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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック |
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第100号(1999年1月25日発行) |
海上ヘリ基地が陸に上がった?
ヘリポートとメガフロート "ヘリポートとメガフロート"。この言葉、本来はただの名詞でありながら、まるで固有名詞のように一昨年、沖縄北部を中心に駆け巡っていた。"ヘリポート"は米軍普天間飛行場の代替施設を指し正確には巨大海上軍事基地である。そして"メガフロート"は日本政府オススメの建設工法による超大型浮体海洋構造物であり、辺野古の海に大きな鉄板を浮かべるようなものと言われた。 しばらく、その名を聞かなかったのは、名護市民が自らお膳立てをして市民投票を実現させヘリもメガもいらないと宣言したからであり、民意を尊量した大田前知事が建設に待ったをかけたからである。相変わらず、日米両政府は"海上基地が最善の策"と言い続けてはいたが…。ところがまた姿を変え所を変えて現れ出した。 ヘリポートは新知事、稲嶺恵一氏の選挙公約である「軍民共用空港」に変身して。その空港とは北部陸上部に臨空型産業とセットで建設され、米軍と一五年共同使用の後には北部の財産になるというものだ。どう見ても知事選において"解釈だけではなく解決能力のある稲嶺"をアピールするために絞り出されたとしか思われない、実現不能な中身である。 もとより日米両政府が「普天間」返還を検討したのは大田前知事の要請があったからという建前とは別に、民間地域での事故が基地使用に及ぼす影響を考えてのことである。しかも代替基地は現在のCH49や53などのヘリに比べて飛躍的に能力アップされたAV22オスプレイの六〇機配備を含み、より戦闘機能を増したものと想定される。代替ではなく基地の新設と言われるゆえんである。そのような軍事基地と民間空港との共同使用の持つ危険性は、航空自衛隊と共同使用している那覇空港の比ではないだろう。別の場所に"普天間"を再現する軍民共用空港案は両政府の返還の前提を崩すものに他ならない。 一五年使用については稲嶺当選直後から早々に日米両政府とも、将来の安保環境が不透明であるから年限を区切ることはできないとして否定している。彼らにとって情勢とは常に不安定であり不透明でありするらしい。そんな空港案でありながら日米両政府は慎重な討議を開始したと言い、五月の首脳会談までには結論を出すとも伝えられる。まずは経済を優先すると言った稲嶺もそれに促されてか、二・三月にもプロジェクト・チームを作り一任すると言い始めている。県の誰も信じない空港案がまことしやかに語られているのは不気味でさえある。 一方メガフロートは極めて具体的な形で登場してきた。朝日新聞朝刊の一面記事によると、メガフロート技術研究組合(新日鉄など造船・鉄鋼メーカー一七社で組織)が米海軍横須賀の提供水域内で大規模な実験をするという。実はこの組合、運輸省の支援を受けている過去三年間、幅六〇メートル、長さ三〇メートルのモデルを浮かべて設計技術名度の実験を行なってきた。その第二段階として長さを一、○○○メートルまで延長、実験に飛行機を離着陸させて計器作動実験を行ない、実用に近づけるという。今役三年間に一一四億円の予算をかけ、調査費など一億六千万円の関連予算も計上されている。怪しげなヘリポートのゆくえと現実に見えてきたメガフロート。陸と海に分かれたこの二つがまた一緒になり海上基地とならないか案じられる。 ヘリ基地反対協がアピール 知事選直後、反対協は「基地の県内移設の撤回を求めるアピール」を発し、今後は北部全域に裾野を広げた運動を展開したいと語った。知事に対しては「軍民共用空港が非現実的で破綻した政策であること」を申し入れ、県に対しても「チームの設置を共同提案することは県外移設を望む多数の民意を封じ込めること」として抗議した。また市民投票一周年の臨時総会では新代表三名を選出して闘う態勢を整えている。 (N)
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