———環境影響評価手続きは、事業の実施前に行うものである。環境影響評価手続きが行われているにもかかわらず、他方で同時に事業が実施されているのでは、環境影響評価手続きを実施する意味がない。第一項の実施制限規定は、その旨を明らかにしたものであり、本法の根幹となる規定の一つである。———(同書169頁)「逐条解説」では、さらに「実施してはならない」詳細を次のように解説をしています。
———(2)「実施してはならない」現在、辺野古海域で行っている海底「ボーリング調査」において、スパッド台船を一台設置しただけでもサンゴが踏みつけられ、サンゴが生きる基盤を削りとっています。
原則的には、環境影響評価の対象となる環境を改変するような行為をしてはならないという趣旨であり、具体的には、例えば山を削って整地するような行為は許されないこととなる。
他方では、試掘調査のためのボーリング、試験盛土等の事前調査の一環として調査に必要な範囲で行われる行為といった行為等は、評価書の公告前に行っても差し支えないものと考えられる。———(同書169,170頁)
キャンプ・シュワブ水域が海上ヘリポートの建設場所として適地か否かを判断するため、当該水域及びその周辺の現況等を把握することを目的として実施したものである。
「・前略
埋立に係る護岸構造については、代替施設の建設場所が非常に複雑な地形であることから、設計に先立ち、波浪の影響らを把握した上で護岸の幅や高さ等が適切であることを確認すべく技術的な検討を実施することとしている。情報開示請求によって、護岸の幅や高さが既に決まっていることが判明しています。(護岸構造(護岸の幅、高さ)の検討は終了している・記者会見資料)
・地質調査及び海象調査は、かかる護岸構造検討に必要なデータを収集するための現地技術調査として、地形調査及び気象調査とともに実施するものである。」
一 事業者の住所及び氏名このたび、那覇防衛施設局が作成した「方法書」は「一 事業者の住所氏名」だけが記載されたような「白紙答案」と言える内容でした。
二 対象事業の目的及び内容
三 対象事業が実施されるべき区域
四 対象事業に係る環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法
——「対象事業の目的及び内容」中「対象事業の内容」には、対象事業の種類、規模、実施されるべき区域、その他事業の基本的諸元が含まれる。——とされています。まず実施されるべき区域について考えてみましょう。