2005年12月12日
内閣総理大臣 小泉純一郎殿
防衛庁長官 額賀福志郎殿
防衛施設庁長官 北原巌男殿
抗議および申し入れ
私たちアジア共同行動は、政府が米国政府と合意した在日米軍再編—「日米同盟『変革と再編』」—並びに自衛隊イラク派兵の一年延長決定に強く抗議し、これの撤回を求めます。
10月末に日米両政府が合意した「日米同盟『変革と再編』」報告は、普天間基地をはじめとした在日米軍基地の再編・強化だけでなく、自衛隊そのものの在り方を変え、米軍との一体化を推し進め、いずれ統合軍としてアメリカの侵略戦争に荷担・参戦することを目的としていると言わざるを得ません。同報告は、先に合意した「共通戦力目標」と合わせてみるならば、朝鮮民主主義人民共和国や中国、さらにはアメリカが「不安定の弧」と勝手に命名しているアジア地域を、日米の軍事力で包囲し、いつでも侵略戦争が出来る体制を作ろうとしていることは明らかです。私たちは、同報告や「共通戦力目標」が、国益や国際秩序を掲げ、日米の侵略戦争を正当化するものと捉え、断じて認めることは出来ません。自国の利益や都合のいい国際秩序のために軍事力を使い、破壊と殺戮をもって屈伏させる傲慢と横暴を許すことはできません。
また同報告では、普天間基地の移設先として辺野古崎とすることが報告されています。改めて言うまでもなく、沖縄の意思は一切の基地建設拒否であり、普天間基地の即時無条件返還こそ沖縄の民衆が希求していることです。沖縄の民衆は、もう米軍基地による被害はたくさんだ、沖縄を侵略の基地にするな、と言っているのです。安全と平和を求める沖縄の民衆の願いを踏み躙ることはやめてください。辺野古崎への新基地建設は絶対に認めることは出来ません。
日本と同様に、米軍基地の再編・強化が目論まれている韓国でも、激しい反対運動が闘われています。平澤米空軍基地では、農民の土地を奪い基地を拡張する計画に対し、農民・労働者・学生が体を張った実力闘争に立ち上がっています。フィリピンでも米軍の駐留に激しい反対運動が展開されています。私たちアジア共同行動は、韓国・フィリピンの民衆と連帯し、日本「本土」・沖縄をはじめアジアから米軍基地を一掃するために闘いぬきます。
政府は、12月8日、自衛隊イラク派兵の1年延長を決定しました。私たちは派兵延長決定の白紙撤回と自衛隊の即時撤退を強く要求します。イラク戦争は、アメリカによる侵略戦争です。テロリストは米軍であり、最大の人道復興支援は米軍が撤退することです。現在も軍事占領の下で激しい抵抗闘争が継続しています。米軍がいるかぎりイラクに平和が訪れることはありません。自衛隊の駐留するサマワでも自衛隊に対する反発・撤退要求が公然と出てきています。もうこれ以上米軍の蛮行・殺戮に協力・荷担することはやめてください。
以上をふまえて、私たちアジア共同行動は以下のことを申し入れます。
一、 アメリカ政府と合意した「日米同盟『変革と再編』」を白紙撤回すること。
一、 辺野古崎への新基地建設を撤回し、普天間基地を即時無条件で返還すること。
一、 自衛隊9次派兵を中止し、イラクの自衛隊すべてを即時撤退させること。
以上