From: "辺野古命を守る会" <henoko@f5.dion.ne.jp>
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Date: Thu, 27 Jan 2005 20:01:50 +0900
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Subject: [keystone 10243] 阻止行動日誌282日目。富田晋。
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1月26日(水)
・防衛施設局による違法な強行調査に対して阻止行動を行いました。

今日の海は昨日に比べて波が穏やかでした。
満月で大潮です。出航する時間帯に海はとても引いていました。
午前9時、辺野古漁港より作業船が出航。大型船3隻と小型船8隻。

私は昨日と同じく第四のヤグラを守っていました。
・第一のヤグラでは「写真を撮らせてほしい」とのことでパシィフィックがヤグラの
周りで写真撮影を行なっていました。

・第二ではヤグラのはしごになっている鉄パイプ2本を撤去しました。
その他、「腐りかけている鉄パイプ2本を取り替えさせてほしい」とサンコーコンサ
ルタントの作業員が言ってきて現場は強行もありえると緊張。
国頭から来られている海人が作業責任者を自分の漁船に昇らせて話しをしました。
「この海は自分の一部だと思っている。だから僕は誰よりもこの海を愛している。誰
よりも基地建設を止めることに燃えている。自分の命がとられてもこの海が守られれ
ばそれで良いと思うほどだ。」と語り掛けました。
作業員は強行はせずに引き上げていきました。

・第三では午前中何もなかったのですが、ごごになってからパシィフィックが動き、
作業船に足場板とワイヤーを積んでいました。
作業員も多数乗っていたため緊張が高まります。
第一のヤグラを守っていたメンバーが第三に駆けつけ合計4隻の阻止船で阻止行動に
入りました。
多数の人たちがヤグラの上で座りこみをしていたため作業船は近くでアンカーを降ろ
したものの近寄ることは出来ず、しばらくの待機の後に引き上げていきました。

・第四では午前中に防衛施設局員と作業責任者が交渉に訪れ、第二と同じく「はしご
の部分は船にあたると危険なので撤去させていただきたい。」とのこと。
「午後には検討して答えょを出すのでそれまで待って欲しい。」と私。
このヤグラが少しでもなくなる方向に向かうのであれば良しとして鉄筋二本の撤去を
認めました。
午後は何事もありませんでした。

今日も全てのヤグラにおいて完全にくい打ちを阻止しています。

今日、帰ってくると大分県でも海の埋め立てに反対して漁民が立ち上がり作業船を止
めていました。作業台船を止めに入る漁船を見ていて「あれ?これ辺野古じゃない
?」と錯覚するほどでした。
この国の理不尽に対する怒りは各地で巻き起こっていることを実感させます。

都市型訓練施設建設反対のために立ち上がった金武町伊芸区の人たちの阻止行動も連
日午前5時30分頃からキャンプハンセンのゲート前で行なわれています。
建設が進んでいるものの、「電気工事の際には実力で止めに入る」として伊芸区の人
たちは絶対にあきらめない覚悟で立ち上がっています。
「この工事を止めたら伊芸区が金を払ってくれるのか!」といった作業員達との口論
もあったようです。辺野古でもそのようなことは何度もありました。
伊芸区民は「作業員が仕事で来ているのは知っているが私達は命がかかっている絶対
にひけない。」と取材に答えていました。

作業を止めることが仕事を止めさせるためだと言うような理屈は政府が作業員と反対
する人々を対峙させるために使う上等手段です。実際はこのような仕事しかよこさな
い差別的な政策を行なっているこの政府のあり方に問題があります。反対し阻止する
ことは人々の正当な権利です。
そしてこの辺野古の闘いも伊芸区の闘いも自分がやりたいと思った仕事につけれるよ
うな国に変えるための行動でもあります。
諸問題の責任を業者にすり替え、住民同士を対峙させる。戦争と同じです。対峙すれ
ば当然不信感や不安感は募る。しかし、辺野古で海上に出ている人達が命を懸けて作
業員や施設局員に向き合うのはそれを乗り越え、共に生きる場所を作るためです。
人々が歴史の中でなぜ労働組合というものを作ったのか。自分達の共に生きる場所、
生活の場をよりよくし、それを許さないような理不尽な社会であれば変えるためにで
す。
人の命を奪うための工事を誰よりも憎み行動するのは人が今の世界の中で人間性を取
り戻すために行動するべきだと考えるからです。