辺野古からの電話メッセージ
安次富 浩さん(ヘリ基地反対協)
防衛庁前で集まっている実行委員会の皆さんに名護から連帯の挨拶を送ります。
昨日、2プラス2の決定に対する県民大会が、新聞報道では5000ということになっていますが、雨の中7000人以上が集まりました。雨の中をデモ行進し、県民を無視する2プラス2の合意を糾弾するデモ行進、沿道からも多くの人々が拍手を送って、私たちもデモ行進に賛意を示してくれました。やはり今回の日米政府の合意は、県民全体に怒りの声が渦巻いているということを現していると思います。
まず今回の2プラス2については、怒髪天を突くくらいの怒りを持ってこれからの闘いを作り上げていきたいと思います。
小泉首相は沖縄の負担の軽減をはかると言いながら、結局県内移設に回してしまう、つまり私たち沖縄県民をないがしろどころか、うそをついて高圧的に押し付けるという、こういうやり方を、ファシズム的体質の小泉政権の本質をあらわしているものだと思います。
ましてや、米軍特措法みたいに、特別措置法を設定して、その特別措置法が稲嶺知事の反対を崩すための法律でもあるわけです。まさに有事法制の中で、自民党の反対議員を刺客を送り込んでつぶすやり方と手法が全く似ています。
私たちはこのような政府の沖縄県民への圧殺、封殺に絶対に負けない、むしろ稲嶺知事を巻き込んで島ぐるみ闘争を構築しながら、この日米政府の合意をつぶしていく、そういう気持ちでいっぱいです。 今後とも厳しい闘いは続きます。
しかし、私たちは確認しておきたいのは、辺野古沖の案を、SACO合意を完全につぶしたということです。これは勝利です。この勝利を新たな闘いに再構築しながら、今回の合意案をつぶしていく、そういう戦術、戦略を立てていきたいと思います。
私たちは560日座り込みをしながら闘ってきた。いろんな苦難を、問題点をみんなで話し合い克服してきました。これからのネバーギブアップ、決してあきらめない。そういう思いを込めてこれからも闘っていきます。
ますます皆さんの支援をいただかなくてはなりませんが、11月16日にブッシュが来日し小泉との会談を京都で行うようです。イラク戦争でうそをついたブッシュ、そして沖縄の負担軽減を図るどころかますます私たちに押し付ける小泉、このような二人の首脳の会談を、ノーであるということを、沖縄県民は従わないという決意をこの京都会談に対してもアピールしていきたいと思います。
ぜひ東京の仲間も、関西で準備している日米会談に対する抗議活動に呼応した闘いを作ってほしいということで、連帯挨拶に代えたいと思います。どうもありがとうございました。
日本山妙法寺
南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経
毎週お集まりの皆さん大変ご苦労様です。
私たち日本山妙法寺では、1985年から、毎年10月15日から約半月、10月30日まで沖縄本島と伊江島、北部の辺戸岬から南部の摩文仁まで平和行進を毎年19回続けてきております。
今年、10月29日、ちょうど2プラス2の合意のされた日なんですけど、嘉手納基地の第2ゲートの前で、毎年行っているんですけど、終日、朝8時から夕方4時くらいまでずっと座り込みでお祈りの行動を毎年続けてきているんですけど、今年も例年通り同じように第2ゲートの前でお祈りの行動をしておりました。
車を駐車して、出入りする車に英文のチラシと日本文の平和行進の趣旨を書いたビラを配っていたんですけど、警察がきて車が駐車違反だからどかしなさいと、ビラの配布は道路のセンターラインのところに立って出入りする車のドライバーにチラシを渡していましたんで、危険だということを言われまして、われわれは警察官の言葉を聞いてすぐ車を移動しビラの配布も中止いたしました。
それで他にも駐車している車両もあったりして、今回逮捕されたお坊さんが警察官に対してなぜわれわれの車だけそういう取締りをするのかという説明を求めにパトカーに近づいて、取締りをした警察官がパトカーの中に乗り込んでおりましたので、目線を合わせるということで腰を折って体を低くしてパトカーの中の警察官と話をするような体勢になって穏やかに話をしていたんです。
突然そのパトカーが急に発進して、警察の説明によると緊急の連絡が入ってすぐに別の現場に行かなければいけないんで発進したんだということを言っているようなんですけど。非常に、ひざがドアに触れるくらい近づいていた時に急にパトカーを発進したんで、非常に危険な状態で、そのお坊さんも危険だということで警察官に対してちょっと激怒して声をかけたんです。
警察の言い分によりますと、発進させようとしたのをお坊さんが止めたんでそれが公務執行妨害だということで、29日の11時半頃だと思うんですけど、我々も動揺していますんで時間とか覚えていないんですけど11時半頃に、見ているものもびっくりするくらいに突然に、あっという間に数人の警察官に取り押さえられてパトカーの中に押し込められて護送されたと。
私も今日沖縄から帰ってきたんですけど、先ほど現地のほうに電話を入れてみたんですが、今現在まだ釈放されずに、地元の反戦地主会の方とかキリスト教の方とか、いろんな方が、平和団体の方いろんな方にご支援いただきまして、先ほどもシスターが20人ほど、それから辺野古からも大勢の方が支援に駆けつけていただいて、沖縄警察署の前で抗議の集会を開いていただいているということで、本当にご支援いただいてありがたいと思っています。
先ほどの情報では、明日の11時までが、警察で48時間、検察で24時間のリミットが明日の11時なんで、今のところそれまではちょっと釈放される見込みがないというようなことを現地のほうから報告を受けております。
今回の、ちょうど、こう言いたくはないんですけど、10月29日のアメリカ政府と日本政府が沖縄にまた基地を押し付けて、そういうことを合意したその日に、米軍基地の前で、今までであればそんな逮捕されるような状況では、私もいろんな基地の前でのご祈念度々経験していますけど、私たちお坊さんですし非暴力ということを常々言ってますんで、絶対に手を上げたりそういうことは絶対にしてないんですけど、今回は本当に有無を言わさずという状況で、あっという間に、課長さんという方が警察官の連絡を受けて現場に到着したんですけど、到着したとたんに「逮捕だ、逮捕だ」とわめいて、突然、びっくりするような速さで逮捕されたと、そういう状況でした。
本当にこういう時期にこういう事が起きるというのは、本当に怒りと、絶対に許すまいと思いまして、今後も皆さんとご支援もいただきながら、抗議の声を上げていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
抗議文
防衛庁長官殿
日米両政府は10月26日、普天間基地移設による新基地建設を、名護市にあるキャンプ・シュワブの兵舎地区から海上に突き出す形で建設することで合意した。
私たちは、基地の県内たらい回しをもって、基地のない沖縄を願う声を踏み躙る今回の日米合意に満腔の怒りをもって抗議するとともに、ただちに新基地建設を撤回することを強く要求する。
そもそもこの日米合意は、日米安保の再編・強化を目論む日米安全保障協議会(2プラス2)の中間報告発表(10月29日)という政治日程に間に合わせるために、地元の意向を一切無視したところで決定されたものだ。この間のマスコミ報道でも「地元『蚊帳の外』の合意」「政府の対応は、あまりにも地元をないがしろにしてきた」と報じられている。
政府がいうところの「地元の負担軽減」や「自然環境に配慮」など、真っ赤なうそだということが明らかになった。今回の決定によれば辺野古のみならず大浦湾側の集落まで爆音や事故の危険性にさらされ、ジュゴンの生息地への影響など環境破壊は避けられない。まさに、最悪の選択なのである。
一方、防衛庁の守屋次官は24日、「海兵隊の機能を維持できる飛行場を作りたいということでは、日米に考え方の差はない」と公言し、さらに大野防衛庁長官は、日米安保協後の共同会見の場で「これまでの日米同盟は日本の基地と米軍で日本を守ってきた。いまから共同しながら世界の平和、安全保障環境の改善に向けた双方の努力をする新たな時代に入った」と言い切った。
この防衛庁の見解は、日米一体化のために沖縄が犠牲になることは当然ということではないのか。沖縄の怒りは高まっている。昨日30日、那覇市の与儀公園で7千人が参加して、基地の移転に反対する県民総決起大会が行われた。元読谷村長の山内徳信さんは、「中間報告はまたしても沖縄県民を裏切り、基地機能を強化する内容だ。これを許せば、沖縄は恒久的に米軍の発進攻撃基地になってしまう」と、宜野湾市長の伊波洋一さんは「辺野古崎の美しい姿が見るも無残なコンクリートの塊に変容することを望む県民はいない」と訴えた。防衛庁は、この沖縄の訴えにどう答えるつもりなのか。
さらに許しがたいことがある。報道によれば、政府が、海岸の埋め立て承認権限を沖縄県知事から取り上げ、国が埋め立てを強制できる法的措置の検討に入ったという。私たちは、1997年の米軍用地特措法改悪が沖縄民衆の抵抗を圧殺するために強行されたことを忘れない。
強権で民衆の抵抗をつぶすことはできない。この500日以上にわたる辺野古の闘いがそのことを示している。防衛庁は、ただちにこうした沖縄の怒りと抗議に真摯に耳を傾け、新基地建設を白紙に戻すべきである。
10月31日
安保—沖縄共闘委員会