ジョージ・W・ブッシュ米大統領様
抗議と要求
2005年7月13日
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
代表・上原成信
沖縄県警は去る7月3日午前、小学校5年の女児の胸を触ったとして、強制わいせつの疑いで、米軍嘉手納基地所属の米兵を逮捕しました。
私たちは在沖米軍の兵士によってまたもや繰り返された性犯罪に全身を突き抜ける怒りをもって米国政府とその最高責任者であるあなたに抗議します。沖縄が米軍に占領されてから沖縄住民に対する米軍関係者による犯罪は無数に繰り返され、その事態は1972年、沖縄の施政権が日本に返還されたあとも少しも変わりませんでした。防衛施設庁の資料によると、米軍が日本で起こした事件事故件数は1972年度から2004年度までの33年間で4万2416件に上り、その60%が沖縄で引き起こされているのです。
1995年9月4日に起きた3人の米海兵隊兵士による少女レイプ事件に沖縄住民の怒りが爆発したことをあなたはご存じですか。米軍兵士や軍属による犯罪はその後も続いています。
米軍関係者による犯罪が繰り返される度、在沖米軍の最高責任者は「謝罪」を口にし綱紀粛正を「約束」してきました。しかしその「謝罪」や「約束」はその後米兵が起こしたさらなる犯罪によってまったくの偽りであり、無意味であることが明らかになっています。「謝罪」はいつも口先だけのものでした。綱紀粛正の「約束」はいとも簡単に反故(ほご)にされてきました。
貴国大使館のメア安全保障課長は、抗議の国会議員に対し、この事件は「軍隊ではなく、個人の問題」「一般社会でも起こり得る」と発言したと伝えられています。さらに、在沖米軍のブラックマン四軍調整官は、沖縄等米軍基地問題議員懇談会のメンバーに対し、普天間飛行場や嘉手納基地について「何もない場所に空港を造ったのに、その周囲に人が集まってきた」と、歴史的事実をまったく無視した発言をしているのです。こういう無知な司令官に率いられる軍隊は他国に駐留する資格はありません。即時撤退すべきです。私たちはもはや、在沖米軍や米国政府による、どのような「謝罪」も綱紀粛正の「約束」も信用しません。
また、昨日、沖縄の米軍演習場「キャンプハンセン」内に新たにつくった都市型戦闘訓練施設において、実弾射撃訓練を開始しました。訓練場「レンジ4」は、一番近い住宅地域まで300メートル、高速道路まで200メートルしか離れていません。しかもこの「レンジ4」より離れている訓練場での実弾射撃訓練による被弾事故がこれまで何度もくり返し発生してきました。この新たな都市型戦闘訓練施設の建設計画が発表されて以来、地元住民である金武町伊芸区住民を先頭に1年以上にわたって抗議行動を続けてきており、稲嶺県知事も反対して、日米両政府に何度も中止を要請してきたのです。
地元住民の強い反対に押されて、容認してきた日本政府とアメリカ政府の合意で「代替施設」をつくることになりましたが、今度はその「代替施設」が使用できるまでに「少なくとも数年はかかる」として、それまでは新たにっくった施設を「暫定使用」すると6月27日からの使用開始を通告してきたのでした。生活が破壊され生命が危険にさらされる訓練に、地元住民をはじめ沖縄県民は反発しています。今すぐに中止しなさい。
さらに辺野古沖に沈没して、サンゴを破壊し、燃料流出によって海を汚染させた水陸両用車が約1ヵ月も放置された後、やっと引き上げ作業に着手しました。しかし、この引き上げ作業は7月15日にも水陸両用車による訓練を再開させるためでした。原因究明や再発防止について明らかにしない中での再開に住民と名護市議会では反対を表明しています。
米軍関係者による犯罪や事故が続くのは沖縄に米軍基地があるからです。沖縄に米軍基地が存在し続ける限り、犯罪や事故は今後も繰り返され住民の苦しみは続きます。ですから私たちは全米軍の最高司令官であるあなたに、沖縄からすべての米軍基地を撤去することを強く要求します。
ラムズフェルド米国防長官自身が周辺住民にとって危険であることを認めた海兵隊普天間基地(飛行場)は無条件かつただちに返還すべきです。同基地の代替施設の「県内移設反対」は、今や沖縄を覆う圧倒的な世論になっています。あなたは沖縄島北部辺野古沖海上に代替基地を建設する計画の中止を日本政府に今すぐ明確に申し入れるべきです。そして沖縄からすべての米軍基地をただちに撤去しなさい。
沖縄にとって米軍が「良き隣人」であり得ないのは、今さら議論の余地のないことです。いたいけな少女に加えられた性犯罪に心底から憤激し、沖縄から全米軍基地を撤去することを重ねて要求します。
要求項目は次の3点です。
- 新たな都市型戦闘訓練施設による実弾射撃訓練を即刻中止すること
- 沈没した水陸両用車の原因究明と再発防止を明らかにし、訓練を再開しないこと
- 在沖米軍基地の全面撤去で、米軍関係者による犯罪・事故をなくすこと
以上
内閣総理大臣 小泉純一郎様
外務大臣 町村信孝様
防衛庁長官 大野功統様
シーファー米駐日大使様
沖縄の米兵による少女への性暴力事件にたいする抗議と要請
私たちは基地軍隊のもつ暴力性をはじめあらゆる形の性暴力に反対している女たちの会です。去る7月3日、沖縄本島中部で嘉手納基地所属兵士による小学女生徒への性暴力事件が起こされたことに、あらためて強い抗議の意を伝えます。
これまで米側は度重なる事件にたいし「綱紀粛正」を約束してきたが、その実効性への信頼は又もや裏切られることになった。被害を受けた少女は「怖かった。殺されるかと思った」と恐怖を訴えており、心の傷が癒されるには計り知れない長期間を要することは今後の深刻な問題である。しかし加害米兵は反省する心を示さず犯罪の確たる証拠があるにも係わらず、容疑の全容については認めないなど悪質である。
このような犯罪がどうしてあとを絶たないのか。基地・軍隊の構造的問題と米兵、軍属の監督責任者に真摯な反省が欠けていることが大きな要因であり、また日本政府の継続した追及姿勢がもとめられる。
今回、沖縄県知事の抗議に際して四軍調整官は、「過去2年間米軍の事件、事故は減少した」などと弁解がましいことを述べ、さらに米大使館安全保障課長が「軍隊ではなく個人の問題」として事件を倭小化して捉えていることは到底許せない。このように事件を深刻に受け止めず日米地位協定の米軍優位に乗った思い上がった姿勢そのものが、新たな事件発生を助長しているのである。
私たちはこれまで数多くの米兵事件をみてきたが、共通してみられるのは加害者としての罪の意識の希薄さであり、この点を重点的に反省しなければいかなる再発防止プログラムも意味がないことを強く指摘したい。
以下要請します
- 米兵にたいする厳正な処罰をおこなうこと
- 米軍側は単なる謝罪の言葉だけではなく再発防止の具体策とその実行経過を示すこと
- 海兵隊および基地の縮小、撤去の道筋を誠意をもって示すこと。新たな基地建設である辺野古を断念すること
- 米軍優位の日米地位協定の「運用」の限界を放置せず早急に見直すこと
2005年7月13日
NO!レイプNO!ベース女たちの会
基地はいらない!女たちの全国ネット
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン)
2005年7月13日
ジョージ・W・ブッシュ米大統領 様
名護ヘリポート基地に反対する会
代表 茂野光達
都市型戦闘訓練施設による実弾射撃訓練と米兵による性暴力事件に抗議し、米軍基地の撤退を求める要請書
米軍が既に破綻していることを私たちは知らされています。
度重なる事件、事故をどうすることもできない米軍の存在は、沖縄の住民にとって重大な命の脅威です。
7月3日の朝8時過ぎ、教会に向かっていた10歳の少女を、酒に酔った米兵が、民家の駐車場に誘い込んで胸を触るなどの性暴力行為をはたらきました。
少女がどれほどの恐怖にその時包まれたかと思うと、心が締めつけられるばかりです。
私たちは、これが突出した一人の米兵による身勝手な行動とは受け止めていません。米軍の組織的欠陥が引き起こした犯罪と捉えています。
いかにして人の命を奪うか・・そうした非人間的な訓練を日々の課題とし、心身に重いストレスを負わされている米兵が、朝まで泥酔すれば、見境の無い行動に走ることは目に見えています。沖縄では、米兵の犯罪が恐ろしくて、子どもが外で自由に遊べない状況です。
米軍はつい先月、辺野古沖で水陸両用車を沈没させ、油を垂れ流しにしていきました。3台の水陸両用車を故障させ、サンゴ礁を踏み潰して民間地に上陸、けん引時には高架橋のフェンスを数メートルに渡って破壊していったのも、ついこの間の出来事です。現場付近ではモズク漁が行われていて、一つ間違えば大惨事でした。
米軍が破綻していることは、火を見るよりも明らかなのです。
金武町では、米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」が、民間地からわずか300メートルという信じられない至近距離で、ついに射撃訓練を始めてしまいました。地域住民は今も、被弾に怯えて過ごしています。住民の声を踏みにじっていく米軍の姿勢を目の当たりにし、私たちは怒りに震えるばかりです。
ロバート・ブラックマン四軍調整官は7日、「(普天間基地や嘉手納基地について)何もない場所に飛行場を造ったら、周辺に人が集まった」と話しています。沖縄の歴史を全く把握していないことを図らずも露呈しました。住民の痛みを知るための努力が、一番なされなければならないこの時期に、耳を疑う発言です。彼が在沖米軍トップであることが、全く信じられません。
この半世紀にわたって、多くの女性や子どもたちが受けてきた命の傷を覚えます。
今回のような性暴力事件は、もう二度と、何があっても絶対に、引き起こしてはならないのです。
力づくで土地を奪われ、何十年も命の危険にさらされてきた沖縄の住民のことを覚えて下さい。自らの非を認めて下さい。傷つけられた少女の魂に目を向けて下さい。どうすれば、その痛みを軽くできるのか。「再発防止」、「綱紀粛正」は何の効果も上げていません。
全ての米軍基地を一日も早く沖縄から撤収すること。そこにしか、真の解決策が無いことを知るべきです。
私たちは、次のことを強く求めます。
- 被害者とその家族、そして沖縄の住民に対し、誠意を持って謝罪すること
- 少女の心を踏みにじった米兵を、厳正に処罰すること
- 沖縄から全ての米軍基地を撤収するための話し合いを直ちに始めること
- 都市型訓練施設での実弾射撃演習を、直ちに止めるこ
- 辺野古の基地建設計画を白紙撤回すること
ジョージ・W・ブッシュ米大統領さま
J・トマス・シーファー米駐日大使さま
抗議・要請文
去る7月3日、沖縄本島中部で、嘉手納基地所属米兵が、小学5年生の少女の上着をたくし上げ、胸を触り写真を撮るという性暴力事件が起こりました。私たちは、少女に大きな恐怖を与え、その性を踏みにじる、この人権侵害行為に対して、怒りと抗議の意思を表明するものです。
この事件に関して、ケビン・メア安全保障課長は、「軍隊ではなく、個人の問題」「一般社会でも起こり得る」などと発言しました。これは、今回の事件を、性暴力を犯した加害者「個人の問題」へ矮小化し、性暴力を生み出す根本的な要因であるところの、軍隊固有の暴力性の問題を覆い隠そうとするものであり、許すことはできません。確かに、女性に対する性暴力事件は、「一般社会でも起こり得る」ものです。レイプ、セクシャルハラスメントなどがこの社会で後を絶たないのは事実です。そこに通底するのは、女性の身体—性が、性的な「オモチャ」か「はけ口」のようにみなされ、女性の性的主体としての意思が蔑ろにされているということです。セクシュアリティと生は不可分のものであり、セクシュアリティを傷つけることは、そのまま、女性が生きること自体を傷つけることになります。すなわちこうした女性に対する差別が、社会的に存在し、今回の事件もこれと密接に結びついて起こったのだということを、見過ごすことはできません。
しかし、だからといって、今回の事件がそれのみに収れんされる問題ではないことは、言うまでもありません。在日米軍とその基地は、恒常的に様々な被害を住民に及ぼし、その命と生活を脅しつづけています。そうした人権侵害は、在日米軍が存在する限りは必然的に繰り返されるものであり、その性質こそが軍隊固有の本質なのです。住民の人間としての尊厳を日々奪いつづける軍隊が、一人の人間の性、一人の女性の性を尊重できるはずがありません。それどころか軍隊の存立は、女性差別・民族差別・人種差別を構造的に組みこむことによって維持されていることを鑑れば、軍隊とは、人間の尊厳、女性の性の尊厳と本質的に対立するものであることは明らかです。であるからこそ、今回の性暴力事件は、他ならぬ“軍隊の問題”なのであり、私たちはそのことをこそ追及しているのです。私たちは、米軍兵士による性暴力の解決とは、軍隊を解体する論理と実践によってしか実現しないものと考えます。よって、そのための一つの実践として、在沖米軍基地の撤去を要求します。
2005年7月13日
明治大学駿台文学会
President George W.Bush
ジョージ・W・ブッシュ米国大統領 殿
Mr.J.Thomas Schieffer
J・トーマス・シーファー駐日米国大使 殿
抗議申入書
この7月3日、またしても繰り返された貴国軍人による犯罪行為に強く抗議する。
10歳の少女を対象としたハレンチ行為は、言語道断で許し難い。
これは、ケビン・メア安全保障課長のいう「軍隊ではなく、個人の問題だ」「一般社会でも起こり得る」といった事件では、断じてない。その発言に抗議した社民党議員の言うように「軍隊が駐留するがゆえの構造的問題」である。
さらに加えて、在日米軍トップであるロバート・ブラックマン四軍調整官の「何もない場所に飛行場を造ったら、周辺に人が集まった」という発言が象徴するように、貴国軍人すべての沖縄の歴史に対する認識の欠如、占領意識の抜けない沖縄蔑視意識の問題でもある。
ことの本質がこうした点にある以上、「綱紀粛正、再発防止、兵員教育の徹底」などでは問題の根本的な解決などあろうはずがない。
私たちは、こうした問題の明確な解決策として、貴国軍隊の沖縄及び日本全土からの速やかな撤退を要求する。
2005年7月13日
イラクからの自衛隊撤退と沖縄の米軍基地撤去を求める実行委員会(反安保実IX)
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