軍用地を生活と生産の場に!
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
http://www.jca.apc.org/HHK
東京都千代田区三崎町2-2-13-502
電話:090- 3910-4140
FAX:03-3386-2362
郵便振替:00150-8-120796


米国大統領
ジョージ W.ブッシュ殿
                                                            2004年8月16日  
                                                沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック  
                                                                  代表 上原成信  
 
在沖米軍基地の撤去を求める要請

 私たちは普天間飛行場の構内(宜野湾市大謝名東原994番2)に共有地を持つ地主の団体で、1987年以来この軍事基地の危険性を指摘し、日本政府に対して基地を撤去し、土地を生活と生産の場として地主に返還することを求めてきました。

 今月13日、この基地から飛び立った貴国軍隊のCH53D大型輸送ヘリコプターが隣接する沖縄国際大学構内に墜落炎上し、海兵隊員3人が重軽傷を負うという事件が起こりました。大学構内の建物に損傷を与え、付近一帯の民家にも多数の機体破片を撒き散らしたと報じられています。しかも事件発生後は、現場を米軍が立ち入り禁止にし、沖縄県警の現場検証すら同意していないという、国家主権侵害とも言える状況になっています。許し難いことです。この事故で、市民の生命が損なわれなかったのは奇跡だと言われています。市民の生命に危険をもたらし生活を破壊する、この飛行場は直ちに運用を停止し貴国軍隊が無条件で撤退することを求めます。

 普天間基地は1996年に日米両政府間で5年ないし7年で全面返還すると合意されておりながら、約束の期限を過ぎてもなお返還が実現していません。貴大統領は前任者から引き継いだこの約束を実行する責任があります。基地所在地宜野湾市の伊波洋一市長は、今年7月貴国を訪問して同基地の返還を求めましたが、基地返還の約束を無視して、貴国政府の担当者は市長の訴えに耳を貸そうとしませんでした。このような米国政府の対応の最終責任は貴大統領にあります。約束した基地返還を直ちに実行することを強く求めます。

 また、この普天間基地の代替施設として名護市辺野古に新たな海上基地を建設しようとしていますが、そこには希少種ジュゴンが生息しており、基地の建設はジュゴンを絶滅させると言われております。また、その基地建設には十数年の歳月を要し、それを待っている間に今回のような事故が引き続き起こるのは避けられません。沖縄に米軍基地が過度に集中していることは日米両政府が共通して認めているところであり、沖縄県民の過重負担は一日も早く解消されなくてはなりません。私たちは、辺野古への新基地建設の中止、普天間基地の即時全面返還を求めます。また、金武町のキャンプ・ハンセン内で進められている都市型戦闘訓練の施設も住民地域に隣接していて、被弾の恐れが大きいとして、連日100人以上の住民がゲートでスクラムを組んで建設中止を訴えています。私たちは地域住民とともに、この訓練施設の建設中止を要求します。

 沖縄の大多数の住民は米軍基地の撤去を望んでいます。昨年暮れに普天間飛行場を視察したときに「住民の望まないところには米軍はいたくない」とラムズフェルト国防長官は言いました。貴大統領がこの方針を確認し、早急に沖縄の米軍基地を貴国内に撤収することを要請します。