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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』 毎月1回 28日発行 一部200円 定期購読料 年2,000円

第106号(1999年10月28日発行)

沖縄の本 あれこれ

新崎盛暉『沖縄のこれから』(ポプラ社)
相原宏・真鍋和子『フォト・ドキュメント 阿波根昌鴻 沖縄反戦地主・心の源流』(ふきのとう書房)
森口豁『沖縄 近い昔の旅』(凱風社)


『沖縄のこれから』

 書名に<これから>とあるが、沖縄の<これまで>と<いま>そして<いま、何をしなければならないか>も語られている。出版社からもわかるように、こども(といっても中・高校生?)向けに書かれた本だと思うが、仕事や活動で忙しいおとなが読むのにも十分たえ得る本だし、沖縄のことをあまり知らない人に読んでもらい、闘いの仲間をふやすのにもいい本だと思う。(一、四〇〇円)、



『フォト・ドキュメント 阿波根昌鴻 沖縄反戦地主・心の源流』

 伊江島での反基地闘争が延々と続いていることを象徴するような長い題。
 
 写真は「沖縄にかかわり……伊江島に着目し、何十回となく通って……阿波根さんのお世話をしていた方を嫁さんに」してしまったほどの相原宏さん。文は「本土から沖縄を記録している児童文学作家……『ぬちどうたから』(汐文社)や一『シマが基地になった日』(金の星社)」(本書編集者・目黒彰による)などを書かれている真鍋和子さん。そして新崎盛暉さんの<原点としての伊江島>、「長い間阿波根さんといっしょに平和運動を続けてきた謝花悦子さん」(真鍋さんによる)の<命は借りることができない>と、反戦地主会事務局長・池原秀明さんの<阿波根さんの闘いを受け継いで>も添えられている。写真と文とがみごとにかみあって、阿波根さんを中心とした伊江島土地を守る会の闘いの日々や平和の大切さがひしひしと胸に迫ってくる。そしてところどころにちりばめられた伊江島の自然のカラー写真が、そのすばらしさを伝える。そして何よりも闘う人たちの顔がすばらしい。(三、六〇〇円)


『沖縄 近い昔の旅』

 さる九月二五日の米軍人・軍属による被害者を支え損害賠償法をつくる会の発足集会の片隅で見つけて求めた。著者が当日の集会の主催者の一人だったこと以上に、目次を見たら、恥しいことだけど俺の知らない沖縄がいっぱいあったからだ。
  • 全滅家族の屋敷跡 パパイアの涙
  • 死の抗議 キセンバル・レクィエム
  • 小さな小さな幻の村 浦添市「小滝」の人々
  • 三二人分の折り詰め弁当 巨象を動かした一匹のアリ
  • ジュゴンの海 人魚に助けられた人間の話
  • 魂魄と南冥 ある米兵の後悔
  • 岬への道 ヒロヒト・ハイウェイ
  • 百年古酒 泡盛に託す平和の願い 
 等々。
 
 そしてこれからの運動の中で歌えそうな「九月四日の誓い」と「新国民歌・われら愛す」の歌詞と楽譜とが載っている。
(あぶら蝉) 


 ☆証言資料集成『伊江島の戦中・戦後体験記録ーイーハッチャー魂で苦難を越えてー』(伊江村教育委員会刊行)
 石原昌家さんが中心にな編集された九〇〇ぺージにも及ぷ厖大な資料。
 相原宏さんのフォト・ドキュメントには『宋厭の反戦地主』(ふきのとう書房)もあります(共著)。