辺野古からの電話メッセージ
仲村善幸さん(ヘリ基地反対協)
防衛庁行動を展開している皆さんに心から敬意を表します。そして沖縄でも皆さんと共に闘っているということを報告したいと思います。
今日、名護では、名護市長が国側との交渉に臨むのではないかという危機感があって、朝から名護市庁舎前で市長の動向を見守りながら、日本政府との協議には臨むなという取り組みを行っているところです。今日は、市長への申し入れも2時から行いました。市長は参加しませんでしたけれども、助役が交渉に参加しました。その中で、私たちの追及の中で末松助役は、「国とは今日は交渉はない」と、そして「今、日程の調整はしていません」と、国と協議することについては確認はしましたけれども、現段階で日程調整はしていないということと、そして名護市から国に対して日程調整をすることは考えていないということの回答しています。
名護市は国の沿岸案には反対であると、協議の対象ではないということもはっきりと述べています。しかし、名護市のバリエーションの範囲内なら国と協議するということも言っていますし、国側の出方によっては譲歩するという危険性が極めて高いと言わなければならないと思います。
そういう中で国側は、先日の市との協議に対して、市は国との基本合意には賛成したということを言っておりましたけど、島袋市長はそういうことはないということを地元では報告しています。それに対して防衛庁の幹部は、島袋市長は東京で言うことと沖縄で言うことが違うということの不満を漏らし、30日の宜野座村等との協議では、宜野座村や金武町、東村の村長を呼んで、呼びつけて東京で話し合いをした時は、市の修正案は受けられないということを明言しておりますし、名護市が反対している沿岸案についてのパンフレットを北部地域に強行に配布している状況があります。
今、国と市の考えが対立しているということが浮き彫りになってきたと思います。何故市が沿岸案反対にこだわるのかというと、公約の一つであるということと、それで地元に帰ってきたら市長を支持していた久志区の行政委員であるとか区長も沿岸案には絶対反対だということを市長に言っておりますし、知事が反対で一歩も引かない状況もあります。
それと隣の宜野座村が沿岸案に表明し、それだけでなく名護市の示した案にも反対を表明して明日村民大会を持つことになりました。宜野座村は私たち、皆さんの支援のおかげで漁民のチャーターで阻止行動を展開しましたけれども、その主力メンバーが宜野座村の海人であります。その人達が中心になって基地建設反対の声を上げようとしているところです。
こういう中で、市は、簡単に国に譲歩できない、妥協できないような状態に追い込まれておりますし、特に私たち海上阻止行動を展開した仲間が連日市に抗議行動、大衆行動を展開していく中で、名護市内では国と妥協することは絶対に許さないという市民の世論が大きく広がってきているのではないかと思います。連日100名近くの人達が集まって、今日も行動しましたし、また明日も市は絶対に国と妥協するなと、国との話し合いに応ずるなということを迫っているところです。そういう中で私たちは、名護市長が国の協議には応じない、行かさないということが当面の大きな課題であります。
そしてもう一つの課題は、市が沿岸案反対を貫くということだと思います。今、県民運動的に盛り上がりつつありますけど、国は今、沿岸案を押し付けるために強行な姿勢をとっているわけですけど、私たちは沿岸案に反対している市や知事に対して国との妥協を絶対にするなということを県民運動として追い詰めることによって政府の沿岸案を阻止するということが二つ目の大きな課題ではないかと思います。
私たちは、沿岸案反対が目的ではないんですけど、国を徹底的に追い詰めることによって、国が狙っている基地建設を阻止する大きな運動として、沿岸案の反対というのは大きな課題になるかと思います。
私たちは一貫して、国と協議する前に市民に説明会をすべきだということを言ってきたんですが、末松助役は「政府との話し合いが煮詰まっていないから説明できないんだ」と、「政府と協議をした上で説明したい」ということを言っているんですけど、我々が求めているのは政府との協議や政府との合意内容を説明するという視点で言っているのではないわけです。政府と協議する前に市民の意見を聞くべきだということを一貫して言っているんですが、それに対して市は、市民への説明会を今でも行おうとしていません。
ですけど私たちは、市に対して修正案を受け入れるなということと沿岸案を受け入れるなということと同時に、市民への説明会をやるべきだということを大きな運動の目標の一つになっています。
政府の沿岸案であるとか、市の修正案は、そのいずれも久志地域や宜野座村に直接被害が及び、飛行ルートが北部全体に及ぶようになるわけです。いずれの案であっても認めることはできないし、これまでの海上案と同じように基地が作られれば藻場が破壊され、サンゴ礁が破壊され、それだけでなくて沖縄の基地が永久に固定化されるというようなこともあります。そういう意味では当面の目標をはっきりさせつつ、国を追い詰めて基地建設を、名護への移設を断念させるという大きなうねりとして今取り組みをしているところであります。
東京の皆さんの本当に心の底から沖縄と連帯をして建設を絶対に許さないんだという気持ちに、私たちも支えられて頑張っています。私たちも全国各地で米軍の再編に対して反対している皆さんと連帯をして頑張っていきたいと思いますので、これからもまたしっかりと手を握りながら気持ちを一つにしながら頑張りたいと思いますし、皆さんの気持ちに応えて私たちは名護で頑張っていくということを述べて連帯のご挨拶にしたいと思います。皆さん、頑張りましょう。
総理大臣 小泉純一郎様
防衛庁長官 額賀福四郎様
防衛施設庁長官 北原巌男様
普天間基地の即時閉鎖と辺野古沿岸移設案の白紙撤回を求める要請書
2006年4月3日
日韓民衆連帯全国ネットワーク
あなたたちは、一体いつまで沖縄の人々を苦しめ、愚弄し続けるのでしょうか。
辺野古沖への普天間基地移設案が、地元・全国・国際的な抗議と粘り強い抵抗の前に取り下げざるを得なくなったにも関わらず、こんどは日米両政府間で新たに辺野古沿岸案をかってに合意し、引き続き沖縄の人々に押し付けようとしています。そして日米政府間の「最終合意」の期限が迫るや、額賀防衛庁長官と島袋名護市長との協議を繰り返し、「微調整」で何とか決着させようとしています。
しかし、多くの沖縄県民はこの欺瞞を見抜いています。沖縄では、県民の8割以上が辺野古沿岸案に反対し、米国への移設を求めていると報じられています。沿岸案賛成は、わずか7%に過ぎません。
私たちは、このような新たな辺野古沿岸案を許すわけにはいきません。また、こうしている間にも、普天間基地は危険と隣り合わせのまま、周辺住民を脅かし続けています。日本政府が、今なすことべきことは、普天間基地の即時無条件閉鎖を米国政府に要求し、辺野古沿岸案の合意を白紙に戻すことです。
まして沖縄海兵隊のグァムへの移転費用を、われわれの税金から負担するなど認めるわけにはいきません。
そもそも昨年10月29日の「日米同盟:未来のための変革と再編」と題した日米合意は、日米軍事同盟を世界的規模に拡大することを謳っています。その対象には、米国が「不安定の弧」としている北アフリカから中東、中央アジア、東南アジア、台湾海峡、朝鮮半島に至る広大な地域が含まれることは明らかです。
米国がこれらの地域で引き起こす戦争に、自衛隊が一体となってこれを支え、さらに沖縄だけではなく日本全国を新たに軍事拠点として再構築すること—「合意」はこのような危険な内容を打ち出しています。
今、沖縄を先頭に米軍基地を抱える全国の各地で大きな反対の声が高まっています。3月12日の米艦載機の移転の賛否を問う岩国住民投票は、圧倒的な反対の声を内外に示しました。同じ日、米陸軍軍団司令部の移転が計画されているキャンプ座間では3千名の市民が「人間の鎖」で包囲しました。これらの動きは各地に広がっています。
私たちは、こうした日米軍事同盟の再編・基地強化の動きに全国の人々ともに強く反対するものです。
現在、日本と同様に駐韓米軍の再編と基地拡張・強化に反対して韓国でも平和を愛する多くの人々が立ち上がっています。そして、沖縄の基地問題、日米軍事同盟の再編強化と日本が再び「戦争のできる道」を歩みつつあることに、大きな懸念をもって注視しています。
かつて日本が侵略し躁躍したアジアの人々と、真の和解と平和の道を歩むのか、それとも再び「戦争のできる国」の道を歩むのか—平和を愛する日本の市民とアジアの人々の視線はまさにそこに注がれていることを、最後に指摘しておきたいと思います。
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