From: "辺野古命を守る会" <henoko@f5.dion.ne.jp>
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Date: Wed, 19 Jan 2005 16:38:05 +0900
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Subject: [keystone 10210] 阻止行動日誌275日目。「大野防衛庁長官が辺野古視察。クルド難民を日本政府がトルコに強制送還。」富田晋。
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1月18日(火)
・防衛施設局による違法な強行調査に対して阻止行動を行いました。

午前6時30分、作業台船が来るか否かの状況の中で緊迫した朝を迎えています。
午前の時点では「作業台船に動きなし」と連絡が入りました。
座り込みをする人たちを阻止船で4つのヤグラに連れて海上での座り込みが始まりま
す。
防衛庁大野長官が辺野古を視察するということもあり、防衛施設局の動きはいつもよ
りも鈍いものを感じました。
午前9時、辺野古漁港より作業船が出航。大型船4隻、小型船9隻。

作業船、大型船4隻は外洋でブイの設置作業をしているようでした。
リーフ内では小型船9隻はリーフ内で動きまわっていましたが、パシィフィックコン
サルタントが乗った小型船4隻は外洋に出て大型船のサポートをするようでした。
サンコーコンサルタントを乗せた小型船4隻は第二、第四を回り、作業船に乗った防
衛施設局から「作業をさせて欲しい」と申し出がありますが拒否します。
4つのヤグラには各4隻の阻止船が張り付き作業をさせない状況を作り出していま
す。

今日、第四で防衛施設局は「安全灯の確認」だけをして引き上げていきました。
第二では「クランプ(パイプをつなげる機材)の付け直し」を要求してきましたが、
ボーリング調査に関わる作業は拒否することのもとで阻止しています。
午後4時作業船が海上から引き上げたのを確認し、私たちも引き上げました。
今日は比較的暖かく海の上の緊張を少し和らげてくれていました。
リーフ内での作業を完全に阻止しました!!

作業台船を追い返し、リーフ内での作業を完全に止めるという状況を辺野古海上では
作り出しています。2005年の初めを私たちは完全な勝利を飾っています。

午後5時防衛庁長官が自衛隊のヘリを使ってキャンプシュワブに降り、辺野古を視察
に訪れました。
那覇から名護までたったの1時間しかかからない距離をわざわざ自衛隊のヘリを使っ
て視察する行為は本当に許せません。ブッシュがイラク攻撃の終りを宣言するために
空母に戦闘機を使って降りたのと同じぐらいに許せない行為です。
ヘリ基地反対協がキャンプシュワブ前で抗議集会を開き、70名ほどの人たちが集ま
りました。
自衛隊のヘリが辺野古海上の視察に訪れるのを目の当たりにすることがこの基地建設
が日米政府による共同のものなのだということを認識させます。
私たちが海上からヘロヘロになりながら帰ってきておなかすいたなぁなんて思ってい
ると防衛庁長官は自衛隊のヘリを使ってキャンプシュワブに降り立ち私たちの声さえ
聞かずにブセナリゾートホテルで良い飯を食べる。それだけでも差別です。
ニュースでは「辺野古視察の後でヘリ墜落事故現場の視察をする」とありました。何
をするために視察しているのでしょうか。沖縄を売り渡す相談でもしにきたとしかい
いようがありません。憤りを感じます。
集会では参加者から怒りの訴えが続きました。
「私たちはこの海を守るために行動を続けます。防衛庁長官は今すぐに沖縄からいな
くなって下さい。」
「沖縄はあなたを歓迎しません。沖縄の海をつぶすためにきたあなたを。私たちは大
野防衛庁長官が大嫌いだーーーーーーーーーー!!!!!!!怒怒」
大野防衛庁長官は私たちに笑顔で手を振っていましたが、私たちの怒りの声を聞いて
顔が引きつっていました。


辺野古で一緒にがんばっている女性は東京でクルド難民の難民認定問題に関わってい
た人です。
この間にクルド難民の2家族は日本政府に難民認定を求めていましたが、入管法の中
では難民認定が困難と判断し、国連にほごを求め、抗議の座り込みを国連大学ビル前
で行っていました。
座り込みを機動隊によって強制排除されそうになり、クルド難民の男性はガソリンを
かぶって抗議の自殺まで試みました。まさに日本の難民認定問題は彼を決死の覚悟で
抗議させるまで追い詰めていました。
その後、1家族に対し、国連は国連独自の難民認定(マンデート)をしました。
しかし、17日の午前11時クルド難民の男性とその長男が入管管理局に仮放免を申
請に出頭したところを不当にも日本政府は彼ら2人を強制収容し、強制送還を行っ
た。

2人がクルドに送り戻されるということはトルコ政府に彼らの生命を売り渡し、命を
危険にさらすことに他ならない。拷問や処刑があってもおかしくはない。
クルド人という迫害され、差別されている民族を日本政府は受けいれないという恥じ
るべき前提を作りました。この国のあり方そのものが問われる問題です。
クルドの難民の家族は
「日本人を嫌いになりたくはない。しかし、どうやってこのシステムを認めろという
のか!!こんな日本のシステムが人を幸せにするということはない!!」と怒りの会見を
行っています。
強制送還された長男は20歳、私と同い年です。日本に来て数年の間に日本語を覚え
必死になって難民認定を訴え続けていました。
残された家族には16歳の女性もいます。

こんなことは絶対に許さない。
日本には共に生活し生きているたくさんの在日の人たちがいます。日本政府はその人
たちの全てを対象にクルド難民の家族を見せしめにしている。
私たちが守るべき存在はとても身近に存在しています。
彼らを殺させるわけにはいかない!!入管法の問題を含め、この国が行った最悪の行為
に対して声を上げていく必要性を強く感じます。追求していく必要性を強く感じま
す。

クルド人難民二家族を支援する会HP
http://homepage3.nifty.com/kds/

辺野古の基地建設問題、沖縄に対する日本政府の差別的な政策は今回の出来事と根っ
こに同じものがあります。戦争への道を切り開くということ。戦争は人を差別すると
ころから始まります。
今回のことを絶対に許さない姿勢を全国から示していく必要があります。基地建設を
止めるという問題と同等にクルド民族の命は大事なものです。負けられない闘いがそ
こにもある。