From: "辺野古命を守る会" <henoko@f5.dion.ne.jp>
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Date: Wed, 18 Aug 2004 21:54:16 +0900

Subject: [keystone 9172] 韓国の文章。沖縄のMLで流されものです。辺野古より。
X-BeenThere: keystone@list.jca.apc.org


・辺野古から晋。沖縄のMLで流された文章です。複数のMLに送っているので、重
複された方はすみません。

韓国から日本語に訳されて届いたメールを転送します。
ちょっと長文です。

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 '在韓-在日米軍基地一体化'を'韓日民衆の一体化'で叩きつぶそう

金承國

*在韓・在日米軍基地の一体化の兆し

 先日、日本の活動家と話をする機会があった。彼は在日米軍の再配置計画につ
いて詳しく知っていたが、在韓米軍の再配置についてはほとんど知らなかった。
韓国の活動家もやはり在韓米軍の再配置に対する反対運動に熱心ではあるが、在
日米軍の再配置については無関心だ。

 米国はすでに「一国中心(在韓米軍が駐屯している韓国と在日米軍が駐屯して
いる日本という個別国家中心)の軍事戦略」を破棄し、「軍事のグローバル化」
という視点から「全世界の米軍再配置GPR(Global Defense Posture
Review)」 を推進している。それにもかかわらず、韓国・日本の民衆は自国に
駐屯している米軍基地の再配置だけと闘っているのはもどかしい限りだ。

 このようなもどかしい状況を突破するにはどうしたらいいのか。まず、「在
韓・在日米軍基地の一体化」の動きを、韓国・日本の民衆の共通認識にしなけれ
ばならない。そして、このような共通認識にもとづいた「韓日民衆の一体化」、
つまり「韓日民衆間の米国反対・米軍基地反対のための闘争の一体化」を実現し
てこそ、「理論(認識)と実践の一体化」を成し遂げられる。これが韓日民衆連
帯のもっとも急がれ、かつ重要な任務である。

*日米同盟と韓米同盟の軍事一体化へ

 それでは、在韓米軍基地と在日米軍基地がいかに一体化しているかを見てみよ
う。
 多国籍企業が縦横無尽な新自由主義的グローバル化を果した一方で、そのボ
ディーガードである米軍もまた変貌してきた。その端的な例がGPRである。G
PRは、「最先端科学(IT産業など)で武装した米国資本主義の軍事化」の第
2段階(1段階は「軍事革新」と称されるRMA)だ。クリントン政権当時に推
進されたRMA(Revolution of Military Affairs)段階の韓日軍事共同体は、
在韓米軍と在日米軍が独立的に機能することに満足していた。せいぜい日米同盟
と韓米同盟をそれぞれ機能別に統合する構造にとどまっていた。

 ところが、戦争屋ブッシュが率いる政権は、中国をより強力に包囲し、いざと
なったら北朝鮮を崩壊させるための「戦争の日常化体系」を作るため、「日米同
盟と韓米同盟の軍事的一体化」を図ろうとしている。韓日間の歴史的な傷跡のた
めに両国間の軍事同盟が不可能な状況において、ペンタゴンが「日米同盟と韓米
同盟を総体的に指揮する方法」を模索しているのである。

 この恐るべき発想は、ラムズフェルドの頭の中にあり、まだ公の文献に出たこ
とはない。しかし、米第一軍団がカナダと座間に移動するなど、「米軍・自衛隊
の陸、海、空軍の総指揮(一体化)センター」が日本の首都圏に形成されるだろ
う。このセンターを中心に北朝鮮・中国に対する牽制はもちろんのこと、中東な
ど全世界の紛争に介入する戦争装置が準備されるだろう。

 在韓・在日米軍基地の一体化がまだ公に進められているわけではないが、その
潜在性は十分にある。これまで公開されたGPRのなかに「在韓・在日米軍基地
の一体化の潜在性」が内在している。

 GPR構想によると、米軍は、海外の基地を「戦力投射中枢基地」(PPH…
1級基地)、「主要作戦基地」(MOB…2級基地)、小規模常駐部隊の「前進
作戦拠点」(FOS…3級基地)、小規模連絡要員常駐地の「安保強力対象地
域」(SCL…4級基地)の4等級に再編する。ここで在日米軍基地は第1級基
地(PPH)、在韓米軍基地は1級と2級の間の1.5級基地として再編される。

*運動の方法論は「韓日民衆の一体化」

 最近韓国では、連合土地管理計画(LPP)、在韓米軍の再配置(平澤に在韓
米軍基地を総集結)、在韓米軍1万2千500人の撤収計画が同時進行している。
これを見ると、在韓米軍の量(数字)は減るものの、戦力(能力)は倍加するこ
とによって、北朝鮮崩壊・中国包囲用の機動力を最大限発揮する「1.5基地構
想」が実現中であることが見て取れる。

 韓国における1.5基地への転換は、「2+3体制」へと作り上げられるだろ
う。前述の「2」は平澤基地を中心とした「首都圏基地のライン」と「大邱・釜
山の輸送圏」を合わせたものであり、「3」は「2」を支える龍山基地(龍山に
在韓米軍の核心施設が残留)、漢江より北の連合訓練センター(トスリ射撃場な
ど)、群山空軍基地を合わせたものだ。ここで「引渡し鉄線(tripwire)」であ
る米2師団が平澤へ移転する計画は、朝鮮半島における戦争計画と直結する。つ
まり、北朝鮮の長射砲の人質となっている米2師団がGPRによって人質状態か
ら解放された後に、北朝鮮との戦争を自由にできるという「戦争の意志」が横た
わっている。

 それでは、平澤基地を中心にして北朝鮮との戦争を自由に実行するかもしれな
い1.5基地「在韓米軍基地」をアジア・太平洋のレベルで総括する上部ライン
は、どこであり、誰なのか。言い換えれば、「1.5基地へ再編された韓国版GP
Rは誰がどこから総括するのか」ということだ。

 この解答は、在日米軍基地の再編(日本版GPR)にある。日本版GPRもや
はり「2+3体制」になるようだ。前述の「2」は(在日米軍基地・自衛隊基地
が総集結する)日本首都圏と沖縄の米軍基地を合わせたものであり、「3」は
「2」を支える三沢基地、岩国基地、佐世保基地を合わせたものだ。GPRの1
級基地である在日米軍基地は、自衛隊と一体化されるなかで「2+3体制」とし
て運営され、アジア・太平洋と中東の司令塔の役割を果たすだろう。この司令塔
は米第一軍団(神奈川県の座間市に所在)に任され、米陸軍四星将軍(大将)が
司令官に就任するだろう。座間の在日米軍基地に含まれる米第一軍団(1級基地
の指揮部)は、アジア・太平洋と中東地域の司令塔として、当然にも在韓米軍
(韓米連合司令部…1.5基地)を総括するだろう。

 まだ日米安保条約や韓米相互防衛条約に「米第一軍団が在韓米軍を統括する」
という規定はないが、安保条約を改定しなくても、合意覚書や軍事体系などを通
じて「1級基地が1.5級基地を総括すること」が決定されるだろう。つまり、日
本版GPR(2+3体制)が韓国版(2+3体制)の上位にあることを認めつ
つ、両者のGPRが軍事戦略上一体化する自動ドアを作れるのである。

 GPR1級基地の司令官である米第一軍団司令官(四星将軍)が、GPRの1.
5基地の司令官である韓米連合司令官から作戦指示(朝鮮半島における戦争に関
する指示も含む)をする「一体化」の潜在性が憂慮される。このような憂慮は、
韓日間のMD(ミサイル防衛網)の連携、韓日の同時海外派兵、韓国軍の地域同
盟軍化と日本の「有事七法体制」の連携の可能性に表れている。

 このように米軍の戦争体制を強化するための「在韓・在日米軍基地一体化」の
可能性は、朝鮮半島にのみ当てはまるものではない。台湾と中国が戦争または戦
争に準じた事態に突入した場合。「在韓・在日米軍基地一体化」の機能が作動す
るだろう。GPRの一級基地である在日米軍基地は、自衛隊と一体化され、台湾
を支援するだろうし、中国と主敵関係が形成されるだろう。この時、GPRの1.
5基地である在韓米軍は、地域同盟化した韓国軍を率いて、やはり台湾を支援し
つつ1級基地と1.5基地の一体化を図るだろう。これは東北アジアにおいて予想
される最悪の戦争シナリオだが、「在韓・在日米軍基地の一体化」の可能性を今
から遮断しなければ、その根絶は難しい。

 それでは、「在韓・在日米軍基地の一体化」の可能性を源泉封鎖するために韓
日民衆は何をしなければならないのか。紙面の制約上運動の方法論を提示できな
いが、「韓日民衆の一体化」によって「在韓・在日米軍基地の一体化」を叩きつ
ぶすしかない。
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★ 筆者紹介…哲学博士、平和運動家、「平和作り」(http://www.peacemaking.
co.kr)発行人、崇実大講師・ハンギョレ新聞記者・月刊『マル』編集局長を歴
任。