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From: "辺野古命を守る会" <henoko@f5.dion.ne.jp>
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Date: Wed, 14 Jul 2004 15:07:56 +0900

Subject: [keystone 8972] 辺野古・アキちゃん日誌  2004・7・13
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      「沖韓民衆連帯の話」   2004・7・13
      今日も施設局は辺野古を訪れ、これまでの方針に変更がないことを告げた。
      座り込み代表者の主張は一点、
      “「普天間基地の県内移設は認めない、辺野古に基地は作らせない」という
      政策を掲げた糸数慶子さんの勝利をどう受け止めるのか。
      今こそ、方針を見直さなければならないのではないか”というものだ。
      当然の主張である。
      予想通りおそまつな言葉を繰り返しただけの施設局には、もうため息さえ出な
いが、
      はっきりしていることと言えば、安次冨さんの言葉の通り
      “政策・政治を動かすのは世論”なのだ。

      施設局とは対照的に、午前中には糸数慶子さんが大歓迎の中
      座り込みのテントに迎え入れられた。
      おばぁ、おじぃ、金城祐治さんを始め、みんなの心からうれしそうな表情に
      心の中が暖かくなった。
      一人ひとりと握手をし、言葉を交わす糸数さんとみなさんの様子を見て、
      改めて政治とは人々の生活と共にあるのものだと感じた。
      そして、政治を動かし、社会をつくっていくのは、
      為政者一人なのではなく、それと共にある民衆のパワーなのだと実感した。
      本来はそうであるべきなのに、そうではないひどく悪い社会が大きな壁なの
だ。
      しかし、そこにはこの現状を打ち砕いていこうとする
      尊厳に満ちた人間の姿がある。
      “前はね、運動をして、生活を犠牲にしていることについて
      損害賠償を請求しようと思っていたの。
      でもね、生活を犠牲にしているのではない。生活をしているのよ。
      ここにいることで、一番人間らしい生活をしているの。”
      糸数さんに語りかける悦美さんの言葉にはいつも原点に立ち戻らされる。


      そして、今日はまた1つ心に留めておきたいと思う貴重な話、
      「沖韓民衆連帯」の話を富見山さんから聞かせていただいた。
      自分のルーツを朝鮮半島にもつ韓国の人や
      在日韓国・朝鮮人の方々とつながっていく上で、私がいつもぶつかるのは、
      過去、日本が多くの国や地域を侵略したという事実の中で、
      朝鮮半島の人々に対しても多大な苦しみを与え、
      民族の誇りや命さえも奪ってきたという事実をどうしていくのか、
      どう謝罪し、責任というものを引き受けていくのかということである。
      その議論なしには、どんな繋がりも話も真に前には進まないのではないかと思
う。
      沖縄からはその問題をどう発信しているのか、私は知りたかった。
      富見山さんは、“被差別者であるウチナンチュがフィリピンなどでは
      すごく残虐なことをしたという歴史がある。
      それは、立派な日本人として認められたいということだったのだが、
      沖縄にもそういう責任があることをきちんと話し、
      その上でどう連帯していけるのか考えている”と話してくれた。

      1つの差別がさらなる差別を生み、構造的に重なり合った差別が
      より悲惨な状況や歴史を生んできたのだ。

      そのことを話し、何度も行動を共にしていく中で、
      信頼関係が生まれていくのですね、との私の言葉に
      “こちらはそう感じているが、やっぱり韓国の人が一番見ているのは、
      今は、日本でも韓国でもなく、アメリカという第3の国に対しての
      反対運動で連帯しているけど、その敵がいざ日本政府になったとき
      お前らはちゃんと闘えるのかということだと思う。
      それが闘えなければ本当の連帯はありえないし、
      それが過去のことについて、責任をとっていくことにもつながる。
      いや、彼らにとっては、ぜんぜん過去のことになどなってないのだけど。”
      と富見山さんが話してくれた。
      重い話だ。それは、自分の足元でどう抵抗し、頑張るかという
      自分自身につきつけられている課題につながる。

      韓国と日本、沖縄に対する米軍の差別的な対応は非常によく似ている。
      そして、国境やそれぞれの国の国内法を飛び越えて、米軍は機能しているの
だ。
      ということは、運動によって、何か1つ崩れれば、
      どこかに歪みが生じ、韓日の米軍基地の状況を打破する大きな流れになる。
      それがまた、アジアの平和にもダイレクトに繋がるのだ。

      これらの話を聞いて、沖縄と韓国が連帯していくことは
      とても大きな意味があることなのだと感じた。

      何重にも差別を強いてきた者として、私はこの問題をどう捉え、
      連帯していくことができるのだろうか。