辺野古からの電話メッセージ
当山 栄さん(平和市民連絡会)
今晩は、辺野古から報告します。
今朝の沖縄タイムスと琉球新報の大きな一面記事に喜びを禁じ得なかったです。辺野古海上基地の見直しを、日本政府がアメリカに提案するという報道が新聞の4段抜きの大きな見出しになっていたからです。我々の295日間の、厳しい苦しい闘いの成果が現れたという評価をしているところであります。
今日は朝から天気が悪く、我々は船13隻、海上行動隊37名が普段より1時間遅れて8時に出発しました。相手方も2時間遅れの11時から作業に取り掛かったわけですけど、これといった仕事もせず2時ごろ終了して、我々も早々と引き上げてきました。このような政府の方針の方向転換によって、現場の施設局あるいは業者の意気も消沈しているところが現れました。このような新しい方向転換を、我々は今後更に打ち固めて完全な勝利を掴むまで更に大きな取り組みを強化したいと思います。
昨日、日曜日には宜野座を中心に漁民が20隻の船を繰り出して、漁民独自で海を守ろうという海上デモも展開しましたし、ますます運動の輪は広くなってきております。来る日曜日には、私たちは辺野古の現場で300日集会を開催し運動を更に広げていく、そういう契機にもしていこうと思っています。
稲嶺県知事がやがて訪米して沖縄の意向を伝えたいと言っていますけど、辺野古抜きの誤ったメッセージを送らないように厳重に追求し、必ずや稲嶺知事に対しても辺野古撤回、そういう方針を持って訪米する、そういう取り組みも展望しつつ現地テント村でも、また海上行動でもきちっとした運動を作り出し、勝利を掴もうと思います。
共に頑張っていきましょう。
要請書
辺野古での海上基地建設ボーリング調査計画を見直し、直ちに作業を中止するよう、強く要請します。
防衛庁長官 大野功統殿
防衛施設庁長官 山中昭栄殿
昨年12月27日に那覇防衛施設局は、辺野古の海上基地建設のためのボーリング調査で、調査用足場(スパット台船)の設置時と撤収作業時にサンゴを破壊したことを認めた。このまま工事を強行すれば取り返しのつかない環境破壊に及ぶのは必至である。サンゴや、ジュゴン、その他動植物の生態系を考えるならば、即刻調査を中止すべきである。
しかし防衛施設庁は、1月11日の「辺野古海上基地建設・ボーリング調査を許さない実行委員会」との話し合いの中で、問題となったスパット台船の底板を外すかどうかを巡って、「ボーリング調査をしてみないことにはわからない」と自ら堂々巡りといえる発言をしている。ここに見られるのは、ボーリング調査−辺野古への基地移設は規定の方針であり、転換は念頭にないという姿勢である。何故そうまでして調査を強行し、辺野古への移設に固執するのか。私たちは理解に苦しむ。
沖縄国際大学構内への米軍ヘリ墜落事故以降、辺野古への移設があたかも普天間基地返還の近道であるかのごとく政府は語り、防衛庁・防衛施設庁もこれに沿った回答に従事している。しかし、前述の話し合いの中でも、辺野古への基地移設が「最も現実的で確実な道」と判断した根拠は示されていない。その他の代替案、例えば米国本土への移設や県外移設、代替なき返還などの検討内容も未だに具体的には提示されていない。
辺野古に限って言えば、稲嶺沖縄県知事の「15年期限」の公約と建設までの期間とを並べてみるだけでも、整合性がないことは明らかである。また、ヘリ墜落事故以降に喧伝された「住民の安全性確保」も、米国が「対テロ戦争」を名目に都市型戦闘訓練を行う限り解消されることはない。そもそも米国の「対テロ戦争」戦略に追随することが、沖縄の米軍基地を武力攻撃の対象とさせ続けるのである。基地があること自体が被害を招いているのだ。
まがりなりにもあなた方が国の防衛を語るのであれば、守るべきものとは何かを今一度考えていただきたい。沖縄に基地が集中することによって破壊される人々の暮らしや、その人達が根ざしている自然環境にこそ目を向けるべきではないのか。生態系に致命的な打撃を与え、しかも合理性のない辺野古への移設も、そのためのボーリング調査も、即刻中止すべきである。求められているのは代替なき返還である。普天間を始め、全ての米軍基地の撤去を求めることこそ、あなたたちの最大の仕事だろう。
2005年2月7日
戦争に反対する中野共同行動