辺野古からの電話メッセージ

平良夏芽さん(平和市民連絡会)


 防衛庁前にお集まりの皆さん、お疲れ様です。本当に毎週毎週ありがとうございます。456日目、今日、そして先週の状況を報告させていただきます。

 現在は、台風5号の影響で全ての船が港に引き上げられて作業ができない状態です。阻止隊も陸上待機という状況が続いています。

 先週から辺野古の漁港が全面使用禁止になりました。闘いが始まって8年と450数日、とにかく辺野古の海人たちとの関係を本当に配慮して、何とか関係を維持してきたのですが、この間のもしかしたら白紙撤回になるかもしれないという状況が、辺野古の漁民達の緊張を高め、又こちらのミスも合い重なって、こちらの船一切辺野古漁港に出入りができない状態になっています。近隣の港に停泊し、朝辺野古の砂浜ぎりぎりまで寄ってきて、皆腰まで濡れながら船に乗船するという状況が続いています。非常に厳しい状況です。

 さらに座り込みが続いているテントに対しても撤去が求められて、何度か厳しい要求がなされるという状況が続いています。

 台風対策としては、4つある全てのヤグラからエンジン等のヤグラ以外の全ての資材が撤去されました。ガラガラの状態です。今まで全ての物が撤去されていて、作業員2、3人が乗ったら穴を掘られてしまうという状況でしたけれど、全ての資材が撤去されて少し緊張感がないヤグラの状態になっています。

 また、マナヌ岩のそばに沈んでいました水陸両用戦車が撤去されました。いつもスパット台船を持ってくる巨大な台船が辺野古沖に現れ、1時間もかからないでものの見事な操船でこの水陸両用車を撤去して行きました。

 私たちはこの様を見ながら、彼らがスーパー固定ブイを持ってくるときにどんなにすばやく定位置につくことができるか、そのことを目の辺りにしました。ですからまだ緊張を緩めることはできないということを、皆で意思一致しました。

 ヤグラから全ての資材が撤去されたことや、9月上旬にも何かが発表されるというような報道、この類は2月ぐらいからずっと続いているわけですけど、終わりそうな雰囲気と終わらない現実、その狭間で全員精神的に参っています。強行の様子が見えないのんびりとした雰囲気、裏腹に阻止隊は自分達がどのように緊張を維持したらいいのか、態勢を維持したらいいのか、心の整理がつかずに非常にピリピリしている状態です。このままではまいってしまいます。

 これから9月の上旬には辺野古沖の海上の新基地建設の中止が発表されて、シュワブ陸上案が発表されるという読みがあります。これに関しても今から覚悟を準備しなければならないだろうと話し合いが始まっています。

 いずれにしても、辺野古の緊張は解けていません。皆さんが一緒に闘い続けてくださらなければ耐えられない状況が続いています。最後の最後まで、本当の白紙撤回を勝ち取るまで、共に一緒に頑張りましょう。よろしくお願いします。ありがとうございました。



防衛庁長官   大野功統さま
防衛施設庁長官 山中昭栄さま

辺野古における新米軍基地建設計画の白紙撤回と普天間基地の即時閉鎖・無条件返還を求める要請書


 沖縄・辺野古で新基地建設阻止のための座り込みが始まってから今日で458日目になります。現在も、那覇防衛施設局が行おうとする違憲・違法な作業に対して座り込みの闘いと海上での阻止行動が連日続けられています。

 この間、メディアの一部であたかも「辺野古の白紙撤回」が決まりかけているかのような報道がなされましたが、辺野古からは「現揚は何も変わっていない」と過酷な阻止行動の様子が伝えられています。

 防衛施設庁による作業計画において、その設置期間が「3〜4週間」とされている単管櫓は、錆つき、傾くなど非常に危険な状態です。これについて、西那覇防衛施設局長は、「まだ大丈夫」「痛んでいるなら新しいものを設置し作業を進める」などと発言しあくまで作業を強行する姿勢を崩していません。こうした中で施設局側は、「安全のため」という理由を盾に「点検」「計測」といった作業を要求してくると言います。自らつくり出した"危険"の中で、"安全"という命に関わる差し迫った問題を口実にして基地建設作業を推し進めようとするその卑劣さに怒りがこみ上げます。

 また一方で施設局は、作業業者を二手に分け作業時間を一日12時間に延ばし、阻止行動をする人々に非常な消耗を強いています。さらに今後は、作業工程の次の段階である「環境現況調査へと進むべく、道路の使用許可、米軍施設や私有地の立ち入り申請などに今週以降着手していこうとしています。

 あなた方は、名護住民投票での敗北以後の強硬姿勢によって反対住民を封じ込められるとでも踏んでいたのでしょうが、今、辺野古で基地建設を阻止しているのは、投票での住民の意思表示の意味を確信して座り込みを続けてきたオジィ、オバァであり、またその意思に共鳴して共に闘おうと集う住民はじめ、沖縄・「本土」の様々な人々です。その連なりは止まるところを知らず広く強くなりつづけているのです。これこそがあなた方が恐れるものであろうし、それはまさに辺野古から発信されているのです。辺野古に基地をつくることは不可能です。新米軍基地建設計画の白紙撤回を速やかに決定することを強く要請します。

 また、今月13日になされた町村外相の発言に対して、ここに怒りと抗議の意思を表明します。今月3日に起こった米兵による小学生女児に対する性暴力事件を受け、21年前に米兵に性暴力を受けた女性が性暴力の根絶のための基地撤去などを求めて稲嶺知事に宛てた公開書簡に対して、外相は「軍隊は人を殺すというそれだけの存在だという言い方はいささか一面的」「米軍・自衛隊が日本の平和と安全を守っているという側面がスッポリ抜け落ちている」などと発言しました。「軍隊は人を殺す」ことは、軍隊の「一面」ではなく本質です。外相の発言は、女性の意思表示を、軍隊が存在することによって必然的に生み出される住民の被害を容認する国家・軍隊の論理によって踏みにじるものです。それは、もう一度彼女の尊厳を奪うセカンド・レイプにほかなりません。また、そうした発言を「女性の書簡に対する感想」などという形でメディアを通じて行うことは、彼女に対してこれ以上軍隊の本質を暴露させまいとする攻撃であると同時に、そのことをテコにして国家・軍隊の論理を容認する意識をさらに社会に浸透させようとするものです。それは、イラクに自衛隊を派兵し、「米軍再編」を通じて日米両軍の一体化を進めるなど、戦争する国家としてエスカレートする日本国家が今、まさにしたくてしょうのない発言であったと言って過言ではないでしょう。今回の外相発言を通じて、人一人の性・生の尊厳を奪う安保・基地政策の本質が明らかになったと考え、私たちはそれを決して許さないという意思をさらに強固にするとともに、以下に要請します。

 一、辺野古における新米軍基地建設計画を白紙撤回すること
 一、普天間基地を即時閉鎖し無条件に返還すること

2005年7月18日

NO!レイプNO!べース女たちの会