緊急共同申し入れの際の防衛施設庁とのやりとり


施設庁
 よろしいですか。命どうネットワーク他の団体の方から要請があるということで、始めたいと思います。

実行委
 正式には命どう宝ネットワークを含めて25団体で構成している実行委員会、辺野古のボーリング調査をやめさせよう、海上基地建設に反対するという趣旨の実行委員会でやっているもので。今日は代表でまいりましたが、最初にあらかじめ質問事項をそちらの方に出しているということで、質問事項等を事前にチェックしてあるはずなので、そのことについての回答をまずいただきたいと思いますが、その前にとりあえず自己紹介、私は○○といいますけど。

施設庁
 私は普天間対策本部の調整室補佐をやっております伊藤と申します。上狛、私と同じく補佐です。それから黒田補佐です。それから西倉、それから角田係長、山本係長です。

実行委
 私は○○です。こちらが(以下、実行委側の紹介 略)……、以上10名になります。

 非常に限定された時間と伺っていますので、まずそちらの方から質問事項に対する回答を簡潔にいただいて、その上でこちらのほうとして、緊急共同声明を持ってきていますので、提出をしたり、質疑をお願いしたいと思います。

 ここから始まるということでよろしいですよね。

施設庁
 事前に頂いておりました何項目かございますんで、それにつきまして説明したいと思います。

 (1)ということで「ボーリング調査再開についていつどこで決済をされたのか」ということでございます。ボーリング調査につきましては、防衛庁、防衛施設庁、いわゆる政府といたしましては、市街地に所在する普天間飛行場の一日も早い移設返還をめざしておりまして、平成11年閣議決定などに基づきまして、ボーリング調査につきましてもすみやかに実施していきたいと考えていたわけでございます。で、ボーリング調査につきましては、那覇防衛施設局におきまして、辺野古漁協への座り込みが4月以降継続してる状況の中で、現地での作業を安全に実施する具体的な方策を検討して、その実施準備を進めてきたわけでございます。今般、気象状況やその他もろもろの現地の具体的な状況を見極めまして、9月9日から開始さしていただいたところでございます。

 それから2番目ですが、「調査船はどこから出港するのか」というご質問でございますが、調査船につきましては、ボーリング調査を円滑にすみやかに、円滑かつ混乱を招かないように実施をしたいとの考えのもとに、気象条件とか、そういったものの状況を見極めて対応するということをしてございます。

 それから、「今後の実施予定についてどうなっているのか」という趣旨のご質問でございますが、今後どうなるのかというのは天候次第、あるいは現地の状況を見て変わってくるかと思うんですが、我々といたしましては、最終的にはボーリング調査、63箇所でございます、それから海象調査、これはあの穴を開けるわけではございませんで、調査のための機器を設置するというものでございますけど、これを速やかに実施さしていただきたいというふうに考えてございます。

 それから(2)でございますが、「ボーリング調査の中止ということで、誰が決済責任者になるのか」ということでございますけど、普天間の移設返還につきましては、色々と地元の沖縄県、名護市、さらには関係市町村等々と色々の場で議論してまいった経緯がございます。例示的に申し上げれば、平成11年県知事によります移設工事の表明、名護市長の受け入れ表明、これをふまえて11年末でございますけど、閣議決定を受けまして政府方針というのを決定いたしました。その後平成12年でございますけど、閣議決定には基本計画を作ると、そういう条項がございます。そのために平成12年8月に代替施設協議会というのが設置されました。これは、ご案内だと思うんですけど、政府側としては関係閣僚、防衛庁長官、外務大臣、国土交通大臣、もちろん沖縄担当大臣、それから地元沖縄県側といたしましては、知事、名護市長、周辺の市町村の首長さん、という方々がメンバーとなりまして、協議会が設置されて、平成14年7月までに約2年間、9回にわたりましてさまざまな会議が積み重なりまして、地元の県知事さんをはじめとする意向を十分に踏まえまして、14年7月に基本計画が決定されたわけです。政府と致しましては、先ほど言いました11年の政府方針、14年の基本計画に従いまして辺野古沖に代替施設を建設するということが普天間飛行場を返還するための最も現実的で確実な道というふうに考えておりまして、現段階でボーリング調査というものを中止する考えはございません。

 以上がご質問に対するご回答です。

実行委
 どうもありがとうございました。ほぼ予想されるような内容で、この間2度ぐらい外務省やこちらへ来た時の内容が繰り返されている形なんですね。それは今から5年前、もしくは9年前、過去の状況の中から、今そちらの方が話しをしているわけですけど、少なくとも普天間全面返還等問題対策本部総合調整室というところで皆さんずっと働いていらっしゃるわけですよね、何年間になりますか、それは。8年ですか、7年。

施設庁
 設置されましたのは平成8年に組織が立ち上がりました。組織改編ということで中にはかわったことはありましたが、基本的には平成8年です。

実行委
 いずれにしても、普天間全面返還というのがあなたがたの主な任務なわけですよね。何故かといえば、宜野湾にある普天間基地が非常に危険であるということの合意のもとに、政府が速やかにそれをやるということをこの間8年間やっていく中で、状況が変わったという認識はないんですか。例えば昨日の宜野湾市における集会、3万人の市民が普天間即時返還を求め、SACO合意を見直して名護への移設を止めろという集会に対してあなたたちはどういうふうに考えていますか。

施設庁
 これに関しましては、普天間飛行場を返還するというのが、我々の最大の最終的な目的、目標でございます。そのためには、どうしたらいいのかということで、政府としての方針としましては、市街地にある飛行場の一日も早くの移設返還というのがもうこれは……。

実行委
 緊急の課題であると。この間の事故、8月13日の事故以降、すでに一月以上経っているんですよ。その間に皆さん方は検討を、具体的なものを、現実的かつ確実に、すみやかにやるための対策というのはどういうふうに取られたんですか。逆にボーリング調査をやるってことで、これから10年近い間工事をするということで、その期間は普天間基地をもしかしたらほったらかしにするんじゃないかという危機感が、昨日の宜野湾の人たちの集会ですよ。アメリカが海外基地の見直しをするというこういう時期に、宜野湾市長も含めてアメリカとも直接交渉をしながら、即時普天間基地を閉鎖しろと、日本の政府やあなたたちが言うことによって、アメリカ政府が動く可能性があるでしょう。そういういう認識は持ってないですか。

施設庁
 そこは防衛施設庁という立場からお答えするのが適当かどうかというのがありますけど。

実行委
 普天間全面返還等に対する問題対策本部の総合調整室のあなた達責任者でしょう。何よりも真っ先にそのことをやることが今におけるというか、8月13日以降、緊急にあなた達のやるべきことじゃなかったんですか。

施設庁
 我々としましては、繰り返しになりますけど……。

実行委
 繰り返しだったらいいです。ちょっと他の人も言いたいことがあると思うんで。

実行委
 普天間の返還は15年後にやるっていうわけ。今の方針は。

施設庁
 15年というか、その年数については具体的に15年とかは、ないですけど……。それまでの間というのは、しかるべき地元、県ないし、米軍それから政府側というところの話し合いというのは開始されつつあるというふうに……。

実行委
 そこがポイントでしょう。アメリカの軍隊が再編をやろうとしているときに、なによりもそこを最初にやるべきであって、なんでこの時期にボーリング調査、建設の準備を進めるんですか。地元も反対しているんですよ。沖縄全体の世論調査をあなたは知っているでしょう、今、90パーセント以上反対しているんですよ、SACO合意だとか普天間の辺野古への移設に。とても待っていられないと。今の時期やるべきことは、いまあなたがいみじくもおっしゃったように、移設先として、沖縄県内の米軍基地かもわからない、アメリカ、あるいは日本本土の米軍基地かもわからない、グアムもハワイもあるじゃないですか。ということを真っ先にやるべきじゃないですか。

実行委
 普天間対策室は事故現場を見に行ったんですか。

施設庁
 直接わたしどもは見に行っておりません。

実行委
 なんで行かないんですか。

実行委
 それはちょっとひどいんじゃないの、小泉もひどいけど。

施設庁
 われわれといたしましては、われわれの長としての然るべき者が行っております。

実行委
 われわれの長とは。

施設庁
 施設庁次長、施設庁でいえば施設庁次長がその日のうちに、嘉数政務官もその日のうちに到着しております。

実行委
 合同調査は行われていないんですか、その後調査は行われていないんですか。

施設庁
 そこはわたしどもが司(つかさ)するところではございませんので。

実行委
 普天間全面返還のために防衛施設庁さんがどのような動きをしているか、私たちに見せてほしいんです。まずすぐに。それを、ボーリング調査でごまかしてほしくない。本当にできるだけ早く返還する手だてを防衛施設庁が取っているということを示してほしいんです。

 この間も横田のそばの人から便りをもらったんだけど、ヘルメットが落ちてきたと。ヘルメット、上空から落ちたらものすごい衝撃力なんですよね。ましてやそういう危険に日々さらされている普天間の人たちの気持ちを、横田のそばに住んですごく良くわかったって。本当にすぐ返してほしい。それ一点で行動してもらえませんか。ボーリング調査はゆっくり、とにかく世界中の人たちがジュゴンのためにそこを残すという論議をしているじゃないですか。急ぐ事じゃないですよね。とにかく普天間の返還に、一点に絞って交渉して欲しいと思うんです。

実行委
 問題のすり替えですよね。辺野古沖のボーリング調査をしようとしている、あの調査船を出したということは。違いますか。何で今、ああいうボーリング調査をしようとするんですか。

実行委
 ボーリング調査が始まるというその日には、500人の人がそこの海岸につめかけて座り込みをしているわけです。500人が集まって、それで自分たちの仕事とか投げ出して座り込みにきているわけです。ラムズフェルド氏もアメリカで、こちらの基地を、普天間基地を見て、「こんなに危険なところだと事故が起こるのは当たり前だ」と言ったと。それから「歓迎されない所には基地を作らない」というふうにラムズフェルド氏も言っているわけですよ。そしたら、何故そのことを考えて日本の防衛施設庁が行動しないのかということは、非常に不思議に思うんですが、ラムズフェルド発言に関してはいかがでしょうか。

施設庁
 ラムズフェルド長官の発言というのが、私は実は直接聞いたわけでもないんで、新聞報道しかわかりませんが、そのようなことを本当に言ったのかどうかということは、私はわかりません。

実行委
 新聞報道は嘘かね、そうすると。

施設庁
 それは何とも言えません。

実行委
 事実確認とかしないんですか。

施設庁
 それは外務省さんがやっているかと思うんですけど。少なくともわたしどもとしては、その正確な発言というんですか、そういったものがどういったものだったのか、それについてはちょっと承知しておりません。

実行委
 重大なことじゃあないですか。

実行委
 アメリカの方針と日本政府の方針とがそこですれ違ってしまうと、せっかくボーリング調査をしてですよ、仮に新しい空港を作ると、それができる頃には既にアメリカの戦略上必要ないというような、空港ができてしまうかも知れないわけですよ。行政的に非常に大きな問題になるんじゃないですか。

施設庁
 そこは、その、先ほど申し述べられたように、トランスフォーメイションとされているのは、承知していない。その中で、代替なり、返還であるとか、そうしたものが新聞で載っておりますけど、それについては、そういった飛行場の今の計画以外の代替案というものが米側から示されたという事実はないということです。

実行委
 僕なんかが言っているのは、あなたたちが普天間全面返還について責任を負う部署で働いているわけだから、そういう可能性をもつような情報が入ったときに、それに対して逆にこちらから提案することができなかったのかということです。する気がないのかということ。全部受け身なんですか。アメリカ側の言うことに。

施設庁
 それはですね、お役所仕事と言われてもしょうがないと思うんですけど、それなりの司司(つかさつかさ)の役所がございます。そういった外交上の話しというものにつきましては、外務省さんの司(つかさ)というふうに思っております。

実行委
 それはわかるんですが、形式的におっしゃれば、今われわれが申し上げていることは、そういうふうな発言がちまたで報道されていて、一方でそのトランスフォーメイションの問題もあると、そういう時に防衛施設庁のほうは外務省さんのほうと協議をなさって、あるいは皆さんよりもっと上のレベルのその方たちに判断を仰ぐと、そういうようなことをしなければ円滑な行政というのはできないんじゃないですか。

施設庁
 繰り返しになりますけど……。

実行委
 繰り返しはいいです。時間がもったいない、繰り返しじゃないことを言ってください。

施設庁
 私の答えを遮られるんであれば……。

実行委
 繰り返しと言ったから、繰り返しの時間になっています。新しい観点で応えるんであればいいけど

実行委
 説明してもらえばいい。

施設庁
 先ほど言いましたけれども、政府としましては、平成11年の政府の方針、これは閣議決定でございますが、平成14年の基本計画、こういった今の計画に沿った形で、進めるというのが政府の方針で……。

実行委
 情勢が変わっても何年も前の方針でいくという日本政府の、そういう踏襲性というか、責任を取らないことが今も起きているんですよ。公共事業だってなんでもそうなんだけど、昔決めた基本計画、30年前の基本計画に沿って今もやる、それは是非止めてもらいたいということがあるんだけど。その前にもう一つ違う観点なんですが、4月19日に那覇の防衛施設局が暁の襲撃じゃないけど、9時にやると言っておきながら5時半頃に行ったというのはご存じですか。それも新聞報道でしか知らないですか。マスコミ関係には、新聞社関係には9時からボーリング調査を開始しますという記者会見をしておきながら5時半から100名200名ぐらいの作業員を含めて一緒にですね、真っ暗なうちから工事を再開しようとしたことはご存じですよね。

施設庁
 再開ですか。

実行委
 工事を開始しようとしたことを。

施設庁
 それは考えの違いだと思うんですけど。私が承知している範囲では、現場にですね、物を、資材を置くためのスペースを作るというところから始まっていると思うんですよ。

実行委
 わかりました。それで、その時に反対をしている住民の、私たちの先輩やいろんな友人たち、年寄りの人たちが、それをストップさせましたね、作業ヤードの設置を。途中で。その時に混乱状態があって、小泉首相は何て言ったか覚えていますか。

施設庁
 それは覚えています。

実行委
 覚えていますか。ということは、今度の工事を再開するに当たって、ボーリング調査を、その小泉首相が言ってある程度ボーリング調査が止まっていた、何とか地元を説得しなさいと、地元の合意の元に、先ほどあなたも言ったけど、混乱のないようにけが人が出ないようにということでずっときたわけですよここまで。140、今日で6日か7日かわからないけど。それを9月9日に再開をするということの根拠は、小泉首相がやれと言ったんですか。地元の合意を得た。

施設庁
 いや、それは現場の判断です。

実行委
 現場の判断と言うけど、小泉首相が4月19日の混乱を受けて、地元の合意を得るように努力してもらいたいと言ったでしょう。努力したんですか。結果があったんですか。

実行委
 何か状況が変わったので再開したの。

施設庁
 われわれとしましては、座り込みされている方々に対しまして、週何度となく現場に出向きまして色々ご説明さしていただいたということでございます。で、更に、先日でございますけど……。

実行委
 久志町に限って200名でしょう。住民説明会でしょ。

施設庁 
 懇切丁寧に説明するというところの観点から行ったと、いうことで地元の方々のご理解をいただくというような……。

実行委
 全然ご理解いただいていませんよ。

実行委
 その結果はどうだったんですか。どういうふうに皆様のご理解を得たと判断してやったんですか。言っておきますけど、新聞社、沖縄の世論調査の中では変わっているんですよ、あなたが言った平成11年というか、1999年、20世紀と21世紀と時代が変わっているでしょう、もっと基地に対する問題、テロやいろんなことでアメリカがどんどん戦争をしていく中で沖縄の住民意識は変わっているんですよ、その時とは。今度選挙をやったら稲嶺は落ちるんですよ確実に。さっきあなたがおっしゃった名護市長だって健康を害して、自分の良心と現実のはざまの中で健康を害してもうすぐ辞任するんですよ、あの人。そんな過去の合意があったということで。

 状況が変わったということについて、少なくとも時代が変わっている中で、行政としてのやるべきことをシフトする、変えていくそういう柔軟性ということに対するアクセスはないんですか。

実行委
 SACOの返還期限なんてとっくにすぎているでしょう。ヘリコプターの事故だって起こるべくして起きたんじゃないの。一坪反戦地主会で何度も来ているけれども、何回も言ってきたよ。そしたらあなた方はSACOで8年間前合意して決まったからそれでやりますって言った。してないじゃないか。われわれに言ったことと全然違う。状況もまるっきり違うでしょ。

実行委
 なさけなくないですか。自分たちの仕事に対して。

実行委
 普天間の人々が大変危険にさらされているということは防衛施設庁も認めてますよね、同じことを名護の人たちも危険にさらされることはいやだと言っているんです。同じ危険なんですよね。

実行委
 部品を落としたり、ヘリが不時着したり……。

実行委
 私が別のことで交渉したときも、何度もそういうことは聞いているんです。だったらなんで……。

施設庁
 時間になりましたんで。

実行委
 ちょっと待ってよ。私たちは主権者ですよ。
 
 
 緊急共同申入提出
 
実行委 
 先週から今週にかけて一週間足らずの間ですが、緊急行動申し入れということで、辺野古のボーリング調査の即時中止を求めますという署名を行いました。そして、集まりましたのが、団体としては130団体、個人としては1447名が集まりました。全国から、それから海外からも反対する声が届いています。ボーリング調査の中止に関してはアメリカの環境保護団体を中心として400以上の団体も反対しているというふうに新聞にも出ています。是非防衛施設庁長官に渡してください。

実行委
 行政の立場として、そういう変わっている世論を受け止めて、政策を変えるという柔軟性が必要だということですよ。中途半端で100何日も、しかも8年3629日ずっと戦い続けて、70代、80代、90代のお年寄りたちが、147日も毎日座り込んでいないですよ半端な気持ちでは。

実行委
 皆さんはできますか。

実行委
 それを受け止めてもらわないと。

実行委
 座り込みを強制的に排除するという考えはお持ちじゃないですよね、今のところ。機動隊を導入して排除するというようなことはしないですよね。

施設庁
 そことは言えないことだと思うんですけど、あらかじめ予断を持って何をしないかにをしない、こういったことはしないということはあり得ないことだと思うんですけど、でき得ればそういうことが、事態がないようなことを祈っているところです。