軍用地を生活と生産の場に! |
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック |
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第102号(1999年5月1日発行) |
アメリカの仕掛ける戦争にますます深く引き込まれようとしている日本 異常な「思いやり予算」を断って、沖縄から日本から米軍を駆除しよう 「思いやり予算」関西訴訟は裁判官の忌避申立中にも係わらず請求棄却の不当判決が下された(三月二十九日:注1)。大阪地裁大法廷をうめた傍聴人を前に、水上敏裁判長はひとこと主文の「請求棄却」を述べただけで退廷したという。判決後、原告ら約百名は、黄色い布にそれぞれの思いやスローガンを書いたふろしきを数珠つなぎにして、裁判所を一周する「ふろしき抗議行動」を行った(注2)。 さて、米軍用地特措法の再改悪案が国会に提出され(三月二十九日)、 新ガイドライン関連法案が衆議院を通過し(四月二十六日)、米軍への日本の協力がますます深みにはまりつつある今、在日米軍の駐留を支える膨大な「思いやり予算」を断つことが緊急の課題になっている。前回に続き、東京訴訟で提出した証拠をもとに「思いやり予算」の実態に迫る。 図1は、米軍駐留経費の各国負担額を比較したものである(1996年度:注3)。日本四千六百万ドルに対して、ドイツ千三百万ドル、イタリア五百万ドル、と日本が突出していることが一目瞭然だ。ドイツの三倍半、イタリアの九倍もの負担をしていることになる。なんと鷹揚な国であろう、この国は。さらにこの図から明らかなのは、日本の直接支援(労務費、水光熱費、施設整備費など)比率の異常さである。日本の約八割に対し、ドイツは四パーセント、イタリアはほとんどゼロである。間接支援とは、米軍に対する税金の免除、国有地の使用料などに相当する。つまり、日本は、在日米軍のために税金や地代を免除してやるだけでなく、基地従業員の全賃金、家族住宅の水光熱費すべて、はては住宅・体育館・教会などの建築費までも「思いやり予算」として負担しているのだ。 図2は、沖縄に駐留する米軍人・家族数の推移を示している(注4)。復帰後、在沖米軍人の数は四万人から二万七千人に減少した。家族数もそれに呼応して減少したが、「思いやり予算」で基地内施設の整備が始まった七十九年から増加に転じ、九十七年には復帰時とほぼ同数の二万二千人にまで回復した。在日米軍基地の居心地の良さがうかがえる資料である。 日本の米軍駐留軍経費負担は、前回説明した比率(受入国の負担割合:日本は約八割!)の異常にとどまらず、その絶対額(四千六百万ドル)においても突出した額であることが米側資料から明らかになった。さらに、直接負担(=「思いやり予算」)がその八割を占めている。このように日本の在日米軍への支援は他国には見られない非常に特異なかたちで行われていることがわかる。それが「思いやり予算」なのだ。そして、この「思いやり予算」こそが、世界的な兵力削減の中でひとり日本だけが米駐留軍の居座りを許している理由である。 次回・第六回口頭弁論は、五月十八日午後一時、東京地裁七一三号法廷で開かれる。最新資料を提出する予定である。多数の皆さんの傍聴によって、一刻も早くこの異様な税金の無駄使いを正していきたいと思う。 次号では、具体的な提供施設について解説する。
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