2013年12月29日
第29回人権と報道を考えるシンポジウム 憲法改悪と〈知る権利〉――メディアは〈壊憲〉に立ち向かえるか
人権と報道・連絡会主催の「第29回人権と報道を考えるシンポジウム」が12月14日午後、東京学院(水道橋)で開かれ、約90人が参加した。テーマは「憲法改悪と〈知る権利〉――メディアは〈壊憲〉に立ち向かえるか」。
「知る権利」の開拓者・奥平康弘さん(東京大学名誉教授)の基調講演を受け、憲法学者の長峯信彦さん(愛知大学教授)、新聞労連副委員長の米倉外昭さん(琉球新報記者)、人権と報道・連絡会世話人の浅野健一さん(同志社大学教授)、奥平さんの4人でパネルディスカッションした(司会は山口正紀)。討論では、今月6日に安倍晋三政権が強行採決した「特定秘密保護法」と自民党の企む〈壊憲〉をめぐって議論が集中。この悪法をどうとらえるか、なぜ成立させてしまったのか、メディアはどう報じたか、などについて意見が交わされた。奥平さんは、秘密保護法、日本版NSC設置、来春に予想される国家安全保障基本法制定による集団的自衛権行使容認の流れを、「改憲の手続きを踏まない実質改憲」と批判し、「市民一人一人が生き生きとし得る社会に向かって、皆さん、生き生きと闘って行きましょう」と呼びかけた。
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次回定例会予告 2014年1月
次回定例会は1月10日(金)午後6時半から、水道橋の「スペースたんぽぽ」(千代田区三崎町/ダイナミックビル4階)で。テーマは「取り調べ可視化の現在」。日弁連・刑事弁護センター・取調べの可視化実現本部副本部長の前田裕司さんから報告を受けます。
「郵便不正事件」を契機に設置された法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」が11月、5か月ぶりに議論を再開しました。作業分科会の素案は、「原則として取調べ全過程の録音・録画を義務付ける」第1案、「録音・録画の対象範囲を取調官の裁量に委ねる」第2案の2つあり、両案とも対象を刑事事件全体の3%程度の裁判員裁判事件に限定しています。第2案は「泥棒にカギを預ける」ような論外の案ですが、第1案も原則可視化と言いつつ、「被疑者が記録を拒んだ時」など例外を多数挙げています。しかも素案は「司法取引」導入、通信傍受(盗聴)の範囲拡大まで検討課題にしています。素案を作成した作業分科会の過半数は検察・警察出身者で、「可視化を阻止するついでに捜査権限の拡大も」という邪心がまる見えです。例会では、可視化実現に精力的に取り組んでおられる前田弁護士(氷見事件の国賠も担当)から法制審の状況、日弁連の取り組みなどを報告していただき、可視化をめぐる報道についても議論したいと思います。
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2013年11月19日
【予告】第29回人権と報道を考えるシンポジウム メディアは 〈壊憲〉に立ち向かえるか
2013年も残りわずかになりました。12月は「第29回人権と報道を考えるシンポジウム」開催のため定例会は休み、次回定例会は1月になります。
同封したチラシの通り、今年のシンポジウムは12月14日午後1時30分から、東京学院3階(水道橋)で、「憲法改悪と〈知る権利〉――メディアは〈壊憲〉に立ち向かえるか」をテーマに開きます。人報連が発足した際、代表世話人を務めてくださった奥平康弘さん(東京大学名誉教授)に「憲法とメディア」をめぐって講演していただき、その問題提起を受けて、憲法学・メディア研究者、ジャーナリスト、会場参加者の間で議論します。パネリストは、奥平さんのほか、長峯信彦さん(愛知大学教授)、米倉外昭さん(新聞労連副委員長、琉球新報記者)、浅野健一さん(同志社大学教授、人権と報道・連絡会世話人)、司会は山口が務めます。
安倍晋三政権は「戦争できる国」に向けた憲法破壊=壊憲の先取りとして、今国会に「国家安全保障会議(日本版SNC)設置法」とセットで「特定秘密保護法」を上程、その審理が衆議院本会議で始まっています。
米国と一緒に戦争を進めるため、市民に知られると都合の悪い情報をすべて「秘密」にし、それを知ろうとする行動を「犯罪」に仕立てるもので、言論・表現の自由を抹殺し、「知る権利」を奪う憲法違反の悪法です。法案提出後、国会内外で急速に反対の声が高まっていますが、『読売新聞』など保守メディア、テレビ、週刊誌の反応は鈍く、シンポジウム開催の段階で法案がどうなっているか、予断を許さない状況です。シンポジウムではその動きも含め、安倍たちが企む〈壊憲〉にどう立ち向かうか、議論を深めたいと思います。ぜひご参加ください。
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第289回定例会 ヘイトスピーチとメディア
人権と報道・連絡会の第289回定例会が11月8日夜、水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約40人が参加した。テーマは「ヘイトスピーチとメディア」。
9月に設立された「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク・のりこえねっと」の共同代表・辛淑玉さんから「レイシズムと日本――私の中にある哀しみ」と題して講演を受けた。「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の京都朝鮮第一初級学校に対するヘイトスピーチで京都地裁は10月6日、「在特会の街宣は人種差別」として街宣差し止めなどを命じる判決を出した。同様の行為は全国各地で繰り返されているが、日本社会はこうした「憎悪犯罪」を容認する風潮が強い。辛さんは、各地のヘイトスピーチの実態を映像で紹介した後、在日朝鮮人・外国人、沖縄、被差別部落などに対する差別、いじめ、暴力の実態と構造、その背景にある日本社会の根深いレイシズム、メディアの問題点などについて問題提起。それらの問題をどう乗り越えるか、参加者の間で討論した。
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