STOP劣化ウラン弾キャンペーン・横澤典子
劣化ウラン研究会・山崎久隆
劣化ウラン研究会・山崎久隆
茅ヶ崎市議会議長山下孝子殿
2004年6月1日
有事法・戦争を許さない茅ヶ崎市民の会
劣化ウラン兵器の使用禁止に関する陳情
呼びかけ人代表早川美代子
イラクでは、1991年の湾岸戦争時に劣化ウラン兵器が使われた地域でがん・白血病・先天障害が多発し、特に子どもたちの間での被害が深刻となっています。さまざまな警告にもかかわらず、その後も旧ユーゴ、アフガニスタンで使用され、今回の戦争で再び大量の劣化ウラン弾がイラク全土にまき散らされました。また、これらの地域からの帰還兵やその子どもたちにも健康障害が現われています。4/13付の新聞報道によると、サマワに駐留していた米憲兵隊員の尿から劣化ウランが検出されました。自衛隊員の被曝も心配されます。
劣化ウランとは、核爆弾や原子炉燃料を生産する過程で大量に生まれる低レベル放射性廃棄物(ウラン238)です。放射能の半減期は45億年といわれ、地球誕生以来の時間に匹敵します。廃棄物であるがゆえに極めて安価であり、重く固い金属という特性から米・英軍の対戦車砲の砲弾として利用されています。劣化ウラン弾は、戦車の装甲板をも貫通する能力を持ち、その衝撃によって激しく燃焼して内部の人間を焼き尽くすだけでなく、ミクロン単位の微粒子となって大気中に拡散していきます。微粒子となった劣化ウランは空気とともに肺に入り込んで放射線障害(体内被曝)を引き起こしたり、また地面に落下したものは地下水や土壌を半永久的に汚染し続けます。
1996年、国連人権小委員会では、劣化ウラン弾は核兵器と並ぶ非人道的兵器として使用禁止決議が可決されました。また、2003年4月の国連環境計画の報告でも、イラク戦争による劣化ウラン弾の使用が「人体や環境への深刻な影響をもたらす可能性がある」として早急な現地調査と緊急対策の必要性を訴えています。
無差別に被害を与え、将来に生まれてくる子どもたちにまで被害がおよぶ劣化ウラン兵器は、地球の生命環境をも破壊する大量破壊兵器といえます。広島・長崎の悲惨な体験を持ち、高度な被曝医療の技術がある日本こそが、国際的な連携のもとに劣化ウラン兵器禁止の呼びかけの先頭に立ち、汚染の調査・医療支援などに積極的に取り組むべきではないでしょうか。
《陳情項目》
「核兵器廃絶平和都市宣言」をした茅ヶ崎市議会として、日本政府に対して下記の趣旨の意見書を提出して下さるよう陳情いたします。
- 劣化ウラン兵器の製造と使用の禁止を国際社会に働きかけて下さい。
- 劣化ウラン兵器が使用された地域における人体や環境への影響の調査活動や医療活動への支援を行って下さい。
- サマワから帰還した自衛隊員の健康調査(劣化ウラン検査)を実施して下さい。