防衛庁長官 大野 功統 様
防衛施設庁長官 山中 昭栄 様
辺野古の海をボーリングと基地で壊してはならない
あなた方は今、沖縄・辺野古の海を殺そうとしています。あなた方が環境アセスメントとさえも無視して強行しているボーリング調査は、かけがえのないサンゴ礁をすでに破壊しています。サンゴ礁の破壊は、魚たちから生まれ育つ場所を奪い、確実に「海の死」をもたらします。まして、ボーリング調査の次に計画されている巨大な軍事基地の建設は、サンゴ礁とその周辺の藻場を確実に死滅させます。それは魚たちだけでなく、世界でも貴重なジュゴンにも、生きていくことを拒否するものです。そして「海の死」は、海とともに生きる漁民、ひいては人類にとってとりかえしのつかない打撃を与えます。あなた方には、このような生態系と人間の営みを破壊するどんな権利もありません。
あなた方が今、基地を作ろうとしている沖縄のアメリカ海兵隊は先月来、イラクのファルージャを破壊しつくし、数千人の市民を虐殺しました。武力による破壊と殺りくの上に、どんな「自由と民主主義」が築けるのですか。あなた方は、そのような海兵隊に、新たに破壊と虐殺の拠点を提供しようとするものです。あなた方は、それでどんな「平和と安全」を生み出すのですか。失われた命は戻りません。残された家族や友人には、胸の張り裂ける悲しみと、殺人者・アメリカの政府と軍への底知れぬ憎しみしか残りません。そして、アメリカ政府の蛮行をとめず、それを積極的に支持し、蛮行の継続と拡大に協力するあなた方は、破壊と殺りくの共犯者にほかなりません。辺野古での海兵隊の新基地建設は、世界中で市民の命を奪う犯罪をさらに重ねるものです。
あなた方は、口では沖縄の基地負担を軽減すると言います。しかし危険な普天間基地は即時閉鎖せず、早期返還の日程さえ明らかにしていません。逆に、普天間基地の危険性を口実に、沖縄に新たな軍事基地を押しつける辺野古の新基地建設を加速、強行しようとしています。このような誤りとウソは、誰の目にも明らかです。あなた方が進めようとしているのは、アメリカ軍の出撃・補給・訓練の基地と、陸海空にわたる司令部という中枢機能を沖縄と日本全土に張りめぐらせ、自衛隊をそれと一体化させて、日米共同で世界に軍事的覇権を打ち立てようとする野望です。あなた方のその醜い姿は、沖縄の人びとはもちろん、本土の私たち、アジアの人びと、世界の人びとがすでに見抜いています。だからこそ、辺野古と沖縄の人びとの必死の抗議と抵抗は、全国、全世界に共感と支持の輪を広げているのです。
辺野古の海の命を奪うボーリング調査は、ただちにやめなさい。海とともに生きる人びとの命を奪う新基地の建設は、ただちにやめなさい。人びとの命を奪うための軍隊に基地を提供することは、ただちにやめなさい。自然と人間に対する犯罪をこれ以上重ねることは、ただちにやめなさい。
2004年12月27日
平和憲法を守り、日米安保と軍事基地をなくす会・東京