From: "辺野古命を守る会" <henoko@f5.dion.ne.jp>
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Date: Thu, 18 Nov 2004 08:00:29 +0900
Subject: [keystone 9871] 阻止行動日誌213日目。富田晋。
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11月17日(水)
・防衛施設局による違法なやぐら建設に対して阻止行動を行いました。
昨日に続き辺野古は緊迫した朝を迎えています。中城湾からスーパー固定ブイを積ん
だ作業台船は大浦湾に停泊しています。今日、作業台船はスーパー固定ブイの組み立
て作業に入っており、外洋での調査強行はありませんでした。
昨日よりも今日はとても波が高く、リーフ内の波も3mにも達し非常に危険な中での
阻止行動となりました。
午前8時、カヌー隊および阻止船は準備を整え待機。午前9時には辺野古漁港より大
型船4隻、小型船8隻が出航。全ては「警戒」のための船として出航したと思われま
した。
午前中に東村(名護よりも北)のカワタ漁港より「タンカン(リーフ内のボーリング
調査のために使う資材・鉄パイプ)」を乗せた作業船が出航した、との連絡を受けて
いました。しかし、これは明らかな「ダミー」であり、リーフ内の資材自体はキャン
プシュワブから搬入されたものと思われます。
アメリカでのジュゴン裁判で米政府は「基地建設は日本政府が行うもので米政府はな
んら責任を負っていない」として裁判自体を否定しました。しかし、米政府は今の事
態にどう責任を取るのか。実際には資材はシュワブ内から搬入し、防衛施設局の「現
場監督事務所」もシュワブ内に建設されている。そして作業台船もシュワブの「絶対
禁止海域」に置き、ガードマンらによって守られている。絶対におかしい。米政府は
ジュゴン保護の世界的な声に耳を傾け、その責任に基づいて基地建設を止めるべきで
す。
午前9時、カヌー隊および阻止船が出航。外洋はものすごい高波のためリーフ内での
攻防戦となる。
午前9時半、長島、大浦湾側から警戒船8隻が隊列をなしてリーフ内に侵入。阻止船
4隻とカヌー隊16艇によって阻止行動に入りました。
辺野古漁港から出航した小型船の内の4隻が資材を積み「作業船」の立て札を。その
他の4隻が「警戒船」の立て札をつけていました。その8隻が2グループに分かれ作
業のための行動に移りました。
カヌー隊、阻止船も2グループに分かれて行動。しかし、一点に集中することとな
る。
2グループに分かれた作業船は私達を撹乱するために海を右から左へ、左から右へと
猛スピードで進みました。30分ほどして、豊原、松田の集落の沖合い二キロの地点
で資材を積んだ1隻と他3隻が停止、アンカーを打つ。
すぐさまカヌー隊が阻止行動のために展開。作業船2隻を取り囲む。やぐらを建てる
ための「オイルフェンス」を降ろしはじめる。急いでカヌー隊が中に入る。夏芽さん
はタンクを背負い潜る。
作業船は作業をすることがれ出来ず、こう着状態に入る。波が高いためカヌー隊が自
身の身を守るため作業船に手をかけると作業員がものすごい剣幕でカヌー隊の手を払
いのける。作業員の行動がエスカーレートして暴力的になる。正当な阻止行動に対す
る暴力です。絶対に許されない。阻止船からスピーカーを使って猛抗議します。
「カヌー隊に対する暴力をやめなさい!!」「暴力は法律に反した行為だ!!やめな
さい!!」声を張り上げる。海上が緊迫する。
海上保安庁4隻もの船を出しながらその暴力行為を見て見ぬふりをし、暖かく見守っ
ていた。一体なんのための海上保安庁なのか。都合の良い時にしかその法律を適用し
ない。強い憤りを感じました。
その暴力行為を責任において真っ先に止めにははいらなければならない防衛施設局も
笑顔で眺めている。絶対に許せない。
私達の猛抗議に暴力的な行為は少しおさまりました。
他の作業船グループがキャンプシュワブ沖合いに置いて足場建設を始めたとの連絡が
入り、私はカヌー隊を二つに分けて行動しようと6艇を曳航するため現場のカヌー隊
に呼びかける。するとそれを聞いた作業員達がここぞとばかりに無理やり鉄パイプを
海に投げ込もうとする。カヌー隊から叫び声が上がる。
鉄パイプにカヌー隊がしがみつく。カヌー隊の女性が勇猛果敢に鉄パイプを降ろす作
業を止めに入る。興奮した作業員がカヌー隊の女性を船に引きづり上げ、何度も持ち
上げ船にたたきつけた。私は怒りのあまり声が大きくなる。
「何をやっている!!やめなさい!!女性に対して暴力を振るうな!!やっていいこ
とと悪いこととあるだろう!!全て写真、ビデオに収めている。やめなさい!!許さ
れないぞこんなことは!!」カヌー隊の女性はしばらく横たわり動けなかった。こん
なことをする権利がどこにある!!女性に対して力のある男性が暴力を振るうのは女
性に対する差別だ!!絶対に許さない!!私は抗議する!!防衛施設局員はこの行為
を見ても何もしなかった。この責任をどうとるんだ!!許さない!!
現場の緊張は続いているが、昼休みに入りました。作業員との交渉のもと、「昼休み
の間だけ休戦」ということとなりました。
午後に入ってもこう着状態が続く。波がしだいに高くなりカヌー隊は過酷な持久戦を
強いられていました。
私と他の2隻、合計3隻が監視体制をとり、夏芽さんの船はキャンプシュワブ沖合い
で足場建設作業をしている作業船へと向かいました。
20分ほどして私の船に連絡が入る。「夏芽さんが一人で潜って、海底での調査の阻
止を試みたところ、海底にいた作業員のダイバー達が夏芽さんの酸素マスクを無理や
りむしりとり、さらに重りを外され、スーツに無理やり空気を注入された。殺人未遂
の行為が海中で行われている。こっちに来てほしい。」とのこと。
私は余りのことに頭に血が上っていた。しかし、冷静でいなければならない。私が離
れれば、こちらの作業員達がカヌー隊に何をするかわからない。他の阻止船に行って
もらうことにしました。
少ししてこちらに夏芽さんも戻ってきました。「一人では危険であり、向こうは殺人
未遂的な行為をしてくる。今は戻る他ない。」と夏芽さん。
本当に憤りを感じます。この八年間に渡ってどれだけの誠意を見せてきたのか。この
海上においても私達は作業員に配慮をしてきた。殺人未遂行為に及ばれるようなこと
は決してない。一人一人の人間性に訴えかけ、行動してきたはずです。それをこうい
う形で示すのか。ダイバーなら、他のダイバーの機材に触れることがいかに危険か分
かるはずだ。私達は生命に関することは譲れない。ボーリング調査という不当な調査
をしているにも関わらず、それ以上に卑劣なことをしている。
調査に進まないことに焦った防衛施設局が追い込まれている。このような行為に及ん
でいるのは私達の阻止行動によって追い込まれている証拠です。
横暴な圧力をもはねのけて今日は一ポイントを完全に阻止しました。私達の勝利です
!!どんな理不尽なことがあろうとも私達は負けない。私達は譲り合って生きている
しかし、生命に関することは絶対に譲れない!!
辺野古に集まってください。そして、大きな世論を作り出すために全国からの訴えを
拡大してください。ピンチは最大のチャンスです。私達の力で絶対に止めましょう。