2006年12月4日
内閣総理大臣 安倍晋三 様
防衛庁長官 久間章生 様
防衛施設庁長官 北原巌男様
名護ヘリポート基地に反対する会(代表茂野光達)
名護市辺野古への基地建設の断念を求める要請書
安倍政権もまた、その沖縄政策は命の破壊そのもの・・沖縄の民衆を蹂躙し続けてきたこれまでの軍事政策を踏襲するものです。沖縄にとっても、日本にとっても未来を奪うものです。
久間防衛庁長官の発言に、私たちはあきれ果てています。仲井真弘多新知事の公約である「普天間基地の3年以内の閉鎖」について、「事実上、できない」と明確に拒否しています。仲井真氏を応援した自民党の幹部の態度として、理解し難いものです。仲井真氏本人との会談では「重く受け止める」とお茶を濁す回答をしたとも伝えられています。このような二枚舌は、命の痛みを受け続ける沖縄の民衆を欺き、その心を踏みにじることです。
米軍が、現行の政府案であるV字形滑走路に双方向からの進入を想定していること・・そして久間氏が、緊急時にはそれを容認すると発言していることにも、強い憤りを持っています。私たちは、いかなる形の基地も辺野古につくることは絶対に許せないという立場です。しかし、この傍若無人な政府の姿勢は見逃せません。V字案は、民間地上空を飛ばないように滑走路を2つに増やし、進入路を限定する案として説明されてきました。双方向からの進入を許すとすれば、民間地上空を含めて進入ルートが4つに増え、辺野古一帯の空が米軍機で荒らされ放題になるのです。
本日、米軍再編についての日米の審議官級協議が開催されていると言います。基地建設のための欺瞞に満ちたこうした協議は、今すぐに止めるべきです。来年の通常国会には、米軍再編に関係する自治体に交付金を拡充する再編推進法案が提出されると伝えられています。公共事業の国負担に関して沖縄を優遇する内容ですが、辺野古への基地建設が進まなければ、交付金は支払われない出来高方式とされています。「圧力と対話」としか言いようがありません。
9月末、平和市民連絡会の共同代表の一人である平良夏芽さんが、基地建設につながる文化財調査の阻止行動中に逮捕されたことを、私たちは重く受け止めています。その後、不起訴となった通り、これが不当逮捕であったことは明白な事実です。神奈川でも「免状不実記載」で市民が不当逮捕されました。大阪でも、野宿者の支援運動をしている私たちの仲間が不当逮捕の後、2ヶ月以上も拘置所の暮らしを強いられています。今、平和運動や人権のための闘いに対する弾圧がまかり通っていることを心から憂います。戦争を進める政府は、批判の声に全く耳を貸さず、国会の中での多数決の暴力と同様、日常的な弾圧で私たちの生活を脅かしているのです。
私たちは、痛みを負っても闘い続ける仲間と連帯します。今こそ、疲れ果て、心破れてきた辺野古の住民の魂のうめきに、耳を傾けたいと考えます。その苦悩を心に留めつつ、次のことを求めます。
一 国、県、地元市町村による普天間移設措置協議会を開催しないこと
一 普天間基地を直ちに閉鎖するように米政府に求め、名護市辺野古への新たな基地建設を断念すること
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