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第105号(1999年9月27日発行)

米軍特措法の再改悪に対する抗議声明

 特措法の再改悪について、反戦地主会ら四者が抗議の声明を発表、強制使用に対決する地主を「政府のいいなりにしようとする卑劣な企み」と強く批判した。

 本日、参議院本会議でいわゆる地方分権整備のための法律が、自民党等の多数により可決された。同法案は衆参両議院において十分な審議もないままに採決されたものである。

 この「地方分権」一括法は、地方自治法「改正」を軸に、全部で四七五本の法律を「改正」の対象にしたものである。これは、我が国の法律全体一、六〇〇本の中の三分の一に及ぷ大規模なものであり、その中には住民の権利や自治体の事務に重大な影響を及ぼすものも少なくない。
 
 このような大量の法律の「改正」について、国民にその内容や問題点について十分知らされることのないまま、世論に問うこともせずに採決を急いだ政府の姿勢は殊に異常であるという外なく、議会制民主主義の上でも絶対に許されるものではない。

 この法律により、機関委任事務は廃止され、その多くが「法定受託事務」となったが、中には、国の直接行なう事務に変わったのも少なくない。米軍用地特措法の改悪がこれである。
 
 米軍用地特措法の再改悪は、国民の財産を強制的に取り上げ、自治体と住民を戦争に動員する仕組みを作る最大改悪法である。新ガイドラインで日本政府が米側に誓約した米軍用地の提供は、この米軍用地特措法の再改悪によって確保される仕組みとなった。
 
 今回の改悪法は、従来、市町村長や県知事に委託されていた「代理署名」「公告縦覧」を奪い取り、収用委員会の権限を大幅に減縮し土地所有者の抵抗を押さえ付けようとするものである。
 
 われわれは、憲法違反の米軍特措法の下においても、土地所有者に認められた権限を最大限に活用し、政府による強制使用に真正面から対決して闘ってきた。その中で、「裁決印請却下」の輝かしい成果を勝ち取ってきた。
 
 今回の改悪は、反戦地主らのこの闘いの成果をないがしろにし、沖縄の軍用地地主を全て政府のいいなりにしようとするものであるが、われわれはこのような卑劣な企みを断じて許さない。
 
 いかなる悪法の下においても、反戦の旗を高く掲げ沖縄から米軍基地を一掃するまで闘いの炎を熱し続けていくことを誓い、今回の一連の改悪法について断固抗議するものである。
 
 一九九九年七月八日
 
 米軍用地違憲訴訟支援県民共闘会議
 権利と財産を守る軍用地主会(反戦地主会)
 一坪反戦地主会
 反戦地主弁護団