第3回環境省要請行動 2005年1月24日(月)


  辺野古への海上基地建設・ボーリング調査を許さない実行委員会は昨年11月29日、12月20日に那覇防衛施設局による名護辺野古沖に新しい米軍基地建設のためのボーリング調査は環境破壊になるので中止させるように環境省に求める要請を行ってきました。その折、環境省が今後その推移を見守る必要があり即答避けた問題や、状況の変化を踏まえて再度要請行動を行いました。

環境省出席者:環境影響審査室専門委員(宮下氏、宮氏)環境計画課(森口氏)
       環境局生生物課(そみや氏)
実行委)
 スパット台船、単管設営に伴う珊瑚破壊の実態確認について防衛施設庁の報告の公表、その報告を受けてその報告をどう評価したか、環境保全の立場を踏まえ環境省の見解を求める。また小池環境大臣の見解を求める。
 
環境省)
 すでに珊瑚の破損、海底調査の状況については、那覇防衛施設局のホームページで公表されている。環境省の方には12月27日に直接大臣の所に報告がありまして、大臣が所見を述べている。それまでにもいろいろ事務方で聞いて、あの後、関係部局とも相談しながら内容についても検討してきました。那覇防衛施設局に対する助言は大臣が直接行った。この事については1月7日の大臣の記者会見で明らかにしております。

 内容につきましては珊瑚の破損については33箇所ある。岩礁の削り跡が1×6メートルが1箇所、これは足場NO.3の近くにある。そして足場NO.3の南の方7メートルのところに1×2メートルの削り跡が確認されたという事です。底板が設置されたところとその周辺に削り跡が認められたということです。その原因として当時1〜2メートルぐらいの波があり外洋による波の影響が想定以上に大きかったということです。実際降ろすところに起伏があり、その起伏の溝の部分のところをこすったということでした。足場の底板を設置する間に海底の岩礁や珊瑚を傷つけたと聞いております。それから台風が近づいてきて一時撤去されているが、安全上やむをえず一時撤去したときにも波の影響によって珊瑚に接触したというふうに聞いております。今後の対策としては底板をはずして設置したい。それから気象状況、波の状況を見極めて波のそれほど高くない時に設置したいという話がございました。
実行委)
 これはは聞いたということですか。それとも聞いた後の環境省としての対策ですか。
環境省)
 いえこれは、聞いたという話です。
実行委)
 何処から聞いたのですか。
環境省)
 防衛施設庁から聞いたという話です。助言の内容としましては、これは大臣が27日した助言をもとにして、7日の記者発表用に作った物です。12月27日に防衛施設庁から海底状況について受けた報告です。環境省としては、環境配慮事項に即してすすめていただくのが必要と考えています。また今後の足場の設置、および撤去等にあたっては、珊瑚や基盤となり得る岩礁とに対する影響を回避し低減しえるよう行う事と、環境配慮事項によれば、足場の設置前、設置後において環境監視を実施するとされていますが、より迅速に環境状況の確認おこなう事が必要であると考えています。ということで設置した後すぐに確認してくださいと要請しています。これにより珊瑚被度5%未満のところを含めて珊瑚や岩礁等への影響を回避低減するよう自然環境への配慮を行うよう助言を行ったということでした。なお防衛施設庁から気象状況、波の状況を見極め、実施する事に加え、設置面積を減らすということで、底板を設置せずに装着するということを検討するという事を聞いていますが、その際にも周辺の環境への影響を及ぼさないように慎重に作業をしてくださいと助言を行いました。
実行委)
 防衛施設庁に助言を行った後(12月27日以降)、この間何か変化はありましたか。
環境省)
 特にありません。
実行委)
 防衛施設庁は助言を受けて何か変わりましたか。
環境省)
 はい。足場をはずしてやりたいと。しかしそこが砂地であるので、砂礫地帯も、安定しないところは、底板を設置しないといけないとは言っております。
実行委)
 1番についての解答の質問で、底板をはずして行うとは防衛施設庁が答えているわけですよね。それに対して環境省は「いける」と判断しているのですか。
環境省)
 いけるというか、そういうふうに工夫をしてやっていただいて、低減していただきたいということです。
実行委)
 それで珊瑚の破壊を防げると思って、OKを出したのですか。
環境省)
 我々はこの作業について許認可を与える立場にないので、OKと言う立場では言っていないです。
実行委)
 環境庁は環境破壊を防げるかどうかを判断するために防衛施設庁の報告を待ち、判断をするわけですよね。
環境省)
 それで、彼ら(防衛施設庁)が低減できるという事を言ってきましたから。
実行委)
 それでやっていける根拠はあるのですか。
環境省)
 底板が今回引っかかったわけで、それをはずせば30センチ角の鉄柱だけですから可能性としては少なくなる。
実行委)
 底板を必要とするという計画でやったわけですからその底板をはずして足場を設置できるという根拠は何ですか。
環境省)
 そこは防衛施設庁ができると判断したと思います。
実行委)
 ところが防衛施設庁は底板なしでできる根拠を答えられなかったのですよ。そこのところは質問なさらなかったのですか。
環境省)
 いや、しました。そこをはずしても安定すると。
実行委)
 それでははじめから計画の段階でそれは必要なかったわけではないですか。ということはボーリング調査をしてみないと安定してできるかどうかはわからないと言っていましたよ。防衛施設庁は。
環境省)
 私は安定はすると聞いています。
実行委)
 どうやって調べたのですか.
環境省)
 柱は倒れないと思います。
実行委)
 どうやって調べたのですか。柱もずぶずぶなかにはいっていってしまうなどいろんなことが考えられますよね。その事でまわりの珊瑚を破壊する事は当然考えられますよね。その事が防衛施設庁がやってることが充分であるかないのかを環境省がチェックして助言する立場にありますよね。報告を聴いて「そうですか」ということで終わらせる問題ではないと思います。
環境省)
 それは防衛施設庁で検討していただくということだと思います。
実行委)
 底板をはずしても安定するという根拠を、環境省としても科学的に証明する必要があるのではないですか。
環境省)
 今質問しているのは橋脚がきちんと安定して立つのかということですか.
実行委)
 それもあります。と同時に強度の問題もそうですが、底板を引くのは海底に加わる力を分散させるためであることは誰にでもわかる事で、それをはずすと柱がめり込んでいってしまったり傾いてしまったりいろいろ問題が出てくる。その問題を抱えながら63箇所もどう立ち上げたのですか。
環境省)
 作業の安全性だけを考えれば、私達はそれだけを考えたのではありませんが、足場を広くした方が当然安全なわけです。これを証明しろと言われて施設庁は困ったのだと思いますが、問題はつけなくても立つかどうかということですね。それは工学上、土木学上の常識として、多分彼ら(施設庁)はそれでもできると、安全面は若干犠牲にするが立たなくはないんだろうという判断をしたということかなと思います。今話したことに関しては純粋に土木作業上のことだと思いますので、そこに関して詳しく環境省の方から根拠を聞くという話ではないのかなと思います。
実行委)
 今のお答えについてこちらも防衛施設庁にいろいろ聞いたという経過がありますし、ちょっと納得できないものが残るのですが、質問を進めます。
実行委)
 ちょっと関連するかもしれませんが、一応防衛施設庁から説明を受けて破壊されたことが認識できたということですが、という事は前の解答ではあくまでも那覇防衛施設庁の業務に対して私ども(環境省)は常に信頼しているという発言をしていましたよね。それに対してチェックしないのかということですが。実際こういう事態が起きた。それはなぜ起きたのか。それはつまりもともと沖縄県から環境配慮事項というものを示され、それを守るということでしたよね。実際問題が起きている。この事態について環境省はどう思いますか。波が予想以上に大きく影響したと言っている。波が大きいにもかかわらず作業を強行している。これをどう認識しているのか。環境配慮事項を守ると言っていながら守っていなかったという事になる。守らずに珊瑚破壊が起きてしまったことをどう考えるのか。お聞きしたい。
環境省)
 そこは、防衛施設局も環境配慮事項を自ら定めていますから、それを踏まえてやっているのでしょうが、やっぱり今回波の影響があったり、またまわりにいろいろ船が横行していてそれに対して安全上を勘案しながらやっていったのだが結果として岩礁をこすったという事。今回のことは台風の一時緊急避難的に撤去した時に傷つけたのが大半だったと言っています。そこは台風が来る前に波が高くなって柱が倒れて傷つけてしまっては困りますので、そこでその前に撤去したときに傷つけてしまう事は想定されると認識しています。
実行委)
 環境省のほうは施設局の説明をそのまま受けとめているということですが、防衛施設局は予測しえない事態が起きたと言いたげに聞こえますが、われわれは防衛施設局にも当然専門家もいるので今回の事は予測できた事態だと言いたい。そこがわれわれと防衛施設局との行き違いになる。その事について環境省としてきちっとした調査なり見解を示していただきたいのですが、先に進めます。
 環境大臣の見解として「いけないと思ったときは声をあげないといけない」と言ったという事ですが、今の状態を環境大臣はどう思っているのかという事について答えてください。
環境省)
 大臣の見解についてお答えする事はできない。要するに「いけないと思ったときは声をあげなければいけない」という主旨は、必要に応じて助言していきたいという事なのかな、という事だと思います。そこで今回も助言という形でさせていただきました。大臣の主旨としてはそうだろうと思います。これは私個人の見解ですけれども。
実行委)
 内容に関してですけれども、今回言いたいのは沖縄県が作った環境配慮事項に沿ってやっていただきたいという事です。今回いろいろ問題が生じているのだから環境省独自の立場で環境配慮を言うことはできないのか。またIUCN勧告の中でいわれているように環境アセスを大切にする事と書いてあるわけですよね。それは知っているわけで、ちょっと大臣の所見の内容としてはあまりにもお粗末で「ま、皆さんがんばってね、ちょっと抗議の声が大きいのでチョット気をつけようよ」程度で、環境の事は考えてない。お粗末過ぎると思います。それで良いんですか?環境省の職員として?
環境省)
 ですから、環境配慮事項に沿ってやっていただければ珊瑚、岩礁への影響を考えてそういう事が書いてあるからそれに沿ってやっていただければ、ま、環境に影響のないようにやっていただく事だと思っています。
実行委)
 おかしいよ。やってないから問題が起きたのでしょう。
環境省)
 IUCNの勧告には法的拘束力はない。
実行委)
 環境配慮事項に沿ってやれば問題は起きないと言いましたよね。環境配慮事項を自分たちが決めてその通りにやった結果、破壊が起きているわけです。そうすると環境配慮事項が不充分だったといえませんか。配慮事項が足りなかった。このことが明らかになった。破壊から1ヶ月たって12月27日の報告を見るとその事がはっきりしたという事ではないですか。環境省、環境大臣が防衛庁に助言するのは環境配慮事項の見直しを求める事ではありませんか。
環境省)
 その見直しするかどうかは防衛施設庁のやる事だと思いますが、私個人の見解としては、環境配慮事項に沿ってやっていただければ影響が出ないと考えております。
実行委)
 影響が出たのですよ。
環境省)
 結果として作業をやる、やった事でこのような珊瑚や岩礁に影響が出たという事は非常に残念に思っております。そこで防衛施設局に慎重にやってくださいと申しあげているのです。
環境省)
 問題が出る出ないについて0か1かというと、当然0ということはありえない。そこで出た問題がそんなに深刻な状況かというと、そんなに問題ではないのかな、と思っています。ま、きわめて重篤な影響は出なかったという事です。
実行委)
 先に進ませてそこで絡めてやりたいと思います。
 1997年のボーリング調査について、これの位置付けとしてどう考えているのか。と伺いましたがチョット待ってくれということでした。その後防衛施設局から調査の報告はあったのか、お聞かせください。
環境省)
 調査させているわけではないのですが、一応聞きました。平成9年度の調査は建設場所として適地か否かということを判断するための地質の概略を把握するためにやったものだという事で、15箇所やったという事です。これはもっと広い範囲を含めて15個所やったと聞いています。今回については再三防衛施設庁が言ってますが、護岸の設計の検討をするための事前調査という事です。目的は違うといっています。ここに書いてあるのに「本調査ですか?」とありますが、そうではないということですから。
実行委)
 1997年度の調査について防衛施設庁から書類はいただいたのですか。
環境省)
 いや、口答です。
実行委)
 その場所について資料請求をします。
環境省)
 それは防衛施設庁に聞いてください。その資料については私は見たことはありません。ここの調査については我々はわかりませんので防衛施設庁の方に請求していただきたい。
実行委)
 環境省というのは全て認可するかどうかということとか、国の姿勢を守るということとか、どういう仕事をされているのですか.しっかり環境を守っていくということなんでしょうか。それともほかの省庁がOKしたものはOKするという姿勢なんですか。今回ボーリング調査をするということを言われた時に、護岸調査でどういう調査が行われるのか、それが環境にどのように影響するのか、ICUNからジュゴンについて勧告されていますが、そういうところに工事をするということに、環境省として独自に調査されていますか。調査されてないんですか。
環境省)
 この事業については個別の事業ですので環境アセスメントという事業で、この事業については見ていくということになっています。それについては事業者が周辺の環境調査もやって環境にどのような影響を及ぼすか明らかにしながら進めていくということですので、事業者が調査していくと思っております。
実行委)
 事業者の調査をそのまま認められるのですか。
環境省)
 環境アセスメントの中ではわれわれは独自に調査やったりということはしませんが、われわれもいろいろ調べます。その段階で審査をしますので。ですが彼らがやるような環境調査はやりません。これは事業者がどのような環境影響があるか調べられる範囲でどのような環境配慮ができるかということをアセスの中で検討しなければいけませんので、事業者がやります。われわれ(環境省)は審査に必要ですのでいろいろ文献などはしらべます。
実行委)
 防衛庁の調査をそのまま受け入れるのですか。護岸調査になぜ63箇所も調査が必要なのですか。護岸のための調査はすでに終わっていると聞いていますがいかがですか。

環境省)
 我々は63箇所必要だというのは、技術指針では地質調査するのに300メートルのスパンで一本ずつ必要であると防衛施設庁から聞いており、そういう区域であると聞いています。
実行委)
 事業者の調査結果を環境省は知らないのですか。それとも調べないのですか。その結果を知ろうとしないのですか。判断は他のことでやっているのですか。防衛庁は結果を我々に明らかにしないのですよ。
環境省)
 今のことはアセスの中でのことですか
実行委)
 事前調査についてです。1997年に行った事前調査もそうですし、台船が設置された、設置前、設置中、設置後、あの調査の結果を知らないのですか。防衛施設庁は明らかにしないでいます。あなた方環境省は、その結果を知らないで判断しているのですかと聞いているのです。
環境省)
 97年については知りません。あれは地質調査ですので我々は直接関係ありません。
実行委)
 その態度は肝心な事はアセスからはずして早く許可しようとしているとしか思えません。
環境省)
 そこについては範囲の外ですので、入ってないというのが実情です。
実行委)
 97年の調査当時場所が特定できていなかった(聞いていなかった)が今回は場所がある程度決まったので関わりを持つということですか。97年のことには知らないというのにはびっくりしました。先に行きます。
 このボーリング調査でジュゴンが寄り付かなくなっているいうことが報告されていますが、そのことに関してIUCNの勧告が昨年が出ています。ではそのことに関してどう考えているのか、解答願います。IUCNの主文の最後のところにアメリカ国務省は要請があれば日本政府が実施する軍事基地に関する環境アセスメントに協力する必要がある。とありますが、防衛施設庁は要請するはずがない。ここが環境省の仕事だと思うのですが、いかがでしょう。
環境省)
 ここについては、かりに日本からアメリカに協力してくれと言ったとして、どういうメリットがあるのかというのがよくわからないのですが。
実行委)
 NGO側としてはアメリカのゼロオプションがあったと聞いております。というの環境アセスメントについてのゼロオプションというケースがあったと聞いています。アメリカのEPAの基準でやっているという話でしたので、アメリカの基準にしたがってこの軍事基地の建設についてのアセスメントをしたら、環境破壊になるのは当然で、状況は変わるのですよ。だから日本政府としてきちんとアメリカ政府に要請を出していただきたい。
環境省)
 この件に関して環境省が、このような難しい件に関して直接話せるかというと、基本的には外務省にそんなことをしたら怒られるということです。今おっしゃっていることは国として言えば、主権を放棄しますと言っているのといっしょですよね。
実行委)
 そんなことはありません。
環境省)
 アセスメントを行うのは日本であるので、いかなることがあろうと日本国の法律に基づいてやるということです。たとえアメリカに協力してくださいと言った時に調査だけ協力してくださいと言ったときには可能性はゼロではないと思いますが辺野古についてはアメリカの下でやりますと言うのは日本国の主権を放棄したことになります。
実行委)
 日本の政府からこう言うことをやってほしいという要請があればアメリカ政府は受けるという証ではないですか。このことは。
環境省)
 今のことに関してはできません。
実行委)
 IUCNの勧告について否定するということですね。
環境省)
 かりにそういうことが判断できるとすればそれは外務省です。外交問題について権限は与えられてはいない。
実行委)
 北限のジュゴンというのは希少価値のある保護動物だというのはご存知ですか。
環境省)
 知っています。
実行委)
 環境省としてどういう保護政策をとるのですか。
環境省)
 今やっていることを示せと言われると、大きく分けて2つあります。まずは基本的な生態学的ところがわからないと具体的に保護を考えていこうとする時にきちんとできないので、調査をきちんとやっています。2点目としては絶滅の危機にあるということは明らかですので、やれるところからやろうということです。現段階において大声を張り上げて言えない部分はあるのですが、死亡要因として明らかになっている魚網に絡まって死んでしまったというのが多く報告されていますから、どうしたらそれが防げるかということですが、網に入ったときにはうまく外に出せるようにいろんな研修をやるようにしていこうという事です。
実行委)
 ジュゴンの調査をいつからやっているのですか。やれることをやるというのは皆がやっていることです。これは外務省がやることとか区分けするのではなくジュゴンを守るため環境省は何をやるかが問題なのです。ジュゴンだけではなく珊瑚、藻場、を守るといことに環境省は何をやるのかということです。
実行委)
 勧告について外務省がやることだと言っていいのですか。外務省はやることはあるが、環境省もやることがあるはずだ。あなたが言っているのは、環境省は外務省の下だといっていることですよ。
環境省)
 違います。外交問題は主として外務省が主体的にやると言うことです。野生生物の国内政策に対して外務省がぐさぐさ言ってくれば、それにはこちらから怒ります。
実行委)
 環境省は外務省に働きかけてやらせるということはできるのですね。
環境省)
 そうですね。法律の範囲で働きかけは必要だということです。
実行委)
 はじめの交渉より後退していると思います。辺野古の自然を守るため、いろいろ制約はあるが何とかやっていきたいと言っていたと思います。環境省がその制約である法律のめをくぐりながら環境を守るのか期待していたのです。
 IUCNの勧告は守れないと言っていますがそのところに関しては反論していきたいのですが、先に行きます。環境省が3年間のジュゴンと藻場の調査をまとめたという報道がありましたが、そのことと今の現状について、珊瑚礁学会がいろいろ指摘きしていることをふまえてお答えください。
環境省)
 辺野古の代替施設についての環境影響を含めて、環境アセスメントの中で検討がされています。2点目として今起こっているということについては、環境アセスには入りません。3年間の調査の概要は、この調査の目的はあくまで沖縄本島全体としてどういう現状なのかという調査です。結果としては何年後になるかわかりませんが環境アセスメントが審査されるときの辺野古についてはその基礎資料になります。それが辺野古の直接の目的ではありません。
実行委)
 こちらが聞いた珊瑚の破壊についての答えはそれでいいのですか。今起きている問題については環境アセスには入らない。実務問題だということですが、今回のボーリング調査に関して今起きている問題について、63箇所のボーリング調査についてはジュゴンの生息にどう影響すると考えていますか。
環境省)
 ボーリング調査については先ほども言ったように防衛施設庁のほうで環境配慮事項に沿ってジュゴンの生息についても行われていると言うことです。
実行委)
 それはつまり環境配慮事項の中に書いてあれば影響ないだろうということですか。
環境省)
 そうですね。
実行委)
 影響ない。
環境省)
 そこについては誰もわからない。
実行委)
 そうですね。現実は誰もわからないですよね。
環境省)
 ただし、
実行委)
 いやわからないですよね。誰も。わからないことをやっているのですよね。
環境省)
 いや、ただしある程度は配慮事項に沿っていけばできる。
実行委)
 何を根拠にそういうことが言えるのですか。ジュゴンへの影響についてですよ。ジュゴンがそこで生息していた頭数が減るとか、どこまでわかるのですか。それは調査されてない段階ですよね。研究も。やっとこの3年間やり始めたところですよね。実はわかってないですよね。
環境省)
 そこはできるということです。
実行委)
 明確に影響がないと言えるのですか。言えないですよね。わからないですよね。
環境省)
 影響はあると思います。
実行委)
 あると思えばやればいいのですよ。
実行委)
 影響があるということを認めている。
環境省)
 要するにボーリング調査の影響、音にに関していえば、漁船程度の音でそんなに影響はないと思います。
実行委)
 ボーリング調査に限ってだけではないですよね。基地があそこに出来たときの全体の影響ですよね。
環境省)
 基地ではないです。
実行委)
 あそこにジュゴンがいるとわかっていながらたった3年前からしか調査がはじめられなかったのですか。
環境省)
 そう言われればそうですが。
実行委)
 呆れているのがもうひとつあります。私たちが心配なのはもしあそこに基地ができたらすごい音がする。轟音がするわけです。ジュゴン保護の政策をこうじなければならない環境省として何もやらないのですかね。
環境省)
 そこについてはアセスの中で検討されます。
実行委)
 現在数カ所でも大きな被害が出ているのに、環境省はぼ防衛施設局の報告をただうのみにしているのはいかがなものか。環境省として独自の調査はできないのか。
環境省)
 ボーリング調査についてはアセスの対象ではない。しかしあそこは言われているようにジュゴンの藻の食み痕が見つかっていても事業をやってしまっているということですよね。わかってないことがたくさんあったり、防衛施設庁は珊瑚はほとんど死滅していると言っているが回復率も高いと言われているので、一昨年にアセスは出来ないがこの作業計画書を作ってくださいと、そして公表してくださいと、わかる範囲で、ジュゴンについてもそうですが、どれだけ配慮が出来るかいろいろ書いてもらっています。例えばジュゴンについては夜間に藻場に食しにきて日の出に帰っていくのでというふうに聞いているので、朝の早い時間と夜遅くまで作業するのは止めてくれという助言をしまして、作業時間については改善されています。音についても鯨やイルカと比較して判断しているということです。
実行委)
 配慮事項に沿ってやってきたがその結果、問題がいろいろ出てきている。そこでいろいろ指摘されているようにこの配慮事項に問題があり、この作業計画書に問題がある。そこで環境省のやることは、この配慮事項、作業計画書の見直しを防衛施設局にさせることなんですよ。名前も公表できない人たちが作ったものの結果がこの始末です。
環境省)
 言葉を返すようですが、環境配慮事項、作業計画書に沿ってやっていただくのが我々の立場です。そこで作業にあたっては慎重にやってくださいと助言申しあげたのです。
実行委)
 配慮事項については随時確認するとありますがあなた方は確認していませんよね。
環境省)
 防衛施設庁で確認しています。我々はこの作業について確認していません。
実行委)
 配慮事項に作業船は作業にあたって静かに航行するとありますが、していません。私は実際に見ています。それも点検しないで配慮事項の通りやってもらえればいい、というのは通りませんよ。やってない中で珊瑚の破壊が起きている。これをどうするのですかといっているのです。
実行委) 
 時間がきてしまいましたので、まだ質問したいこともたくさんありますのでまた時間をとっていただきたいと思います。最後に環境配慮事項に沿ってやってくださいといっているのですが、やっているかどうか防衛施設局からただ聞くだけではなく一度現場にいって確かめてはどうですか。
実行委)
 時間がきました、今後も交渉をお願いします。小池大臣と会合を持ちたいのですがどうしたらいいのですが教えてください。
環境省)
 即答は出来ません大臣は国会等で忙しいので。検討させてください。
実行委)
 検討するだけでなく即答しなくてもいいですが、必ず答えてください。私たち大臣に会いたいのですよ。前向きに検討してください。