12.11集会とデモ行進へご参加の皆様へ
皆さま、本日の集会とデモ行進へのご参加、本当にご苦労さまです。
沖縄の名護市辺野古では、米軍基地建設に反対する住民の方々、支援者の方々の座り込みが、今日で237日目をむかえています。すでに、防衛施設庁によるボーリング調査が開始されており、連日、カヌー隊と小型船による阻止行動が、命がけで行われています。
私たちは、住民の方々による非暴力の阻止行動を支援し、心からの応援を送りたいと思います。住民の皆さんの「ジュゴンの棲む海に軍事基地はいらない、平和で安全な生活環境を守りたい」という人間として当然の気持ちを、その権利を、全国に、そして世界に訴え、日本政府とアメリカ政府が、辺野古に造ろうとしている軍事基地の建設を、なんとしても阻止しましょう。
11月に、タイのバンコクで開かれたIUCN、国際自然保護連合の第3回世界自然保護会議では、「日本のジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全勧告」が賛成多数で採択されました。この勧告は、日本政府に対して、軍民供用空港建設の中止というゼロ・オプションとボーリング調査を環境アセスメントに含めること、保護区を設置して保全の行動計画をつくること、アメリカ政府に対して、環境アセスメントに協力することを、強く要請しています。
ジュゴンの棲む海に軍事基地を造ることは無謀であり、国際水準の環境アセスメントを実施することによって、この計画を中止させることができる、というのが、IUCN会議に参加した多くの人々の考えです。沖縄のジュゴンを守る活動は、世界的に重要な環境問題のひとつとなっています。日本政府、アメリカ政府ともに、世界最大の自然保護団体、IUCNのメンバーになっていることから、両政府は、この勧告を受け入れ、直ちに実行する義務と責任があります。このことを、特に強く、日本政府へ要求したいと思います。
環境を守ること、平和を守ること、人権を守ることは、一体のものです。辺野古でのボーリング調査を中止させ、軍事基地建設計画を取りやめ、ジュゴンとサンゴ礁の海を守り、住民の方々が安心して生活できる地域をつくるため、沖縄から日本全体へ、そして世界へ、連帯の輪を広げていきましょう。
私は、沖縄島の山原(やんばる)の森を守る集会へ参加しているので、皆さんとともにデモ行進をすることはできませんが、実行委員会および参加者の皆さまのご健闘を祈ります。
2004年12月11日
WWFジャパン 自然保護室
花輪伸一(はなわしんいち)