防衛庁長官 大野功統様
防衛施設庁長官 山中昭栄様
抗議文
私たちは、怒りをもって抗議する。
沖縄民謡「二見情話」の発祥地、沖縄・辺野古は、沖縄戦を生き延びた人々の安住の地であった。その辺野古で、日本政府と米軍によって新しい海上基地が建設されようとしている。対して、辺野古の住民をはじめとした沖縄の民衆は、連日の阻止行動を展開、ジュゴンの棲む辺野古の海を軍事基地で埋め立てることを止めるために必死の闘いを行っている。
私たちは問いたい。防衛庁・防衛施設局は、誰のために、何のために海上軍事基地を建設しようとしているのか。いま、軍事基地を必要としているのは、米帝・ブッシュ政権と日帝・小泉政権だけである。彼等の目的は、現在、進行しているイラク侵略戦争・イラク占領を維持、拡大することで、中東地域の利権を収奪することである。小泉政権はブッシュの戦争政策に追従し、自衛隊をイラクに派遣、11月にはさらに第4次の追加派兵を準備している。アメリカと日本の「国益」のために、イラクの民衆の命を犠牲にしているのだ。私たちは、これ以上の公然たる人殺しを許さない。人殺しに繋がる一切の策動を許さない。
沖縄の民衆は、長年の米軍支配の体験からイラクで何が行われ、どんな目的で戦争と占領が続いているのか十分承知している。在沖米軍の出撃を目の当たりにして、イラクがいまどんなに悲惨な状態なのかを見抜いている。だからこそ、キャンプ・シュワブを抱える辺野古では、必死の基地建設阻止行動が闘われているのである。しかも、辺野古の海は、地元住民にとって生活の糧であり、海辺の環境の多くをヤマト資本の開発で失った沖縄では、貴重な自然海岸である。地域の共有財産であるこの海をこれ以上破壊することは許されない。
沖縄に対するヤマト政府・資本のあらゆる意味での侵略行為はもう止めるべきである。戦前戦後を通じて、日本政府の沖縄に対する扱いは、一言でいって差別政策であった。
沖縄ではまたも米軍属による性暴力事件が発生した。沖国大ヘリ墜落事件の直後の8月22日に起こったこの犯罪が、いまになって発表されるということにも私たちは政治工作を疑わざるを得ない。連日の事件・事故、米軍基地があり、日米同盟があるが故の沖縄の現実は、私たちを含めたヤマト全体の責任であることを私たちは、あらためて実感する。だからこそ、その責務において、私たちはこの東京で、日帝・小泉政権に対して、満腔の怒りを込めて弾劾するものである。以下、抗議し要求する。
一、 沖縄・辺野古のボーリング調査を直ちに中止せよ。
一、 辺野古への代替移設を中止し、すべての米軍基地を即時撤去せよ。
一、 日米安保を解消し、自衛隊のイラク派兵を中止せよ。
2004年10月18日
沖縄文化講座