抗議及び要請書




防衛庁長官 大野功統様
防衛施設庁長官 山中昭栄様


 私たち「基地はいらない!女たちの全国ネット」は、去る3月16日に那覇防衛施設局が辺野古沖に早朝からスパット台船を出航させ、設置を強行しようとしたことに抗議するとともに、防衛庁と防衛施設庁の責任において今後の作業を中止するよう強く求めます。

 スパット台船は朝6時半には海上に出ていました。2003年9月に出された環境省からの助言では「ボーリングの作業については、ジュゴンの行動周期を考慮し、早朝、及び夜間には実施しないこと」とされており、同年11月、公共用財産使用協議において添付した「地質調査・海象調査の作業計画について」の中でも作業時間を「日の出1時間程度から日没1時間程度までの問に設定」と那覇防衛施設局が自ら記しています。

 これについて、「辺野古への海上基地建設・ポーリング調査を許さない実行委員会」が3月25日の防衛施設庁との交渉において質問したところ、施設庁の担当の方から「作業とは掘酬作業のことであり、この時点では開始していない」と、スパット台船を出すことは作業に当らないという趣旨の発言をされました。しかし、台船を出すだけでもエンジン音などはジュゴンや海の生物たちに影響するはずです。掘削しなければ作業ではないというご見解は、承服しかねるものです。

 昨年11月、防衛施設局が3-13のポイントにスパット台船を設置した際には、サンゴを破壊し、環境への大きな被害がありました。今回の作業においても、台船を留めるために海底におろされたアンカーによってサンゴが破壊されたことが、市民グループの調査によって明らかになっています。海上作業をすれば、環境破壊はまぬがれません。

 3月14日に琉球新報が「防衛施設庁が辺野古沖ボーリング調査地点削減検討」という記事を掲載したことに関しても施設庁との交渉において質問したところ、「63か所の掘削は最低限必要であり、削減は考えていない」と回答をいただきました。それではこの記事は間違いなのでしょうか。それとも水面下で検討されているのでしょうか。理解に苦しみます。

 私たちが要求しているのは「削減」ではなく、あくまでも「作業の中止と海上基地建設計画の撤回」です。辺野古の海では基地建設を阻止する市民の皆さんが毎日単管足場に登り、いまだに掘削作業を許していません。年度末を迎えるに当たって辺野古への海上基地建設計画を見直し、地球の財産である美しい海を破壊するような愚かな行為を直ちに中止して、静かな海を辺野古に返して下さいますよう、重ねて要請いたします。


2005年3月28日

基地はいらない!女たちの全国ネット