From: "辺野古命を守る会" <henoko@f5.dion.ne.jp>
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Date: Thu, 14 Oct 2004 19:13:54 +0900

Subject: [keystone 9664] 阻止行動179日目。富田晋。
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10月14日(木)
・防衛施設局による違法な強行調査に対して阻止行動を行ないました。

今日も朝早くから緊迫した雰囲気が辺野古の漁港を包んでいました。午前7時30
分、海人達が調査船の出港準備を開始します。「ドドドドド」という船の独特のエン
ジン音が響きます。海人達は何も言わず下を向いて淡々と作業をしている。
カヌー隊がカヌーを浜へ運び、阻止船の船長達が台車に乗った船を漁港内へと降ろし
ていく。毎日の朝の労働となっている。この一ヶ月でその作業が生活の一部となって
いる。決してそのことが良いとは思いません。しかし、誇りを持ってカヌー、阻止船
は阻止行動をするために出る準備をしています。
そのことが私達が今出来る、この世界の差別をなくす最大の行動だと知っているから
です。

キャンプシュワブ・第一ゲート前では座り込みのメンバーが監視行動を行なってい
る。連日、朝の暗いうちからゲート前に立っている。皆、仕事前に座り込みに出勤し
てくるように来ています。
防衛施設局及び、ダイバーはその監視行動を意識してか、第一ゲートからは入らずに
向かいの弾薬庫側のゲートからシュワブ内に入っているようです。シュワブ内にある
地下通路を使って入るなどは本当に腹が煮えくり返る思いがします。ゲート前に立っ
ている人達は毎日、その状況を変えるためにそこに立っています。

今日の海は熱帯低気圧が沖縄に停滞し、かなり波が強く、風速は17メートルにも達
する、さらに大潮で波は時間がたつほどに高くなる状況でした。
午前8時、その波にも関わらず調査船が出港。私達もカヌー隊及び阻止船が出港。
シュワブ沖においてカヌー隊と阻止船は待機。調査船の行動を伺う。
午前9時、波は3メートルに達する。調査船が大浦湾(キャンプシュワブの東側)海域
を出て、こちらに向かってくる。
カヌーを曳航している阻止船も急いで調査ポイントへと向かう。
しかし、どんどん潮が引き、代わりに波はどんどん高くなる。カヌー隊の航行はこれ
以上は危険です。船長の判断でカヌーを浜へと戻しました。
カヌーの航行が困難になるほどの波にも関わらず防衛施設局はダイバーを海に落と
す。防衛施設局は非常に焦っている。危険な海域にダイバーを降ろすというのはどん
な神経をしているのか。人を物としか扱わないこの国のあり方そのものです。
私は船で監視行動、阻止行動を続けていましたが、波は昼頃には4メートルに達す
る。カヌーだけではなく、船の航行も大潮で恐ろしく潮が引くということもあり非常
に危険になりました。
全隻が漁港に戻り、座り込みで待機することとなりました。海から戻らざるを得ない
状況はものすごく歯がゆく感じました。

台風23号がまたもや近づいています。これからの航行は非常に危険な状況がありま
す。だからといって阻止行動の手を緩めるわけには絶対に行きません。もちろん、生
命を守るのが第一です。

午後、県の県環境影響評価審査会(環境アセスメントに乗っ取った調査に関しては県
の意見を主張していく機関。ボーリング調査は環境アセスメント外とされている。)
が引き続き訪れ船をチャーターし辺野古の海を視察していきました。審査会は県知事
の考案の下で作られたものです。
辺野古海域の調査にお墨付きを与えるものではなく、しっかりと調査し、この調査が
いかに自然に対して害するかを訴える審査会であることを強く望みます。
審査会は帰り際に座り込みに寄り、丁寧なあいさつがありました。県知事の下で動い
ている機関ということもあり、信憑性にかけるものですが、県知事に対してしっかり
としたものを言って行ける人達だと信じたいものです。

座り込みには埼玉から高校生が平和学習に訪れ、話しを聞いていってくれました。
「渋谷でピースウォークをやってました」という学生もいました。これからの時代、
おばぁ達の言うとおり「自分達で青春を勝ち取っていかなければ、知らず知らずの内
に戦争に巻き込まれてしまう。」ということだと思います。
「もう、おばぁ達にやらせないでくれ」ということを含め、高校生達や学生が動くこ
とで状況もまた変化すると訴えました。

一日の最後に船の掃除もひと段落し、事務所前でゆんたくをしていると、普段裏方と
して炊事場でがんばっているせっちゃんが「こんな静かな海を見ていると闘いがある
なんて信じられないねぇ。」と一言言っていました。
早く、こんな状況を終わらせたい。私は必死に焦らず訴えていかなければいけないこ
とを改めて感じました。