環境省要請行動
(2004年11月29日)
実行委
私は、皆さんを代表してこの面談の仲介役をやりました上原と申します。私どもは26団体が加盟している連合体のようなものですので、それぞれの団体からそれぞれの意見、質問がでると思います。よろしくお願いします。
大まかな主旨は、ご存知のように辺野古の海が今つぶされようとして、ジュゴンも絶滅するか、珊瑚もつぶされるかということはおわかりだと思います。私共はそれをやめてくれという運動をしておりますけれども、環境省の皆さんも大いに関係があると思うので、環境省としてやっていただくことを色々お願いしたいと思って来ております。
この趣意書はもう渡っていると思いますけれども、環境大臣がしっかりアドバイスをするとおっしゃっているようなので、どういうふうに環境省としては考え、防衛施設庁にアドバイスをされるかということ。それからIUCNが日本政府に対して勧告決議をしているというのもご存知だと思います、これに対して環境省としてはどのような取り組みをなさるかということ。私たちの今日まいりました主たる目的は、環境省が、環境破壊になることも大いにあるので今辺野古に建設しようとしている工事は直ちに止めてもらいたいという働きかけをお願いしたいという。
大筋としては以上ですけれども、色々細かいことなども沢山あると思いますので、よろしくお聞きいただきたいと思います。
実行委
(北限のジュゴンを見守る会の要請書)
実行委
最近、この写真にも写っておりますけれども、スパット台船とかいう道具を立てるのでずいぶん珊瑚が破壊されていると報道されてますけれども、環境省の皆さんはそういうことを把握しておられますか。ご存知ないですか。
環境省
この件につきましては、現在防衛施設庁のほうで潜水調査をして確認をするという報告を受けていまして、我々としてはテレビ報道とか、こういった写真を見せていただくこと以外、特に情報は入っておりません。
実行委
環境省が現場に行って調査をするという予定はございませんか。
環境省
現在のところはございません。
実行委
あなた方の使命からいくと、やっぱり自分たちが行って見ないと、全部防衛施設庁まかせではあなたがたの仕事としてはうまくいかないんじゃないでしょうか。
環境省
このボーリング調査につきましては、防衛施設庁による調査でございますので、防衛施設庁のほうで責任をもってやっていただきたいと考えております。
実行委
では環境省の役人ってなんでしょうね。お仕事はなんですか。
環境省
私は環境アセスメントの審査をする担当です。
実行委
ではアセスメントというのはどういうことですか。
環境省
あらかじめ環境影響について予測評価をするというのが環境アセスメントです。
実行委
あらかじめですよね。現実にこういう破壊が起きているのを見過ごすんですか。事業者にまかせるんですか。
環境省
我々もここにつきましては、特に許認可、国立公園とかそういった許認可に携わるものではないので、ただ自然度の高いものなので、昨年の9月に助言をさせていただきまして、許認可に関わる部分については、沖縄県で公共用財産の使用協議という中で協議がなされて、県からも条件付きで、県からも配慮事項というのが出てまして、条件付きでここについて許可をするというものになっております。
実行委
それでこういうふうになっているんですよ。これをどう思われるんですか。
実行委
県の条件というのも、環境をみださないように充分に注意してやれという条件付きで県はOKしていると思うのですけれども。
環境省
防衛施設庁のほうでもですね、こういった環境の撹乱をできるだけ避けるために調査の位置なんかも慎重に対応するというふうに、自分たちの環境配慮事項に書いてありますので、それに則ってしっかりやっていただきたいというのが我々の考えです。
実行委
則ってこれなんですよ。どのようにお考えですか、これを。
環境省
事前に聞いた話では、珊瑚の被度5%以下の中で設置するということでした。
実行委
そうです、5%ですよね。5%の中身はなんですか。ご存知ですか。ただの被度だけで計っていいのですか。ここは長い間この海を知っている海人たち、ダイバーの人たちが、一度白化してしまったのが回復して、やっと幼い珊瑚が芽生えてきて、そういう大事な5%ですよ。仮に5%としても。環境省はシーグラスだけが存在するというんですか。私が要請書に書いたようにシーグラスベッドの調査をしましたよね。藻場を保全しなければシーグラスは生えませんよね。被度だけで計っていいんですか。その内容を環境省は見ないんですか。珊瑚礁は珊瑚だけが浮いているんですか。珊瑚はどこに生えるんですか。
環境省
基盤です。
実行委
基盤はどこですか。
環境省
リーフです。
実行委
リーフってなんですか。
環境省
珊瑚礁です。
実行委
珊瑚礁が壊されているんです。それをどう見るんですか。環境省なんてないですよ、今。大臣も大臣なら職員も職員です。あなた方はなんのためにお働きになっているんですか。志があるはずじゃないですか。こういう現実を目にしてどういうふうに思われるんですか。100歩譲って潜って見てください。それもしないで事業者の報告を鵜呑みにして、とんでもない話ですよ。環境省始まって以来こんなことはないですよ。
実行委
環境省は先ほど助言して、あとは防衛施設局に任せる言いましたけれど、実際の作業でどのように環境に影響したか、しているか、そういうことに対して責任はないということですか。あるんですか。そこをはっきりさせてください。途中の事態に対して責任があるのかないのか、その言葉をはっきりどっちか言ってください。
環境省
・・・・・・・・・・。
実行委
今9月とか言いましたね、助言をなさったと。その助言が生きてなくて、環境省が考えていたことがみんな防衛施設庁につぶされてしまったらどうするんですか。あなたがた自分で見に行かないとだめでしょう。
実行委
一般論としても助言どおりにされているかどうかというのは、どういうふうにそれを確かめていくんですか。今回の問題じゃないとしても、助言をしました、助言どおりに相手がやってますということを確認しなかったら助言した意味がないでしょう。言葉を伝えたからもうそれでおしまいですか、環境省の責任は。助言したとおりに行われているかどうかを、チェック、監視が必要ですよね。それでなかったら助言の意味がないと思うんです。ただの言葉を、ただ伝えただけで。どういうふうにそれはチェックをすることになっているんですか。で、今回はどうなんですか。
環境省
基本的に助言をしたことに対しては、事業者の責任においてきちんとやってもらうと。その報告についてはどうするのかというご質問だと思いますけれども、基本的には写真を見せてもらったり、レポート、リーフレットをいただいているということだと思います。
実行委
事業者からの報告で判断するんですか。
環境省
基本的にはそうです。
実行委
事業者がきちんと事実を報告しなかったらどうなるんですか。事業者の報告だけを聞いて、あとはもう俺たち責任ないよですか。
環境省
責任がないとは言いませんが、そこは一応向こうも国ですので、そこは信頼をするということだということですね。
実行委
信頼するのはいいんだけれど、現実に物がこやって出てきたときに対して、それに対しても何も言わないんですか。最初に助言をしたらそれで終わりですか。
環境省
今のはあくまでも一般論の話しですけれども、そのときに、大変な破壊が起きているという情報が別の所から入れば、再度そこは施設庁に確認をしていくということだと思います。
実行委
信頼している、レポートは写真だけですませること自体、いまの社会の中でまかり通るということが信じられないんですけど、信頼できるために厳しいチェックというのが必要なわけですよね。厳しいチェックをお互いに自分の主体性をもってやることによって、初めて信頼関係ができるわけでしょう。国だって、民間の業者だって同じだと思うんですよ、それは。レポートで済ませるのは信頼関係があるからというのは、それは転倒していませんか。信頼関係を作るために厳しいチェックを環境省が自分たちの主体性でやらなければだめですよ、どんなことでも。
実行委
ちょっとお聞きしたいんですけど、4年前に国際自然保護会議の勧告が出されましたよね。その勧告が全然受け止められていない、不十分だということで、今年のつい11月25日ですか、第2の勧告が出されたわけですけれども、そのことについてこの間の環境省のなさっていたことについて何か反省点というのはございませんか。今のこととも関係しますけれど、自ら実際に調査する、実際にいろんな報告、例えばこの間調査されたという藻場とかあると思うんですけれど不十分であるということが実際にあるわけで、この間の反省点というものは何かありませんか。
環境省
私も自分が整理仕切れない分もあるんですが、2000年の勧告については、アセスをやりなさいと、非常に丸めて言えば、アセスをしてあと保護対策も打ちなさいと、大きくはこの二つだと思います。コアの、核の部分ですけれども。前段のアセスをすべしという部分については、すでにアセスについては着手している。ただ、そこについて今回勧告が新しく出たわけですけれども、今回の勧告については今始めている、こちらが、こちら側というと語弊がありますけれども、事業者である施設庁が始めているアセスについてはそれが不十分じゃないですかという、そういう勧告ですよね。前回の勧告はアセスをしろということに関して言えばアセスをし始めているということだと思います。
実行委
今回ね、明らかにボーリング調査についても環境アセスメントの対象にしろという勧告が出されている、だけども政府が無視して、現在ボーリング調査を強行していますね、実際にもう9月から。そのことについて、結局何も、勧告を無視して国連の2002年の環境計画を無視してやっていてそれで環境省としてはただそれを見ているだけというのでは、役割とか環境省の存在というのはどうなっているのかというふうに本当に存在感がないというふうに、まさにそれを示していると思うんですが、そのことをどうお考えになっているのでしょうか。本当に今ぎりぎりの所を突破していますよね。
実行委
始めたからいいというものではなくて、2度も勧告をされるということは恥ずかしいことなんですよ、そう思いませんか。今まで2度も同じ勧告をされたってないんじゃないんですか。それを恥に思うべきではないですか。そう思うでしょう。
環境省
ただ、そこは申しわけないんですけど、前回2000年の勧告の後にですね、どういうことをやってきたのかということは、今回IUCNの事務局長の報告があったんですけれども、事務局長の査定というものがついていて、それについていえば満足できる、大いに不満足、不満足、満足できる、大いに満足、という4段階なんですけど、一応3番目の満足すべきという進捗状況になってはいると。
実行委
何に対する進捗状況ですか。
環境省
2000年の勧告についてどの程度やったのかということについて、です。
実行委
誰が評価したんですか。
環境省
事務局です、IUCNの。
実行委
じゃ伺いますけど、環境省がこの間、ジュゴンと藻場の調査を3年ぐらいされてきた、まとめはお持ちになりましたか。
環境省
まとめ?
実行委
まとめがぼちぼちできてますよね。
環境省
今、印刷中です。
実行委
それもお持ちになったのですか。英訳版で。
環境省
そこは聞かれたりすることはありませんでした。
実行委
聞かれなかったんですか。それで満足というのは、私たちは極めて政治的な働きかけがあったと考えてしまいます。
環境省
いいえ、それについては全くこちらからの働きかけというのはありません。
実行委
でもそういうのを持っていかなかったんですよね。
環境省
ありません。
実行委
調査したっていう環境省の。
環境省
そういう意味では中立的な事務局がそういう判断をくだしているということです。ただ、そこについては色んな見解の相違があって事務局にしろ500件、600件ある、前回何件だかちょっと、数百の単位の、それについていちいち全部やっているというのは、ある意味どこまで実際に評価しているんだと、それについてはこちら側も言いたいことがあって、それについては会場の中でもこちらは事務局のレポートには不満であると言っておりますけど。一応事務局としては、事務局の情報は唯一聞いているのはスポンサー、要するに勧告を出した側の人からの報告を受けてそういう査定をやっているわけですから。
実行委
私は多分日本語版できれいなのはできていないけれども、英語版でそれ用の、3年間の調査の内容をお持ちになったんじゃないかと信じていたんですけれども。
環境省
逆にそこまで聞いてくれればいいんですけれども。事務局としては数百ある勧告を一個一個全部、5、6行のレポートと評価、全部あるわけなんで、そんなに丁寧にはやっていないだろうなという印象は受けていますけれど。
実行委
本来ならば私の願いとしては、環境省が一生懸命3年間懸命に調査した、その英語版をお持ちになって、なおかつ今行っている事前調査の状況も環境省がお持ちになって、IUCNに報告してほしかったですね。
環境省
そういう時間があればいいんですけれども、それこそ1件に10秒もかけないぐらいで審議をしている。まったく手を挙げなければ、はい次はい次と飛ばされてしまう。
実行委
せっかく行くならば、環境省というとっても大事な省があるんだから、そこまでやっていただきたかったですね。
環境省
そこについてこういう調査をやっていますということについては報告はしています。逆にそういう調査をやっているということ、あるいはアセスを始めた、これはちょっとそちら側としては大いに不満があるとは思いますが、こちら側としは一応アセスを始めているということについても事務局のレポートに入っていませんでしたから、それはこういうことはちゃんとやっているということは手を挙げて発言しています。
実行委
ただ事前調査に関してはそこに入れるようにという勧告はでましたよね。
環境省
それはまた今回の勧告についての話ですね。
実行委
それについての見解を、環境省としての見解を、2回目の今回の勧告についての、それについてはっきりさせてください。勧告に対して。
実行委
ちょっと関連して申し上げますけれども、仮訳として流されている、日本委員会からでているのは、日本政府に対する要請のA項ではボーリング調査をアセスに含める、事前調査も環境アセスメントの対象にすることということになっているんで、これは環境省としてはどうされるんですか。
環境省
これはアセス室が答えるべき話ですけれども、実は私も前はアセス室にいましたもので、私のほうから答えさせていただきますと、そこについては環境省としてはそのまま直接対応するというのは困難だと思います。法律上はボーリング調査のような調査については、法律にいう環境アセスメントの対象、環境影響評価、いわゆる環境アセスの対象にはならないという、これは法律で決めている話ですので、そこは動かせないということです。
実行委
国際的な勧告が出ていても。
環境省
それはすみません、環境省も同じ見解です。
実行委
県のほうの環境影響審査会のほうで、ついせんだっても方法書について非常に不備があると、これは我々のほうからもこの間ずっと言ってきたことなんですけれども。方法書について差し戻しということだって考えなければならないんだというふうなことが、審査会の大勢としてあるということが言われていますよね。そこのところが今問題になっているわけですよ。そのことについて環境省のほうでどう考えるんですか。
環境省
そこはいろいろな話があるので、私自身もきちんとわかりやすく整理してお話しできないのが申し訳ないんですけれども、今アセスの審査会で問題にしているのは方法書そのものについて何が一番悪いか、そのあたりについては非常に正直に言えば、どういう飛行機を使うか、そういったところが全然明らかになっていないので、そういったところについては我々としても法的にはそれで悪いとは言えないですけれども、そういったものがきちんとわかるべきであろうと、わかった上で調査をし、準備書の手続きに進んでいくべきであろうと。ただそれが法律に違反しているかというとそれはそうではないです。それは法律の問題で、簡単に右左に動かせる話ではないですから。ただどちらがより好ましいかといえば、当然いろいろな情報がわかった上で予測評価をしていくという方向にあるべきであろうというのが間違いないところだと思います。
実行委
手続き論的に無理だということでしょう。
環境省
差し戻しということですか。差し戻しは手続きにはないので。準備書というか、我々としては、法的に環境省が関与するのは、この埋め立て案件に関しては法的にはまったくないんです。アセスは基本的には方法書、準備書、評価書というふうに進んでいきますけれども、埋め立てと最終廃棄物処分場を除いて、この二つを除けば最終的に環境省の意見というのがでるんですけれども、埋め立てに関してはそういうところがないんです。
実行委
なぜですか。
環境省
そこを話すとまた長くなるので、また個人的にお話ししたいと思いますけど、それはもう法律でそういうふうに決まっている。
実行委
法律上不備があれば、環境アセスメントの精神に立ち戻ってその不備を正すのが環境省の役目じゃないですか。明らかに不備だと思ったら。そう思いませんか。
環境省
今の話はあくまで法律に則ったいわゆる環境アセスの話でですね、このボーリング調査については狭い意味での環境影響評価の対象ではないですので、この法律の外ではどうなのかという話なんですよね。
実行委
そこんところ、ボーリング調査は対象ではないといいますが、どういうものが対象になって、どういうものがならないんですか。
環境省
対象というのはいわゆる工作物の新設、例えば道路とかですね、飛行場とか、そういったものを造る際にアセスメントをやるということになっています。調査そのもの単体についてはそれだけではアセスの対象にはならない。
実行委
現実にボーリング調査をされてジュゴンが来なくなったりして、環境がかわってしまいますよね。
環境省
ですから、ここは自然度の高いところなので、昨年の9月に助言させていただいたとこなんです。実際に作業計画を作って、専門家にもちゃんと環境影響について聞いて、公表してやりなさいということで助言させていただいたんです。
実行委
専門家って誰ですか。
環境省
公表はされていません。
実行委
研究者の間では国際的に専門家というのは名前を明かし、立場を明かし、所属を明かし、引いた文献を明かさなければ専門家とは言えないんですよ、国際的にも。例えば私が専門家ですよと言って、助言しましたですむんですか。
環境省
向こうの専門家からは、名前は公開しないでくれという約束のもとで進めたというふうに聞いています。
実行委
それは専門家がちゃんと文献を引いて書類で出してないからですよね。勝手に防衛施設局が行って、防衛庁だか行って、聞き書きしたという話しですよね。そこはご存知ですか。
環境省
そこは防衛施設庁の担当者が聞きにいったと聞いています。
実行委
だから専門家として名乗れない要因があるんですよね。そういう方を専門家として、環境省は認めるんですか。
環境省
それは先方の専門家が・・・・・、
実行委
だから専門家かどうか、どうやって調べるんですか。
環境省
これについて言えば、非常に四角四面ないい方をすれば、その人が専門家かどうかということを判断する立場にない。変な言い方になってしまいますが、そこはそういわざるを得ない。
実行委
じゃあ環境省は怒ればいいじゃないですか。ばかにするなって。防衛庁に怒ればいいじゃないですか。なぜ怒れないんですか。
環境省
そこについてはどういう経緯があったかはわかりませんが・・・。
環境省
そこはやっぱり、先方の専門家の理解が得られれば公開するのが望ましいと思います。
実行委
環境省の自立性が全然感じられません。
実行委
みなさん環境庁じゃなくて環境省なんですよ。なぜそうなったか考えてください。
実行委
あなたたちの自立性でしょ。自分たちが必要だと思ったらやったらどうですか。
環境省
個人名ですからそこは・・・・・。
実行委
個人名でも公の仕事をしているわけでしょう。
実行委
他の人に替えるべきだということを、むしろ助言すべきではないですか。
実行委
もっと顔の見える仕事をしなさいと言えばいいじゃないですか。
実行委
もう一回名前を公表してくれる専門家にやってもらったら?
実行委
自分の評価にフェアであるという確信を持っていたら、なにも名前を出さないでとか言わなくていいじゃないですか。
環境省
事情はよくわかりませんけれども……
実行委
事情がわからないことが通っていくんですか。
実行委
環境省は事情を掌握すべきでしょう。
環境省
すみません、そこについては役所同士の話として、あくまで環境省がその専門家に意見を聞いて環境省が主体的に意見を聞いているのであれば、こういう事態になれば、そもそもこういう事態になる前に当然我々であればこういう人から聞きましたということは、その先生の了解のもとに公表していくというのが通常だと思いますが、これについてはやっているのは先方なので。
実行委
先方先方と言いますが、どうして環境省がおやりにならないのですか。独自にやればいいじゃないですか。野生生物の担当でしょ、このことで野生生物がどうなるのか、珊瑚がどうなるのか、防衛施設長のほうばかり見ていて、辺野古の海がどうなるかとか、ちっとも考えてないように感じられますけれど今お話伺っていると。
環境省
そう思われてしまうのは大変遺憾なんですけれども。これは単にこっちが言えといっても、正直に申し上げましてどういう話になるかというと、我々が施設庁に対して公表しろといったときに、あなたはどういう権限があってそういうことを訊くので終わりです。もっとダイレクトに環境省の所管に関わることであればちがうんですが。
実行委
所管に関わっているでしょう。
実行委
いまおっしゃったことは事業者が国だからですか。
環境省
いいえ、それは一緒です。どこであろうと一緒です。逆に民間こそ訊けないですよね。国であれば、そんなことを言わずに教えろとある程度押せてもですね・・・。
実行委
じゃあ押してくださいよ。
環境省
そこはある程度押しても。
実行委
環境を守る仕事をあなたたちがやらなければ誰がやるんですか。
環境省
そこについては、これ以上施設庁と話してもきっと埒が明かない。
実行委
やってみなければわからないじゃない。1回も押してないでしょう。
実行委
助言してないでしょう。今年の9月に。去年ですよね。去年と今とでは全然ちがいますよね、状況が。
実行委
現実的に一つの台船の脚でこれだけの被害がでてるわけですよね。これが63箇所やるわけだから、もともといろいろな人たちが主張していたように大変な事態になるとわかってきたんじゃないですか。それについては急遽なにか手を打てないんですか、環境省は。新たな自然破壊じゃないんですか、工事関連じゃないんだったら。
環境省
広い意味での環境評価と法律でいう環境評価は違いますので、そういう意味においては法律に基づく環境評価であれば、環境影響評価法という法律を所管としている省庁としてそのアセスがうまくいっているかどうか、あるいは適切に行われているかどうかということについて、あまりにも法の趣旨から逸脱しているものであれば、適正な執行ということについてきちんと目を光らせていくという必要が当然あって。あとは先ほど言った埋め立てと廃棄物最終処分場を除き、一番最後に環境大臣の意見が出ますから、例えばそういった中に反省点を盛り込むだとか、そういった、その二つの事業以外であれば、ある意味極めて直接的に言えますし、この二つの事業についても法律を逸脱するような話であれば、そこは若干間接的な言い方、法律に基づいた意見じゃ、環境評価法に基づいた意見ではありませんが、間接的に、それなりに助言という形でなにがしかの強制はできると思うんですけれども。
実行委
その場合のあまりにも逸脱したという判断はどういうような基準になるのかと、余りにも逸脱したっていうのを誰が判断するのかという、その判断の基準をどこに置くのですか。
環境省
これこれというように簡単に言えないとは思いますが、基本的にまず第一に当然法律に書いてあること、それから政令に書いてあること、環境省令、こういうふうにやりなさいと書いてあるんですけれども、そういった規則、ここは告示でやっているんですけれども「環境庁」の告示という基本的事項というものがありますので、そういったものに照らし合わせてということになると思います。
実行委
今回の場合にあまりにも逸脱しているのかという判断はなさっているのですか。判断をしようとしているんですか。
実行委
要は結局は、さっきから言っているのは環境アセスメント法の範囲内に入っていないボーリング調査に対して、たとえば監視、それに対する助言、また途中ででも独自に調査する権限が、防衛施設庁を押しのけてやる権限が環境省にはないということを言っているんですか。
環境省
直接的にはありません。
実行委
つまり、やることはできないと。
環境省
実は、そう言う意味では、直接法律の規定に基づく権限だとか、がある意味ないにもかかわらず実は言っているんです。助言だとかいろいろ言っていますけれども、もちろん広く言えば環境省というのはあくまで環境保全に関わることが全て所管だという意味において、他の省庁からすれば何を言っているんだということについて、この辺野古についてはもう一つ別の枠組みがありますから、必ずしも全く根拠がないというわけではないと思いますけれども。ある意味法律以上のことをこれについては言っているわけです。いろいろなボーリング調査に対する助言だとかですね。通常はこんなことを言うことはないんですけれども。その他の唯一の例外が泡瀬になったわけなんですが。そういう意味においては、こういったことについてまで環境省が口を出していくというのは、実はこの案件は例外的にいろいろ言っている話です。
実行委
全然足りませんよ。
実行委
権限はないけどがんばっていると言っているの、今。
実行委
そしたらもっとがんばってください。応援しますから。
実行委
記者会見して防衛施設庁はナンセンスと、ひどいことを言っているとマスコミを通して訴えればいいじゃないですか。存在意義を見せるためにも。
実行委
今回このことが発覚したときに、西防衛施設局長が言ったのは、珊瑚への環境負荷というのはゼロにはできないと言いましたよね。そのことをどう思われます。それを認めます。防衛庁に対して環境省が従属していないとしたら、きちんとした発言を期待したいんですけれど。私はあの西施設局長の発言には腹が立ちましたけれど。環境省としてはどう思われますか。
環境省
おそらくその意味は5%未満のところでやってても珊瑚はありますから、そういう意味で全く影響がないというわけではないという意味だと思います。
実行委
さっき5%といっても全体、トータルで見たら、それを無視できないものであるということは、自然環境に関して見識をもった人であったら無視できないというふうに判断がいくわけですけれども、そういうことを無視した防衛施設局長の記者会見での話しでしたね。それは仕様がないと思われるのですか、環境省の方は。環境省のご担当の方の見解、それについてどうなのか、それについて伺いたいと思います。西さんていう人は、そういう見解で言ったんでしょうね、そのくらいはしょうがないということなんだと思いますよ。ただ、立場は同じだと思いたくないですけどね環境省の方は。
実行委
もう少し今の質問、私も似たような質問で、かみ砕いて言うと、環境省の方は5%未満は仕方がないと思っておられるのですか。それともさっきの話しのずっと流れの中では、そっちのほうかなって思っているんだけど、防衛施設庁がそういうふうに言っているんだから、それをさしおいて止める権限はないと思ってらっしゃるんでしょうか。後者の方のように託して聞いてきたんですけど、今までの話しの中では。権限はないからそれ以上は踏み込めないということなんでしょうか。最初から5%はいいよって思っていらっしゃるんですか。
環境省
権限がないのは確かですけれども、その中でも最大限配慮してやっていただきたいというのが我々の考えです。
実行委
あの、これは置いただけでこうなったんですよ(スパット台船の写真を示して)。そうすると掘削するというのは穴を開けますよね。そうしたらどのようなことがおきるかおわかりになりますか。環境省の方だったら想像がつくでしょう。しかもそれを63箇所。どのように思われますか。置いただけで、足を置いただけでですよ。環境省の職員としてどう思われます、予想でもいいですから。
環境省
ボーリングの穴は10センチくらいですけれども、多分その周りはこういう形で少し砕けるんじゃないかなと。
実行委
少しどころじゃないです。本当にどのようになるか、今想像しただけでもゾッとしません。鳥肌経ちません。そうなってからじゃ遅いんですよ。今それをとめるのはあなたたちの役目じゃないでしょうか。法がというならば、法は人を生かすために、自然を守るために法はあるんじゃないですか。アセスメントの精神ってなんですか、そこに立ち戻ってください。法を超えてなにかできるんじゃないかという知恵を授けてください。NGOと一緒に考えてください。一緒に潜ってください。なぜそれができないんですか。
実行委
これは壊されてからシマッタといっても遅いんですよね。現実にこういうことが起きていると我々がこれだけ言っているのに、あなたがたは腕をこまねいているだけで、権限がないといって見にも行かないわけですね。それはちょっと。
実行委
施設庁は、アセスメントの前に海の中をめちゃめちゃに壊そうとしているんじゃないですか。
実行委
それからアセスメントをやったって意味がないじゃないですか。法律が大事じゃなくて、この海が大事なんじゃないですか。この海を私たちの世代だけじゃなくて、次の世代まで引き継いでいくのが環境省の役目じゃないですか。違いますか。
環境省
そのとおりだと思います。
実行委
そうですよね。そしたら一緒にやってください。知恵を授けてください。応援しますから。NGOは味方ですよ。環境省がほんとうに守ろうとすれば、どんな味方もしますよ。今は違うでしょう。あなたたちは防衛施設局の人たちですか。本当に悲しいですよ。プライベートでもいいから一緒に潜ってください。一緒に行きましょう。議員も涙を浮かべていました。国会議員が私の手を握ってこんなになってるって、みんな泣いていますよ。一緒に泣いてくださいよ、止めてくださいよ。
実行委
この件に関して、環境大臣のほうから特に何か皆さんの現場に対して指示があったんですか。
環境省
この台船の足場につきましては、よく防衛施設庁のほうから報告を聞くようにと話がありました。
実行委
その上で皆さんは防衛施設庁からどの程度の情報を取られているのですか。
環境省
いまそれを、ですから返事を待っているところです。
実行委
それはいつ頃という。
環境省
先週は高波とか、水の濁りがあってよく写真が撮れなかったという話しでしたので、今日もう一回潜ってみるという話でした。
実行委
今日ですか。
実行委
もう潜っているかもしれない。
環境省
一回は潜ったんですが、濁りがあって撮影できなかったという話しでした。
実行委
すでにテレビやあるいは新聞報道でも、2メートル四方の足場を固定する部分が珊瑚を破壊しているということが明らかにされているわけですよね。そういうふうにいつまでも待っていたら逆に破壊がどんどん進んでいってしまうということにならないですか。
実行委
小池大臣は、これはテレビ報道に対してですけど、注意します、アドバイスしますという言質がありますけれども、業務上そこまでするようなことについて言われていますか。
環境省
ですから、何度も言いますけれども、これらの現状の、防衛施設庁のほうでの調査報告を受けてという話だと思います。
実行委
単に受けるだけじゃないということですか。
環境省
ですからそれは、受けてから対応を検討させていただくということになると思います。
実行委
せめてね、いまこういう状態になっていて、無抵抗な反対をしている人たちが暴力行為を受けているのであれば、せめてその調査を防衛庁があげるまで工事をストップするとか、そういう助言はできないんですか。
実行委
いっぱい事実を集めて記者会見をするのがいいんじゃないですか。独自に調査して。
実行委
大臣まかせじゃなくて。本当の環境大臣であれば、彼女が来たときにこれがわかったんです。本当の環境大臣だったら飛んでいって、何があったんですかって訊くんじゃないでしょうか。潜れとは言わなくても、それくらい飛んでくるものだと思います。でも彼女はそうしませんでしたよね。それで事業者にまかせて調査。彼女は、キャンプシュワブに来たときに私は海の上にいました。彼女はゲートの前でおじい、おばあが座り込んでいるときに、歓迎されていると思ったのでしょうか、ニコニコしながら手を振っていかれました。そういう方なんですね。私は海の上から彼女じゃなくて環境省にこの海を守ってくださいって叫びました。慣れないカヌーに乗って必死に叫びました。でもあのとき環境省の職員は一緒にいらっしゃらなかったんですよね。彼女は環境大臣としてではなくて内閣府としていらしたということで。環境省の環境大臣として一度でもきちんと来て、大臣がだめならあなたたちが来てください。プライベートでもいいですから。なんらかの方法を考えてください。
実行委
せっかく皆さんが熱意を込めてお願いしたけれどもはかばかしい返事がなくて、皆さん下をうつむく感じになっていますんで。これは、環境省は防衛施設庁よりも格の上では上だと思うので、あなた方は自信をもってこの自然破壊を止めさせると、いま提案があったように報告がこない状況ならば、いまストップしなさいと、こういう写真を我々は見たと、珊瑚を破壊しているじゃないかと、まずストップと、それで報告を出してこい、あるいは一緒に現場を見に行くということをしてください。あなた方は行って見るべきですよ自分たちで。それで小池さんに、彼女はしっかりアドバイスをすると言ったわけですから、こういうアドバイスをしなさいと案を作ってあなたたちが上げなければ、彼女ひとりでアドバイスするということができるわけじゃないんで、これをしっかりがんばってこの自然を守ってもらいたい。あなたたちの使命である自然を守るということに力を尽くしてもらいたいと、そう思います。
勧告についてもですね、勧告はゼロオプションを含む代替案を検討しなさいとなっているので、そのへんはしっかり出してください。さきほどのあなたの答弁は、法律がこうだから私たちは手が出せませんという話ばかりされてて、非常にじれったいんですよね。法律を生かすために世の中があるんじゃなくて、自然を残して後々の人たちに受け継がせていくという、そのことから法律が必要ならば変えることをあなたがたが発議してやることなんでしょう。
そういうことをまとめのお願いとして申し上げておきます。これから私どもが現地と連絡をとって、何度もお願いにあがると思いますけれども、これは是非真剣に受け止めていただきたい。本当は今日の会談で現地側に環境省はこう言っているよと、すばらしい情報を返してやりたかったんだけれども、どうも今日は皆さんからの返事は私たちを何ら満足させるものではありませんでした。残念です。ひとつ勉強してあなた方の職務を一生懸命務めていただきたい。
実行委
政府が基地建設を止めるって決めればいいことなんだから。あなたたちの意見がそれを決めるひとつの意見になるわけでしょう。国の機関なんだから。
実行委
大きな力を持っているんですよ。NGOと一緒にやれば。プライベートでもいいですから現場にきてください。現場にこないとわからないと思いますよ。書類だけで判断はできませんよ。
実行委
早く動かなければもっと大変なことが起きて、もうどうしようもないことになります。
実行委
あのときの環境省が、ということにならないように是非したいものです。
実行委
あのときの環境省が守ったということになったら本当に歴史に残りますよ。こんな海は他にないですからね。世界でもまれな海だということはご存知だと思います。今度は大浦湾に潜ってください。クマノミが6種類もいます。6種類もいる海はない、本当に豊かな海です。その海を防衛庁は埋めてまた戻すからいいと言った、そのことばを環境省の人はどう思いますか。
環境省
大浦湾ですか。
実行委
そう、戻すからいいって。信じられないでしょう。
だからその生の声をだしてください。環境省の役人として信じられないって言えばいいんですよ。
実行委
世界中で絶滅危惧種がいま1万5000種ですか。ジュゴンもその中に含まれていると思うんですが、単に野生生物がということだけじゃなくて、人間の生活環境を含めてみなさんに努力してほしいと思います。我々人間自身の生存にも影響がでてくることです。
実行委
とにかく今ストップして調査をするという展望が見えないというのは本当に情けないですね。このままどんどん日が経って、取り返しがつかないことになったらと思うとゾッとします。
実行委
この写真だけ持って、ちょっと待てと言えるはずですよ。これ以上穴をあけたら大変なことになるよと環境省として言えるはずでしょう。台船の脚を置いただけでこんななるんだよと。
実行委
脚だけですごい大きさですよね。
実行委
国会議員の人たちが言ってました。この面積だけで言っているけれど、全体の面積だったらどのくらいになるだろうって。そんなことは環境省の人はもうご存知ですよね。知ってて何も言わないんですよね。言ってくださいよ、そう思ったら。権限を越えてでも調査団をだしてください。
実行委
それでは今日は時間をとっていただいてありがとうございました。次回はいい返事が聞けることを期待しています。