ボーリング調査を即時中止し、辺野古の新米軍基地建設の撤回を求める

抗議申し入れ書

防衛庁長官   大野功統 様
防衛施設庁長官 山中昭栄 様

 防衛施設庁は、9月9日以来辺野古におけるボウリング調査を、地元のオジーオバーを始め沖縄の人々の反対の声を無視して強行しています。特に、辺野古の人々の海上での抗議に、防衛施設庁の職員は、業者をして罵声を浴びさせ、漁民の生活やダイバーの命を危険にさらし、それを盾に調査を強行しています。こうした人命をも省みない卑劣なやり方でボ—リング調査を強行していることに強く抗議します。

 防衛施設庁は、ボーリング調査を阻止しようという人々の怒りと力の前に、陸上からの調査着手は断念しましたが、姑息にも海上から調査を開始しました。そして「特段の遅滞はない」とあたかも調査が進行しているかのように強弁し、既成事実を積み上げ、反対する人々の諦めを作り出そうとしています。しかし、「抗議船との衝突を避けることは配慮せざるを得ない。多少の遅延はやむを得ない」として、作業手順を変更したことを明かにしています。辺野古の人々の抗議行動が、確実にボーリング調査の強行を阻んでいることは明かです。

 調査の強行は、沖縄国際大学での米軍ヘリ墜落事件で普天間基地の即時閉鎖・返還を要求する声が大きく広がり、代替施設建設の早期着工を迫られた小泉政権があわてて決断したためです。力で持って強行し、調査が進めば、反対運動は諦めてつぶれると思ってのことだが、しかし私たちは、辺野古の人々と共に、闘いを全国に広げ、調査が続く限り決してあきらめないで、闘い続けるつもりです。調査の開始はこれから長い闘いの始まりです。これから先、防衛施設庁には長い調査の終了と工事完成にどのような展望もありません。防衛施設庁の方こそ調査を中止し、新基地建設を断念すべきです。、

 先日、小泉首相は、沖縄の負担を軽減するために「米軍基地の国内移転、国外移転はあると思う」と発言しました。しかし普天間基地については「SACO合意に沿って粛々と移転を目指す」とあくまで、辺野古に新しい米軍基地の建設を強行するすることを明らかにしました。しかし、なぜSACO合意に固執し、安保を盾に沖縄の中だけに基地をたらい回しにし、辺野古に基地を押し付けようとするのですか。既に5年から7年の間に代替施設を建設し普天間基地を返還するすというSACO合意は完全に破綻しています。それは、何よりも、過半数以上が辺野古への移転に反対するという名護市の住民投票や、8割以上が普天間基地即時返還、辺野古移転反対という、今度の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故後の世論調査に示される、沖縄の人々の戦争のための基地は要らないという意思に反しているからです。SACO合意にこだわり、あくまで辺野古への移設にこだわることは、誤りをより大きくするだけです。また国内移転も基地反対の声を全国に広げるだけです。アメリカ自身でさえ、歓迎されないところに基地はおかないといっています。もはや、沖縄・日本の中に米軍基地を歓迎するところはありません。速やかに米軍は撤退すべきです。

 沖縄では、訓練中に接触事故を起したF15戦闘機が機体を破損したまま嘉手納基地に着陸したり、事故を起した同型機が普天間基地で飛行を再開し、しかも事故の原因が整備のミスであることが明らかになったりするなど、人々の安心した暮らしや基地の撤去の願いに反することがこの間も頻繁に起きています。

 私たちは、このような平和な暮らしと基地撤去の願いに反することを決して許さず、世界的な米軍再編の中で朝鮮半島の緊張を高める辺野古への新米軍基地の建設を見とめることはできません。

 このような点からボーリング調査の即時中止と、新米軍基地建設計画の撤回を強く要求します。

2004年10月11日

日韓民衆連帯全国ネットワーク
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