は今回の決議を受けて、政府からの経済振興策を引き出しながら一二月頃には「名護市辺野古周辺を第一の候補地として政府に提示する」といわれています。
いま日米両政府は、今回の県議会決議にみられるように、来年の沖縄サミットと普天間基地の県内移設をリンクさせ、新たな基地建設をおし進めんとしています。
九月の下旬には、移設先有力候補地といわれている米海兵隊・キャンプ・シュワブ基地の周囲の辺野古・豊原・久志の三区が海上・陸上のいかなる基地建設にも反対する決議をあげました。
さらに九月二七日の名護市議会では「沖縄本島北部に空港建設促進する」という決議案が二〇対八の大差で否決されています。このように移設先予定地といわれているところでは反対の声が圧倒的です。
九月二七日には「普天間基地・那覇軍港の県内移設に反対する県民会議」が、基地の県内移設反対の一致点で県内のあらゆる政党・労働組合・市民団体が結集して結成され、日米両政府に対する島ぐるみの闘いに向けて動き出しています。
名護市民の闘いを先頭にして県内移般反対の闘いがひとつにまとまり、大きなうねりになりつつあります。
私たちもいまこそ、本土で県内移設を許さない闘いを大きく広げていかなければなりません。
*なお去る一〇月五日、「基地はいらない平和を求める宜野湾市民の会」結成大会が宜野湾市社会福祉センターで開かれ、同会の代表には中村信祠さん(日本キリスト教団宜野湾伝道所牧師)が決まりました。
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